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短寿命大気汚染物質 環境用語

作成日 | 2012.05.16  更新日 | 2014.02.25

短寿命大気汚染物質

タンジュミョウタイキオセンブッシツ   【英】short-lived climate pollutants  [略]SLCPs  [同義]短寿命気候強制力因子  SLCF (Short‐lived Climate Forcer) 

解説

人間活動により排出される対流圏オゾンエアロゾル、ブラックカーボン(煤)など、比較的寿命の短い(数ヶ月以内)大気汚染物質のこと。近年、地域公害への影響のみならず、地域的気候への影響に対して注目を集めており、短寿命気候強制力因子(SLCF (Short‐lived Climate Forcer))などとも呼ばれる。

温室効果ガスに較べて寿命は短いものの、大量排出による量的な効果で無視できない影響を及ぼしていると考えられている。例えば、SO2から生成する硫酸粒子などのエアロゾル(微粒子)が大気中のエネルギー交換である放射の伝達を直接的に攪乱するだけでなく、雲の生成に影響を与えて間接的に放射に影響を及ぼす効果などが知られている。

大気中の寿命が比較的長く、大陸を越えて半球規模で広がる温室効果ガスに対して、寿命が短いSLCPsは発生源地域に局在化するのが特徴で、全球平均で同じ放射強制力が働くものの、その地域的気候影響には大きな違いがあると考えられている。大気汚染現象が先進国・途上国の多くの地域で普遍的な問題となってきている今日、グローバルおよび地域的(リージョナル)なスケールでの国際的な取り組みが必要となってきている。

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