一般財団法人環境イノベーション情報機構
作成日 | 2005.07.28 更新日 | 2009.10.14
中皮腫
チュウヒシュ 【英】mesothelioma
解説
肺、胃腸・肝臓などの腹部臓器や心臓は、それぞれ胸膜、腹膜、心膜に包まれており、この膜の表面を覆っている中皮から発生した腫瘍(体細胞が過剰に増殖する病変のこと、癌(がん)もその一つ)を中皮腫と呼ぶ。
中皮腫には良性のものと悪性のものがあるが、悪性中皮腫はかなり希な疾病であり、その発症にはアスベスト(石綿)が関与していることが多いといわれる。職業上の暴露事例では、暴露されてから中皮腫が発症するまでの潜伏期間は最短でも11年であり、平均では35-40年と極めて長いという特徴がある。中皮腫の発生部位としては、胸膜が圧倒的に多く、次いで腹膜で、心膜と精巣鞘膜にも僅かながら発生の報告がみられる。
厚生労働省労働基準局長通達(平成15年9月19日付け基発第0919001号)は、石綿との関連が明らかな疾病として石綿肺、肺がん、中皮腫などを挙げ、その認定基準を示している。
この解説に含まれる環境用語
この環境用語のカテゴリー
関連Webサイト
- 石綿ばく露労働者に発生した疾病の認定基準に関する検討会報告書(平成15年8月26日):http://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/08/s0826-4.html
- (社)日本石綿協会:http://www.jaasc.or.jp/
- 国立がんゼンターのサイト:http://www.ncc.go.jp/jp/ncc-cis/pub/cancer/010206.html
- 厚生労働省労働基準局長通達:http://www.mhlw.go.jp/houdou/2003/09/h0919-6.html