一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州委員会、2023年のEU温室効果ガス排出量は8.3%減と報告
【地球環境 その他(地球環境)】 【掲載日】2024.11.19 【情報源】/2024.10.31 発表
欧州委員会は、「気候変動対策の進捗報告書2024年版」を公表し、2023年 のEUの温室効果ガス(GHG)の実質排出量が前年比 8.3% 減 と、過去数十年で最大の年間減少幅(注1)になったことを報告した。1990年 比 でみるとGHG排出量は 37% 減、GDPは 68% 増となっており、排出削減と経済成長の両立が続いていることが示された。
EUの 2030年 目標(1990年比 55% 以上削減)の達成に向けて順調だという。
主な報告内容は次のとおり。
・EU排出量取引制度(EU ETS)の対象の電力部門と産業部門からの排出量は16.5%という記録的な減少となった。2005年 比では 約47.6% 減である(注2)。
・EU ETSの下で発電と暖房に起因する排出量は 24% 減少した(注3)。航空部門の排出量は 9.5% 増であった。
・努力分担規則の対象である建物や農業、国内輸送、小規模産業、廃棄物に起因する排出量は 約2% 減少した。
・土地利用、土地利用変化及び林業部門(LULUCF)の炭素吸収量は 8.5% 増加し、過去10年間の減少傾向が覆った。
(注1)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行を受けて 9.8% の排出減となった 2020年 を除く
(注2)EU ETS対象部門についての 2030年 目標は 2005年 比 62% 減
(注3)再生可能エネルギー発電の成長と石炭からの脱却移行が主因
【欧州委員会】