一般財団法人環境イノベーション情報機構
エコチャレンジャー 環境問題にチャレンジするトップリーダーの方々との、ホットな話題についてのインタビューコーナーです。

No.036

Issued: 2014.12.09

第36回 鬼頭昭雄 筑波大学生命環境系主幹研究員に聞く、近年注目を集めている気象の極端現象と地球温暖化の影響とその対策

鬼頭昭雄(きとうあきお)さん

実施日時:平成26年11月5日(水)15:30〜
聞き手:一般財団法人環境イノベーション情報機構 理事長 大塚柳太郎
ゲスト:鬼頭昭雄(きとうあきお)さん

  • 1953年大阪府生まれ。専攻は気象学。
  • 現在、筑波大学生命環境系主幹研究員。
  • 1978年気象庁に入り、2007年気象庁気象研究所気候研究部部長、2013年5月より現職。また2011年より日本学術会議連携会員。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第1作業部会第2次〜第5次評価報告書の執筆者を務める。
  • 著書に、「気候は変えられるか?」(ウェッジ選書)。
目次
30年に1回の頻度で発生する現象を異常気象と定義
1970年代後半からアメダスが日本全国に展開、今では1000地点以上で測定され、1時間ごとの降水量も記録されている
気温の上昇は大気現象以外の要因にも影響されている
IPCCの報告書にもあるように、降るところと降らないところのコントラストが強くなる
「2°C目標」を達成した場合、気温はあるところで落ち着くが、それでも海面水位は上昇をつづける
温度上昇とともに極端な現象がこれまでより増え強さも増す可能性が高い
「2°C目標」を3分の2の確率で達成できる温室効果ガスの総排出量は炭素換算で7900億トン。すでに5150億トンが排出され、残りの枠は2750億トンしかない

30年に1回の頻度で発生する現象を異常気象と定義

大塚理事長(以下、大塚)― 本日は、EICネットのエコチャレンジャーにお出ましいただきありがとうございます。鬼頭さんは、筑波大学で「気候変動リスク情報創生プログラム」【1】の主幹研究員をされておられますが、その前は長年にわたり気象庁気象研究所で気候変動研究に携わってこられました。最近、国内外で大きな注目を集めている、異常気象あるいは気象の極端現象について、地球温暖化とも関連づけながらお話を伺いたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
早速ですが、異常気象あるいは気象の極端現象は、気象学ではどのように捉えられているのでしょうか。定義があれば、ご説明いただけますか。

鬼頭さん― 日本の気象庁が、気温あるいは降水量などを異常と判断するには、まず場所と期間を決めます。期間として、30年に1回の頻度で発生する現象を異常気象と定義しています。現在は、1981年から2010年までの30年間の値の平均を平年値としています。どうして30年かというと、世界気象機関に推奨されていることもありますが、30年だと一生の間に稀に起きると感じるのではないでしょうか。

大塚― 30年という年数が分かりやすく感じてきました。

鬼頭さん― ただし、気象の極端現象も、ある場所である期間に稀にしか起きないことを指すのは確かですが、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告書なども含め、「稀にしか起きない」程度が30年に1回で統一されているわけではありません。過去の値の頻度分布をつくり、1パーセント、5パーセント、あるいは10パーセントを超える頻度で起きる値を「普通」とし、それ未満を「極端」と定義する場合もあります。

アメダスで観測された夏季の1時間降水量80ミリ以上の観測回数
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1970年代後半からアメダスが日本全国に展開、今では1000地点以上で測定され、1時間ごとの降水量も記録されている

大塚― 極端現象の定義もそれほど単純でないことが分かりましたが、最近、極端現象の「極端さ」がさらに大きくなっているとか、頻度が高まってきているのは確かなのでしょうか。

鬼頭さん― そうですね。世界の多くの地域で、熱波や大雨あるいは強い雨が起きる頻度が高まっているのは確かだと思います。
しかし、日本の降水量については気象庁が長い間記録をとっており、記録からは、年降水量は増えたり減ったりし、最近とくに変化したとはいえません。一方で、長期的にみて大雨の頻度は増えています。

