一般財団法人環境イノベーション情報機構
作成日 | 2003.09.12 更新日 | 2009.10.14
大気安定度
タイキアンテイド 【英】Stability of the Atmosphere
解説
大気の垂直方向の混合、拡散のしやすさを「大気安定度」という。基本的には気温の高度分布によって決まる。
乾燥した空気は上昇(下降)した場合には0.0098℃/mの割合で温度が低下(上昇)する性質を持つ(湿度を持つ空気の場合には約0.0065℃/m)。実際の大気中ではその時の気象条件により、また時の経過とともに温度の分布は変化する。
例えば、0.0098℃/mの乾燥空気があると仮定する(A)と、この中の一部の空気塊が上昇(下降)すると0.0098℃/mの割合で気温低下(気温上昇)が起こるが、周りの空気の温度もこれと同じ割合で気温が上昇(低下)するので、上昇した空気塊はそのままの位置に留まることになる。
ところが例えば0.0098℃/mよりも温度の低下割合が大きい乾燥空気があると仮定する(B)と、この中の一部の空気塊が上昇(下降)すると、0.0098℃/mの割合で気温低下(上昇)するが、周りの空気に比べて空気塊は温度が高く(低く)さらに上昇(さらに下降)しようとしてより拡散し易くなる。
同様に例えば0.0098℃/mよりも温度の低下割合が小さい乾燥空気(C)では空気塊が上下に移動してももとの位置の戻ろうとするために拡散しにくくなる。
(A)を「中立」、(B)を「不安定」、(C)を「安定」な状態と呼ぶ。(C)の典型的な状態が『逆転層』である。
大気汚染と関係が深く、風向、風速、大気安定度により汚染度が左右される。