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国家管轄権外区域海洋生物多様性協定 環境用語

作成日 | 2024.03.21  更新日 | 2024.03.21

国家管轄権外区域海洋生物多様性協定

コッカカンカツケンガイクイキカイヨウセイブツタヨウセイキョウテイ   【英】Agreement under the United Nations Convention on the Law of the Sea on the conservation and sustaina  [同義]国家管轄権外区域の生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する国連海洋法条約の下の協定  BBNJ協定  国連公海条約 

解説

公海や深海での海洋生物多様性に関する協定で、2023年6月に開催された国連「各国領海を超えた海域での海洋生物多様性に関する政府間会合」において採択された。正式名称は、「国家管轄権外区域の生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する国連海洋法条約の下の協定」。公海上での「海洋保護区(MPA)」設置の枠組みなどが示されている。協定は、60カ国による批准を得て発効することとなっている。

気候変動に伴う海水温の上昇やマイクロプラスティックなどによる汚染、さらには水産資源の過剰利用などにより、海洋の生物多様性は影響を受けている。「昆明・モントリオール生物多様性枠組」(2022)により、2030年までに陸と海の30%以上を保全(30by30)していくことが合意されたが、各国の領海などだけではこの目標の達成は難しく、海洋の3分の2以上を占める国家管轄権を超えた海域(公海や深海)における海洋生物多様性の保全と持続可能な利用の確保が求められている。15年以上にわたる交渉を経て2023年6月に国連本部で開催された「各国領海を超えた海域での海洋生物多様性に関する政府間会合」において、公海の自由航行などを定めた「国連海洋法条約」(1994年発効)の下での生物多様性の保全などを目的とした法的拘束力を持つ初めての協定として採択された。公海での各国の活動を制限する「海洋保護区(MPA)」の設定、環境に重大な影響を及ぼす開発などを行う際の環境影響評価の実施などが盛り込まれている。

なお、略称として「公海条約」「国連公海条約」などが用いられる場合もあるが、1958年作成、1962年発効の「公海に関する条約(略称「公海条約」)とは異なる条約であることに留意。(2024年1月作成)

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