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環境ニュース[海外]

EU、温室効果ガス排出削減目標値引き上げの際の費用、利益、対策オプションに関する分析を公表

地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2010.06.07 【情報源】EU/2010.05.26 発表

 欧州委員会は、2020年までの温室効果ガス排出削減目標を、1990年比20%から30%に引き上げた際の費用、利益、対策オプションについて分析した文書を公表した。これによると、30%削減は可能であり、EU全体に利益をもたらすとしている。概要は下記のとおり。
●目標達成費用
 2008年以降、20%目標を達成するための費用は、2008年の予測値である年間700億ユーロから480億ユーロに減少。減少理由は、低い経済成長による排出量の減少、高いエネルギー価格によるエネルギー効率の改善及びエネルギー需要の減少、経済危機により利用されなかった排出枠が次の期間に回されたことから炭素価格が2008年時の予測値よりも大幅に低くなったことなどが挙げられる。30%目標を達成するための費用は、2020年まで年間810億ユーロであり、2008年の予測値よりも110億ユーロ高く、今回の20%削減費用値よりも330億ユーロ高い。
●低炭素成長
 環境に配慮した低炭素成長は、新しい持続可能な雇用の創出とエネルギー供給保障の改善をもたらす。しかし、炭素価格が予想よりも低い現在、20%目標が持つ変革や革新への促進力は弱まっている。さらに、先進国グループの一員として、ヨーロッパは、2050年までに温室効果ガス排出量を最適な費用で80%から95%削減しなければならない。
●30%への引き上げへの対策オプション
 30%目標を達成するための対策オプションとして、EU排出量取引制度において競売される排出枠の削減、目標を定めた税制措置の実施、EU地域政策において環境に配慮した投資を促進するための財源の投入、そしてEU排出量取引制度において承認された国際炭素クレジットの環境効果の改善を挙げている。
●カーボン・リーケージ
 他国が温室効果ガス排出削減に関してコペンハーゲン協定の義務を実行し、かつ既存の対策を継続し、その上で、温室効果ガス排出削減目標を引き上げた場合、カーボン・リケージの影響は限られていると分析している。【欧州委員会環境総局】

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