大塚― 大雨というのは、1日の降水量あるいは何日間かの降水量を指すのですか。

鬼頭さん― たとえば、1日に100ミリ以上降った回数と定義すると、過去100年間に20パーセントほど頻度が高まっています。もっと大雨で、1日に200ミリ以上の降水量とすると、頻度は100年間に40パーセント高まっています。
 100年分のデータがそろっているのは、気象庁の気象観測所のデータですが、1970年代後半からはアメダス【2】が日本全国に展開され、今では1000地点以上で測定がなされ、1時間ごとの降水量も記録されています。そのデータから、1時間降水量が50ミリ以上を「強い雨」とすると、その頻度は10年あたり10パーセントも増えています。

大塚― 年降水量の変化は小さく、「強い雨」の頻度が大幅に高まったということは、乾燥した日も増えたということなのでしょうか。

鬼頭さん― そのとおりです。雨の降らない日数も増えています。より短い時間にたくさんの雨が降る一方で、降らない日が多くなっているのです。

気温の上昇は大気現象以外の要因にも影響されている

沿岸に接近する台風の将来変化
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大塚― 熱波をはじめ、気温についてもご説明ください。

鬼頭さん― 熱波は確かに増えていますが、まず気温についてお話したいと思います。気温の変化は、ヒートアイランド現象の影響も、地球温暖化による影響も受けています。たとえば、東京では100年間に3°C(摂氏3度)気温が上がったのですが、バックグラウンドとして上がっているのは1°C程度です。残りの2°Cはヒートアイランドの影響と考えられます。熱波というのは、短い時間に非常に熱い空気が流れる現象です。ほかにも、ブロッキング現象【3】が起きると、何日にもわたり温まった空気がたまり地面が乾き蒸発量が減り、夜になっても暑さが残ります。このように、気温の上昇は大気現象以外の要因にも影響されているのです。

大塚― 地面がアスファルトか土かという要因なども、気象学で扱うのですか。

鬼頭さん― 気候モデルの研究では数値実験を行うのですが、その時に、蒸発量を変えるなどの感度実験により、さまざまな状況を検討することができます。たとえば、2003年の欧州における熱波、2010年のロシアにおける熱波の時、どの要因がどの程度影響したかを明らかにできるのです。
 感度実験では、何度も実験をします。1つの事例に対して100例の実験、100年前の温暖化が起きていない状況に対しても100例の実験を行えば、両方の結果から得られる頻度分布を比較できます。たとえば、100年前の頻度分布で高い方から1パーセントにあたる気温が、現在の頻度分布で10パーセントにあたれば頻度が10倍になった、というようなことが分かるのです。

大塚― 私たちがマスコミなどで目にする、熱波や高温の頻度の増加は、そのような研究に裏づけられているのですね。台風についてはいかがでしょうか。

鬼頭さん― 去年(2013年)フィリピンのレイテ島を襲った台風30号が、895ヘクトパスカルという最低気圧だったことなどから、強い台風が増えたと感じられている方が多いと思います。しかし、最低気圧が900ヘクトパスカル以下の台風は何度も起きていますし、日本に上陸した台風で一番強かった1934年の室戸台風【4】は、日本への上陸時でも約912ヘクトパスカルでしたし、1959年の伊勢湾台風の時は約930ヘクトパスカルでした。室戸台風は80年も前のことで人々の記憶からは風化してしまっていますが、記録からは、台風が大型化しているとはいえません。

大塚― 最初のお話しに出たように、一世代以上も前のことは記憶が薄れるのですね。


IPCCの報告書にもあるように、降るところと降らないところのコントラストが強くなる

RCP8.5シナリオにおける(上)最大5日間降水量および(下)連続無降水日数の21世紀末の20世紀末に対する変化予測。
気候モデルの将来予測によると、中緯度の陸域のほとんどと湿潤な熱帯域において、今世紀末までに極端な降水がより強く、より頻繁となる可能性が非常に高い。
一方で、地域規模から地球規模で、干ばつの強度や持続期間が増加する可能性が高い。
なお、RCP8.5シナリオとは、IPCCが第5次評価報告書で用いたシナリオ(仮定)の1つで、放射強制力(地球温暖化を引き起こす効果)が2100年以降もつづくとするシナリオ。

大塚― ところで、地球規模では異常気象が増えているのでしょうか。

鬼頭さん― 地球温暖化に関係すると思われる異常気象は、日本だけでなくて世界的に増えています。

大塚― 発生のメカニズムにかかわるのですが、以前から知られているエルニーニョやラニーニャなどの現象に変化が起きたとか、新しい現象がはじまったということなのでしょうか。

