一般財団法人環境イノベーション情報機構
アメリカ環境保護庁、鉛製給水管の布設替を推進する規則改正を最終決定
【健康・化学物質 その他(健康・化学物質)】 【掲載日】2024.10.23 【情報源】/2024.10.08 発表
アメリカ環境保護庁(EPA)は、住民を鉛曝露から守るため、10年以内に鉛製給水管の布設替を義務付ける「鉛及び銅に関する米国一次飲料水規則の改正」(LCRI)を最終決定した。鉛は神経毒があり、安全といえる濃度はないとされる。
EPAの推定では鉛管による給水世帯は900万戸、多くは貧困地域にある。
今回の改正は、上下水道当局に対し、鉛管の布設替え、トリガー値(調査の必要性を判断する基準値)の削除、対策を実施する基準値を改正前の0.015 mg/Lから0.010 mg/Lへ引下げ、厳格なサンプリング手順などを義務付けるもので、インフラ投資雇用法に基づき26億ドルを州の水道回転基金を通じ実施当局に提供する。
資金の49%は貧困地域に返済免除の条件で提供される。
鉛管の布設替えにより、低出生体重児、ADHD、心臓疾患による早死等の減少や知能指数の向上など保健医療上の効果が期待されるだけでなく、鉛管の特定・除去・布設などの事業の雇用が生まれ、支出の最大13倍の利益が得られるという。
【アメリカ環境保護庁】