一般財団法人環境イノベーション情報機構
表富士の森林復元活動
【募集期間】| 2004.05.27〜2004.06.12 山の自然学クラブでは「山の自然を学んで、自然を守る方法を考え、
自然保護活動」を行っています。
「表富士の森林復元活動」は関東森林管理局静岡森林管理署と2003年4月
から5年間協定の「山の自然学クラブ・富士山森の復元活動」を締結して、
富士山の国有林の森林復元活動を行っています。
この土地を最大限に利用して、なるべく多くの人々に参加して頂き、
植物の観察会や植林作業を行っていきたいと考えています。
会員以外の方にも自然を楽しんで頂けるイベントも予定しています。
≪2004年度 表富士森林復元活動計画≫
2003年は現地の気象環境や周辺の動植物の生態がどうなのかなど分か
らないことが多かったので、様子を見ながら少人数で活動しました。
2004年は植林地の保育作業(植えた樹木の成長や自然環境の回復を
手助けするため必要な手入れをすること)を中心に会員以外が方が
参加しても興味の湧く頂くイベントを交えます。
現在の活動予定は下記の通りです。少しでも関心のある方は一度でも
よいので、是非ご参加下さい。問い合わせお待ちしています。
【4月3−4日 現況調査】
冬を越して、現地がどのようになっているか見てきました。
状況を把握したので、検討した上で下記の今年の活動を見直します。
去年採ったブナの種子で、発芽してしまったものは播いてきました。
【4月10−11日 測量・現況調査】
2003年に植林地内に設置した植生調査用のplotにロープを張り直す
などの作業をしました。
現地へ行ったときにはロープ内へは入らないようにご協力を。
植生調査区画(10×20m程度) 2箇所 → 緑のロープ
下刈り試験地(20×60m程度) 1箇所 → 黄色と黒のトロープ
【5月9日 種播き・地図作製】
表富士の協定林で種播き等の作業をしました。参加者は11人、そのうち会員は4人でした。
雨の中、種播きなどをしたわけですが、当日参加されたみなさんは雨などものともせず、
植林地内を縦横に歩き回っていたのが印象的でした。やり始めると夢中になってしまう作業です。
種採りなどはかなり麻薬的な魅力があります(ちょっとマニアックな人の言うことのように
聞こえますが、人間の採集本能はまだ遺伝子の中に組み込まれているのだと実感できます^^;)。
○種播き
播種は植林地内の中央部付近、ホオノキの母樹が残っている周辺です。播種樹種は次の8種:アブラチャン、クロツバラ、サワシバ、ブナ、ミツバウツギ、
ミヤマイボタノキ、ミヤマガマズミ、ムラサキシキブ
いずれも2003年10月現地講座で採取し、東京農業大学で精選・保存したものを用いています。
○地形図づくり
GPSによる簡易地形図を作製するための作業で、外周もしくは主なポイントの緯度、
経度をつないだ簡単な図はもうできあがっています。これをより正確にして、
実際に私たちの作業に利用できるようにすることがこれからの課題になります。
○植生復元試験地
植生調査用のプロットを2箇所作ってあります。その中に22日、9日に使い切らなかった
種を播きました。ここでは、植栽木と播種木の正確な位置と成長を測定・観察します。
【6月13日(日) 下刈り・侵食防止作業】
現地に生育が見られる植生のうち、下層にあたるものはススキ、ウツギ類・イチゴ類、
ススキ以外のイネ科草本の3種類に大まかに分かれます。
現地にはススキがたくさん生えている箇所があり、放置すると樹木はススキの樹勢に
負けて、ススキだけになりますので、このようなところは多少の草刈りを行います。
また、今年から下刈りの時期や量によって植生がどのように影響を受けるのか
「下刈り試験」をしたいと思います。下刈り試験の調査の結果は今後の貴重なデータ
となるように社会に公表していきます。この調査に関わりたい方は下記の中村へ。
○集合時間と場所
10:30、 御殿場 国立青年の家 駐車場
静岡県御殿場市中畑2092-5 TEL:0550-89-2020
http://www.fujinosato.jp/
*自家用車の方は御殿場へ直接おいで下さい。
*電車での参加ご希望の方は、
富士吉田駅もしくは河口湖駅 9:30、御殿場駅 10:00
迎えに行くことができますので、都合のよろしい方を、お知らせ下さい。
原則、上記としますが、実際のところはかなりフレキシブルに対応します。
「行きたいけど、どうしようかな」と思っておられる方は、まずお問い合わせを。
○持ち物
1. 当日のお昼はご持参下さい
2. 長袖の服と革の作業用手袋(ホームセンターで200円程度)
3. お持ちの場合は、鎌 など
○参加費
2,000円(当日徴収させていただきます)
○申込み、お問い合わせは幹事の中村へ。
中村華子 http://www.shizen.or.jp/
【7月3−4日 下刈り・侵食防止作業等】
6月と同じ内容です。播種した植物の発芽状態も観察します。
【9月4−5日 現況調査・下刈り】
播種した植物の現況調査、保育と下刈り試験の調査、下刈り作業など。
【10月23−24日 種子採取】
現地の近くの自然林で、自然植生を観察をするとともに、自生樹木の
種を採取し、2005年以降に現地へ導入する植物の種類を増やします。
2003年はブナが10年ぶりの大豊作でしたが、ミズナラやカエデは
あまり種ができませんでた。去年稔らなかった樹種は今年の稔りに
期待します。多くの木には種子の豊凶には波があり、毎年たくさん
稔るわけではありません。
この日も会員以外の方が参加しやすようなイベントを考えています。
是非ご参加下さい。
【11月6−7日 現況調査】
来年に向け、現状を把握して、冬に入りす。
【その他の活動】
@復元目標となる植生の観察会・把握のために。
協定植林地と同じ植生帯に属する、復元目標となる植生について多少
の観察と知識の会得を行ってきましたが、それを今後参加する人が
参考にできるようにまとめてます。そのような資料によって、
自然観察会や種子採取の際に充実した取り組みができます。
具体的には、(1)現地に生育する植物の一覧表 (2)現地周辺に
成育する動物の種類と習性(他の地域と習性などが違うようです)
(3)現地の土壌条件等、将来 の植生を予想考するために必要な知識
を蓄積していきます。
【登録日】2004.05.28