鬼頭さん―  日本に関係する異常気象としては、エルニーニョ・南方振動現象【5】や、北極振動現象【6】があります。これらは昔からありましたし、最近とくに変わったということもありません。エルニーニョ・南方振動現象にしても北極振動にしても、変動の範囲内に収まっていると思います。
 しかし、地球温暖化の影響があらわれているのも確かです。気温が上がると大気中の水蒸気量が増えます。地球温暖化で、この100年間に気温が1°C近くも上がっており、大気中の飽和水蒸気圧は約7パーセント増えています。年降水量の変化には水蒸気圧以外の要因もはたらきますので7パーセントも増えないのですが、それでも、年降水量が1〜3パーセント増加することになります。
 もっと気になるのは、狭いところで降る大雨とか強い雨は、水蒸気量が増えた分だけ増えるため、気温が1°C上がると、7パーセントあるいはそれ以上増えることです。このことは、観測からもモデル実験からも確かめられています。また、雨が元々多く降るところで多く降るようになり、乾燥気味だったところはより乾燥するのです。その理由は上昇気流に関係しています。たとえば、以前と同じエルニーニョ現象が暖かい地域で起きた場合、気圧配置あるいは上昇流や下降流が同じでも、水蒸気量が増えますから降水量が増え、水害などの危険度が高まるのです。

大塚― そうすると、乾燥地における砂漠化も大きな地球環境問題ですが、砂漠地帯では乾燥が一層強まる可能性が高いのでしょうか。

鬼頭さん―  そのとおりです。IPCCの報告書にもあるように、降るところと降らないところのコントラストが強くなるのです。年変化でも、降る季節にたくさん降り、降らない季節に減るというコントラストが強くなるのです。


「2°C目標」を達成した場合、気温はあるところで落ち着くが、それでも海面水位は上昇をつづける

ダウンスケーリング国際ワークショップ

ダウンスケーリング国際ワークショップ(2013年10月、つくば国際会議場)参加者
気候変動リスク情報創生プログラム領域テーマCでは、気候変動によるハザード評価に応えられる地域詳細な気候シナリオの整備を行っている。

大塚― IPCCのことがでましたが、第5次評価報告書では海水温が取り上げられています。とくに、表面だけでなく深部の海水温が注目されていると思いますが、この点についてご説明いただけますか。

鬼頭さん― 二酸化炭素などの温室効果ガスが大気中に増えているのですが、温めているのは大気だけでなく地球全体です。熱エネルギーが地球全体に蓄えられつつあり、最も多く蓄えられているのが海なのです。今度のIPCCの報告書によると、地球のエネルギー貯蔵量の1971年から2010年までの40年間における増加分の約93パーセントが、海洋の温暖化をもたらしているのです。なお、増加分の64パーセントが海洋の表層にあたる700メートルより浅いところに蓄えられ、残りの7パーセント分が、氷を溶解させ陸地を温めています。

大塚― 地球の平均気温が上がりはじめたときから起きていたことが、測定技術の向上や測定の累積によって明らかになってきたのですね。

鬼頭さん― 海は温まりにくいのです。海は、表面が温かく底は冷たい安定な成層になっていて、表面から温まっていくので深いところまではなかなか伝わらないのです。ただし、北大西洋の北部、あるいは南極の周辺の海のような冷温帯に、深い対流が起きているところがあります。冷温帯では海水の密度が高く深くまで海水が沈むので、海の表面から熱を運ぶことになります。海の深部には海水の流れがあるので、海の表層から輸送された熱が世界中の海に広がっていくのです。この過程で起きる、浅いところは早く温まり、深いところはまだ温まっていない状態は、現在の二酸化炭素の濃度に対し海水の温度が平衡に達していないことを意味します。したがって、もし二酸化炭素濃度の上昇を止めても、二酸化炭素濃度が平衡に達するまで海水の温度上昇がつづくのです。そういう慣性があるということですね。

