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「苦界浄土:わが水俣病」 環境用語

作成日 | 2024.07.03  更新日 | 2024.07.03

「苦界浄土:わが水俣病」

クカイジョウド:ワガミナマタビョウ   【英】Paradise in the Sea of Sorrow: Our Minamata Disease  

解説

水俣在住の主婦であった石牟礼道子(1927年-2018年)が、水俣病の被害者である漁民たちの運動や患者たちの苦悩や希望を克明に描いた書物。1950?60年代の日本の公害問題を知る上での原点ともいうべき書籍。

著者は、自らの故郷を襲った惨禍に出会い、やむにやまれない気持ちから水俣病患者からの聞き書きを開始し、第一部は1969年に出版され、全三部完結まで足かけ四十年以上かけて書き継がれた。その内容は、水俣病の患者たちになりかわって、故郷の美しく豊かな海を奪われて病を強いられ、命を奪われた人たちの悔しい思いを方言のままにつづっている。おりしも高度経済成長期の公害問題や環境破壊が社会的に注目され始めた時期に公表され、公害告発の書としてだけではなく、鋭い文明論的洞察と近代文明に対する根底的なの批判の一面もあったことから社会に大きな衝撃を与えた。(2024年6月作成)

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