一般財団法人環境イノベーション情報機構
作成日 | 2003.09.12 更新日 | 2015.09.28
世界保全戦略
セカイホゼンセンリャク 【英】World Conservation Strategy [略]WCS
解説
1980年に国際自然保護連合(IUCN)が国連環境計画(UNEP)の委託により、世界自然基金(WWF)などの協力を得て作成した地球環境保全と自然保護の指針を示すもの。副題は「持続可能な開発のための生物資源の保全」となっており、国連人間環境会議(1972年)の人間環境宣言や行動計画に示された原理を発展させ、具体的な行動指針として展開している。
人類生存のための自然資源の保全として、「持続可能な開発」(Sustainable Development)の概念を初めて公表したものとしても知られている。また、遺伝資源の保全として、生息域内保全(in-situ conservation)と生息域外保全(ex-situ conservation)の概念を提示し、その後の生物多様性条約などに影響を及ぼした。
1991年には、改訂版ともいうべき「新・世界保全戦略 -かけがえのない地球を大切に-」(Caring for the Earth)が策定された。さらに、世界各国による国別保全戦略(National Strategy)策定の促進をもたらした。