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二酸化硫黄 環境用語

作成日 | 2003.09.12  更新日 | 2009.10.14

二酸化硫黄

ニサンカイオウ   【英】Sulfur Dioxide  [略]SO2  

解説

腐敗した卵に似た刺激臭のある無色の気体。

不純物として石炭中に最大2.5%程度、原油中に最大3%程度含まれる硫黄の酸化によって、石炭や石油などの燃焼時に発生する。また鉄鉱石、銅鉱石にも硫黄が含まれるため、製鉄、銅精錬工程からも排出する。

主要大気汚染物質のひとつとして、また窒素酸化物とともに酸性雨の原因物質として知られる。

二酸化硫黄による汚染大気は呼吸器を刺激し、せき、ぜんそく、気管支炎などの障害を引き起こす。代表的な例として、1961年頃より発生した四日市ぜんそくがあげられる。

1960-70年代に日本各地で高濃度の汚染が発生した。公害健康被害補償法に基づく被害補償地域の指定にあたっては、二酸化硫黄汚染が年平均で0.05ppm以上、呼吸器系の症状の有症率が対象地域の2倍以上であることを条件とし、1978年までに41地域が指定地域とされたが、1988年には状況が改善し、他の大気汚染についても被害補償をするレベルではないと指定解除され、新規の認定は行なわれなくなった経緯がある。1968年の大気汚染防止法制定後は、同法に基づく硫黄酸化物の規制強化が数次にわたって行われ、また1978年には全国の24地域において総量規制が実施され、全国的に排煙脱硫装置の導入、重油脱硫などによる燃料の低硫黄化など対策が進み、1980年代には全国的に環境基準を達成するまでに改善している。

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