一般財団法人環境イノベーション情報機構
作成日 | 2003.09.12 更新日 | 2009.10.14
四日市公害訴訟
ヨッカイチコウガイソショウ 【英】Yokkaichi Pollution Lawsuit
解説
工場による大気汚染被害に関する損害賠償請求で、我が国の4大公害訴訟の1つとされている。
三重県四日市市では、戦後、化学コンビナート建設が進むにつれて硫黄酸化物による大気汚染がひどくなり、1960年頃にはぜん息の患者発生が顕著になってきた(四日市ぜんそく)。1967年に磯津地区の患者が昭和四日市石油、三菱油化、三菱化成工業、三菱モンサント化成、中部電力、石原産業の6社を相手取り、民法第719条の共同不法行為の責任を訴えた。
1972年の地方裁判所判決では原告の主張が認められ、被告6社は控訴しなかったため原告勝訴が確定した。この判決は、当時の公害対策への社会的関心の高まりとあいまって、公害健康被害補償制度の充実、環境アセスメントの実施、企業の汚染者費用負担の認識促進などに強く影響を及ぼしたといわれている。