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人新世 環境用語

作成日 | 2019.06.25  更新日 | 2024.09.27

人新世

ジンシンセイ   【英】Anthropocene  [同義]アントロポセン 

解説

地質時代(年代)区分のうち、最も新しい時代である「完新世(Holocene)」(1万1700万年前-現代)から、人類による地球環境への影響が顕著になった近年だけを切り離そうと提案されている新区分名が「人新世(Anthropocene)」である。

フロンガスによるオゾン破壊の研究でノーベル化学賞を受賞したパウル・クルッツェンと、藻類生態学者のユージーン・ストーマーが、2000年に刊行された「地球圏-生物圏国際協同研究計画(IGBP)」ニュースレターに発表した論考「The Anthropocene」で提案したもので、開始年代は18世紀半ばが有力としている。論考では、「二酸化炭素メタンの大気中濃度」「成層圏のオゾン濃度」「地球の表面温度」「海洋の酸性化」「熱帯林の減少」など、近年の地球の生態系や気候に及ぼす人類の多大な影響について指摘している。

この提案に対し、国際地質科学連合は2009年に作業部会を立ち上げて検討を始め、人類が発明した新化合物や核実験由来の放射線同位体、土壌中のリン酸塩と窒素、プラスチック片、コンクリート粒子、ニワトリの骨などが地球上の広域に存在することを確認し、人新世を承認する機運が高まっている。人新世が地質時代(年代)として認められると、人間活動の評価などを巡り地質科学だけでなく分野横断的な議論を提起することになろう。

なお、国際地質科学連合などによる現在の地質時代区分では、6600万年前に始まる「新生代」は、古第三紀、新第三紀、第四紀に区分され、その中で258万年前に始まる「第四紀」は、1万1700年前を境に「更新世」と「完新世」に区分されている。(2019年7月作成)

地質時代の区分

地質時代の区分

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