一般財団法人環境イノベーション情報機構
作成日 | 2003.09.12 更新日 | 2019.06.27
アンタゴニスト
アンタゴニスト 【英】Antagonist
解説
拮抗物質ともいう。ホルモンなどの生理活性物質の受容体(レセプター)に拮抗的に結合するが、それ自身は受容体を介した生理活性作用を持たない物質のこと。
体内では様々なホルモン(「鍵」に喩えられる)がそれぞれの分泌器官から放出され、血液を介して標的となる組織や臓器の細胞に運ばれ、その受容体(「鍵穴」に喩えられる)に結合して作用を発現するという方法で情報伝達を行い、体の成長、組織の機能、代謝過程などの調節が行われている。アンタゴニストである薬物または汚染物質はホルモンの「鍵」に類似した分子構造を持ち、受容体には結合するが、それ自身は受容体を介した生理活性作用を示さない。結果として、アンタゴニストは、ホルモンが受容体へ結合するのを妨げ、ホルモンの作用を抑制する。
環境ホルモンでは、p,p'-DDE(DDT代謝物)が女性ホルモンのアンタゴニストとして作用することが知られている。
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関連Webサイト
- 環境ホルモンの作用例/アゴニストとアンタゴニスト:http://www2d.biglobe.ne.jp/~chem_env/env/etc/eh030610.html
- 保健・化学物質対策(環境省環境保健部):http://www.env.go.jp/chemi/