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漂流・漂着ごみ 環境用語

作成日 | 2008.04.30  更新日 | 2009.10.14

漂流・漂着ごみ

ヒョウリュウ・ヒョウチャクゴミ   【英】Drifted Wastes / Wastes drifted ashore / Marine Litter  

解説

国内、国外、陸上、河川、海上(船舶等)などを発生源とし、海上を漂流して、各地の海岸に漂着するごみのこと。海岸に漂着して海岸機能を低下させ、景観を悪化させる。また、漂流・漂着したプラスチック類を餌と見誤って食す、あるいは廃棄された漁網などに絡まるなど、海鳥や海洋生物など生態系への影響が懸念される。

プラスチック原料のレジンペレット、硬質プラスチック類とその破片、発泡スチロールとその破片、廃容器・廃包装、タバコの吸い殻・フィルターなど多様で、中には家具・家電製品、使用済みの注射器・注射針などもある。漂着しているものの種類について、太平洋沿岸、日本海沿岸、瀬戸内海で異なった傾向が見られるとされる。特別管理廃棄物に該当するもの以外は一般廃棄物とみなされている。漂流するものだけでなく、重いものは海底に沈んでいるものもあると考えられている。

(財)環日本海環境協力センターが実施した調査結果では、平成12年度から平成17年度に、日本の海岸への漂着量は15万トン/年、うち海外由来のものは重量比で約6%と推定されている。また、国(農林水産省、水産庁、国土交通省)が、平成18年10月31日から同12月8日までの間、海岸に面する全国の606市区町村(海岸に面する市区町村の約91%)の協力のもとに、3,250地点(期待される調査地点数の約82%)で実施した調査結果によると、漂着していた人工系ごみの総量は148,000m3、26,000トンと推計されている。

平成18年3月に設置された「漂流・漂着ごみに関する関係省庁会議」は、平成19年3月にとりまとめを行い、漂流・漂着ごみについて、現行の廃棄物処理法海岸からみて、海岸に基づく海岸保全施設にかかわるもので該当する他は、都道府県等の海岸管理者に責任があると整理した。そのうえで、実態として一般廃棄物の処理責任を有する市町村が処理を行わざるを得ない場合があり、市町村が処理しきれない場合もあることを指摘し、関係者により検討を深めることが必要とし、今後の課題として、これまでの施策の見直しの検討と処理体制の確立、行政と民間団体・研究者との連携、国際的な対応を含む発生源対策などを挙げている。

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