作成日 | 2003.09.12 更新日 | 2024.09.26
PM2.5
ピーエムニーテンゴ 【英】Particulate Matter 2.5 [略]PM2.5
解説
大気中に浮遊している直径が2.5μm以下の超微粒子(1μmは1mmの千分の一)。微小粒子状物質という呼び方をされることもある。大気汚染の原因物質の一つ。
従来から環境基準を定めて対策を進めてきたSPM(浮遊粒子状物質)は「大気中に浮遊する粒子状物質であってその粒径が10μm以下のもの」を指すが、近年はより小さな浮遊性粒子状物質であるPM2.5の呼吸器や循環器系への影響が指摘されるようになった。粒径が小さい分、気管を通過しやすく、肺胞など気道より奥に付着するため、人体への影響が大きいと考えられている。2009年9月には「1年平均で15μg/m3以下、かつ1日平均で35μg/m3以下」という環境基準が定められ、さらに2013年春先の中国大陸における甚大な大気汚染の発生に伴う社会的関心の増大を受けて、注意喚起のためのPM2.5暫定指針も定められている。
現在、大気汚染防止法に基づいて、地方自治体によって全国500か所以上でPM2.5の常時監視を行っており、環境省の大気汚染物質広域監視システム(そらまめ君)や地方自治体等のホームページで速報値が逐次公表されている。
PM2.5の発生メカニズムは、物の燃焼などによって直接排出される場合と、硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)、揮発性有機化合物(VOC)などのガス状大気汚染物質が環境大気中での化学反応等によって粒子化する場合の2通りがある。主な発生源には、ボイラー、焼却炉などのばい煙を発生する施設、コークス炉、鉱物の堆積場等の粉じんを発生する施設、自動車、船舶、航空機などがある。これら人為起源のものだけでなく、土壌や海洋、火山等から発生する自然起源のものもある。
なお、EICネットでは、PM2.5に関して、以下のコンテンツを用意しています。
1)2013年春の中国における、PM2.5を中心にした激甚な大気汚染状況について解説したコラム記事です。
・中国発:数字でみた2013年上半期の中国大気汚染: http://www.eic.or.jp/library/pickup/pu130909.htmll
2)2003年1月から2010年7月までの7年半にわたって連載していた「H教授の環境行政時評」でも、その時々の話題の中でPM2.5について取り上げてきました。
・第80講(その3)「最新環境ネタ─PM2.5、健康に関する水質環境基準、小笠原自然遺産、ツキノワグマ事故」: http://www.eic.or.jp/library/prof_h/h091013_3.html#b0
・第49講(その1)「PM2.5の環境基準制定へ動き出す?」:http://www.eic.or.jp/library/prof_h/h070208_1.html#b5
・第10講(その1)「ディーゼル排ガス規制強化― トピック・1」:http://www.eic.or.jp/library/prof_h/h031106_1.html#b1
3)各メニューからも、特定の話題(「PM2.5」)について調べることができます。
この解説に含まれる環境用語
- 硫黄酸化物
- 粉じん
- 浮遊粒子状物質
- 窒素酸化物
- 大気汚染防止法
- 大気汚染物質広域監視システム
- 大気汚染物質
- 大気汚染
- 水質環境基準
- 揮発性有機化合物
- 環境基準
- ばい煙
- そらまめ君
- VOC
- EICネット
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関連Webサイト
- 環境省大気汚染物質広域監視システム「そらまめ君」:http://soramame.taiki.go.jp/
- 大気汚染予測システム「VENUS」(独法国立環境研究所):http://envgis5.nies.go.jp/osenyosoku/
- 微小粒子状物質(PM2.5)に関する情報(環境省):http://www.env.go.jp/air/osen/pm/info.html