大塚― 海水温の上昇による気象への影響は大きいのでしょうね。

鬼頭さん― 長期的な気候変動に、とくに重要です。今お話ししたように、地球の気候システムが平衡状態になく、二酸化炭素濃度が一定になるまでに時間がかかるのです。大きな問題は、海が温まり膨張すると海面水位が上昇することで、今後平衡状態に達するまでどんどん上昇するのです。IPCCの第5次評価報告書に、今後100年間の気温の変化と海面水位上昇のグラフが載っています。現在のまま二酸化炭素を排出する場合と、排出削減に取り組み「2°C目標」【7】を達成した場合を想定し、2つの気温の変化が示されています。「2°C目標」を達成した場合には、気温はあるところで落ち着くのですが、それでも海面水位は上昇をつづけます。

大塚― IPCCが目指すように、今世紀末までに二酸化炭素排出量がゼロになり、大気の気温が平衡状態に達したとして、さらにまた数世紀にわたって海面水位が変化するということでしょうか。

鬼頭さん― そういうことです。海面上昇は深刻だと思います。

大塚― 温暖化による海洋への影響が深刻なことがよく分かりました。


温度上昇とともに極端な現象がこれまでより増え強さも増す可能性が高い

気候変動リスク情報創生プログラム
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大塚― 一方、地球温暖化への対処に気象予測も大事になってきていると思います。今後の気象予測が目指している内容などをご紹介ください。

鬼頭さん― 私自身もメンバーになっている、文部科学省の「気候変動リスク情報創生プログラム」は、まさに将来の気象予測にかかわっていますので、このプログラムの概要も含めてお話しさせていただきます。
気候が変化しているのはまちがいなく、気象変動に対し今後50年あるいは100年にわたりどう適応すべきかを、いろいろな科学的なアプローチから見出さなくてはなりません。その中で、私たちが行っているのは、極端現象のレベルや頻度などを含む将来の気象予測です。温度上昇とともに極端な現象がこれまでより増え強さも増す可能性が高く、日本あるいは途上国をはじめとする世界の国々が、そのような場合に備え、防災あるいは減災を考えることになります。私たちのプログラムは、そのために必要な情報、とくに定量的な情報を出すことを目的にしています。 具体的には、台風や梅雨前線にともなう大雨などを再現できる精緻な気候モデルをつくることです。温暖化により引き起こされる異常気象のリスクをハザードと表現しますが、ハザードの空間・時間変動を再現するため、世界最高水準のスーパーコンピュータである「地球シミュレータ」をつかって研究しています。

大塚― ハザードの程度を、地図上にハザードマップとして示されるのだろうと思いますが、どのようなスケールをお考えなのですか。

鬼頭さん― 2段階で行っています。1つは世界全体を20キロのメッシュに分けています。日本の気象庁による天気の週間予報や台風の予報でつかわれているのが、20キロメッシュの予報モデルです。私たちはそのモデルを高度化し、30年あるいは100年先の気象予測に適用できるようにしています。これは全世界の気候モデルで、日本だけなく、インド、東南アジア、南米など、世界のすべての国が受ける気候変動の影響を予測しますので、各国が適応策を用意する上で有用な情報になることを目指しています。
もう1つは、日本域を対象にする5キロメッシュのもので、このスケールですと大雨などの予測もより精確に再現できます。


「2°C目標」を3分の2の確率で達成できる温室効果ガスの総排出量は炭素換算で7900億トン。すでに5150億トンが排出され、残りの枠は2750億トンしかない

気象・気候に関連した影響のリスクの概念図
気候変動によるリスク(危険性)は、気象・気候に関連するハザード(危害)、暴露、人間及び自然システムの脆弱性の相互作用によってもたらされる。
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大塚― 大変重要な研究に取組まれており、その成果に大いに期待しています。高度な予測が進みつつあるわけですが、私たちが気をつけるべき点があればご指摘ください。

鬼頭さん― 最近、広島で大きな土砂災害がありましたね。あの時も、国は大雨警報や土砂災害警戒情報を出しましたし、気象庁は特別警戒を出しました。自治体も、それらの警報に合わせ、避難指示などの情報を出しています。それに、ハザードマップもかなり整備されていたのです。しかし、多くの住民の方は知らなかったか、あるいは見たことがなかったのです。災害を最小限に抑えるための気象警報に空振りがあるのは当然で、予測が最もむずかしい竜巻の的中率は数パーセント以下なのです。空振りがつづくと住民の方が「またか」と思うのは仕方ないところがあるとはいえ、マスコミをはじめ、多くの方々に気象関連の警報がもつ特性を理解していただきたいと願っています。

