No.272
Issued: 2019.02.07
第四次循環型社会形成推進基本計画について
我が国では、天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される「循環型社会」を目指し、循環型社会形成推進基本法に基づき、循環型社会形成推進基本計画(以下、循環基本計画)を策定し、関連施策を総合的かつ計画的に推進してきました。
2018年6月には新たな計画となる第四次循環基本計画を閣議決定しました。
第四次循環基本計画の概要
第四次循環基本計画では、第三次循環基本計画で掲げた「質」にも注目した循環型社会の形成、低炭素社会や自然共生社会との統合的取組等を引き続き中核的な事項としつつ、さらに、経済的側面や社会的側面にも視野を広げています。
循環型社会の形成に向けた中長期的な方向性として、①経済的側面、社会的側面との統合を含めた「持続可能な社会づくりとの統合的取組」、②「多種多様な地域循環共生圏形成による地域活性化」、③「ライフサイクル全体での徹底的な資源循環」、④「適正処理の更なる推進と環境再生」、⑤「万全な災害廃棄物処理体制の構築」、⑥「適正な国際資源循環体制の構築と循環産業の海外展開の推進」を掲げ、これらを支える⑦「循環分野の基盤整備」を進めることとしています。
これら7つの柱ごとに、国が実施すべき取組、指標を設定しています。
第四次循環基本計画における国の取組
第四次循環基本計画では、7つの柱ごとに概ね2025年までに国が講ずべき施策を示しています。例えば、持続可能な社会づくりとの統合的な取組として、高齢化社会に対応した廃棄物処理体制の在り方の検討、多種多様な地域循環共生圏形成による地域活性化として、地域における雇用機会の拡大や地域住民の生活の質の向上にもつながる、健全な資源循環ビジネスの創出を支援すること、ライフサイクル全体での徹底的な資源循環として、シェアリング等の2R型ビジネスモデルの促進・評価などを掲げています。
循環型社会形成のための指標及び数値目標
循環型社会を形成するためには、我が国全体でどの程度の資源を採取、消費、廃棄しているのかの全体像を的確に把握し、その向上を図っていく必要があります。
第四次循環基本計画では、第一次から第三次までの循環基本計画に引き続き、物質フロー(ものの流れ)の3つの断面である「入口」、「循環」、「出口」に着目し、それぞれを代表する指標(代表指標)として「資源生産性」、「循環利用率」、「最終処分量」を掲げています。これらの代表指標の2025年度における数値目標として、「資源生産性」は約49万円/トン、「入口側の循環利用率」は約18%、「出口側の循環利用率」は約47%に向上させることとし、「最終処分量」は約13百万トンまで削減することを目指しています。
そのほか、第四次循環基本計画では多くの新たな指標が追加され、これらを評価・点検することでより多角的に循環型社会の全体像を把握できると考えています。
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(記事・図版:環境省環境再生・資源循環局総務課循環型社会推進室)
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