大塚― よく分かります。最後になりますが、鬼頭さんからのEICネットの読者に向けたメッセージをお願いいたします。

鬼頭さん― ちょうどIPCCの第5次評価報告書が出たばかりですが、私がとくに大事と思うのは、「2°C目標」を達成するための条件になる、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの過去の排出量と今後の排出許容量が示されたことです。「2°C目標」を3分の2の確率で達成できる温室効果ガスの総排出量は、炭素換算で7900億トンです。すでに5150億トンが排出されているので、残りの枠は2750億トンしかないのです。現状は毎年100億トン近くが排出されており、単純計算すると30年で「2°C目標」から逸脱してしまうのです。
「2°C目標」はむずかしいという声もよく聞くのですが、2°C上昇の場合、3°C上昇の場合、さらには4°C上昇の場合、どのような世界になるのかがよく分からないのも確かなのです。大事なのは、それぞれの場合の影響を評価し、どのようにすれば適応できるのか、適応するにはどのくらいのコストがかかるのかなどの情報を、世界全体で共有することです。そうすると、3°C上昇でもしょうがないとか、4°C上昇でもいいという意見は減ると思います。私たちの研究グループは、2°C上昇、3°C上昇、あるいは4°C上昇した世界で起こる身近なこと、たとえば強い雨がどのように降るのか、そして洪水が起きる頻度がどれだけ増えるのか、あるいは熱波はどのくらい強くなるのかという情報を出していきます。EICネットの読者の皆さまには、気候変動に積極的な関心を寄せていただきたいのです。

大塚― 大変重要な研究を、ますます発展させていただきたいと思います。本日は、どうもありがとうございました。


筑波大学生命環境系主幹研究員の鬼頭昭雄さん(左)と、一般財団法人環境イノベーション情報機構理事長の大塚柳太郎(右)。)

筑波大学生命環境系主幹研究員の鬼頭昭雄さん(左)と、一般財団法人環境イノベーション情報機構理事長の大塚柳太郎(右)。


注釈

【1】気候変動リスク情報創生プログラム
2012年に開始された文部科学省の研究委託事業で、気候変動によって生じる多様なリスク管理に必要な基盤的情報の創出を目的とする。地球シミュレータ等の世界最高水準のスーパーコンピュータを活用し、今後数年〜数十年で直面する地球環境変動の予測と診断、温室効果ガス排出シナリオ研究と連携した長期気候変動予測、気候変動の確率的予測技術の開発、精密な影響評価技術の開発などを進めている。
「気候変動リスク情報創生プログラム」: http://www.jamstec.go.jp/sousei/
【2】アメダス(AMeDAS; Automated Meteorological Data Acquisition System)
気象庁の無人観測施設である「地域気象観測システム」の通称。日本国内の約1,300の気象観測所で構成されている。
【3】ブロッキング現象
偏西風などの大規模な風の流れの振れ幅が大きくなる状態が長期間つづく現象で、通常とは異なる気圧配置がつづくため、大雨、高温、大雪、寒波などが起きやすくなる。
【4】室戸台風
1934年9月21日に高知県室戸岬付近に上陸し、京阪神地方を中心に甚大な被害をもたらした台風。室戸岬上陸時の中心気圧911.6ペクトパスカル、最大瞬間風速60メートル/秒を観測した。枕崎台風(1945年)、伊勢湾台風(1959年)とともに昭和の三大台風の1つ。
【5】エルニーニョ・南方振動
海洋では太平洋の赤道付近で局所的に海面水温が上昇し海流が変動し、大気ではインドネシア付近と南太平洋東部で海面気圧が連動してシーソーのように変化する現象で、数カ月から数十カ月間持続する。海洋に着目した場合に「エルニーニョ現象」、大気に着目した場合に「南方振動」と呼び分けられることもある。
【6】北極振動
北極と北半球中緯度地域の気圧が相反して変動する現象。冬季にこの振動の幅が大きくなると、北半球の高緯度・中緯度地域で寒波やそれに伴う大雪、あるいは異常高温が起きる。
【7】2°C目標
2009年にコペンハーゲンで開催されたCOP15(第15回気候変動枠組条約締約国会議)で承認された、地球の気温上昇を2°C以内に抑える取り決め。