海岸漂着物処理推進法

海岸における良好な景観及び環境を保全するため、海岸漂着物の円滑な処理及び発生の抑制を図ることを目的に、2009年7月に「美しく豊かな自然を保護するための海岸における良好な景観及び環境の保全に係る海岸漂着物等の処理等の推進に関する法律」として、議員立法により成立、公布・施行。

その後、2018年6月に改正法が公布・施行され、法律名が「美しく豊かな自然を保護するための海岸における良好な景観及び環境並びに海洋環境の保全に係る海岸漂着物等の処理等の推進に関する法律」に改正された。

近年、国内外から大量の漂着物が日本の海岸にも漂着し、海岸環境の悪化、海岸機能の低下等の影響が懸念されていたが、海岸漂着物の処理の責任が不明確であること、処理しきれない大量の海岸漂着物が各地の海岸に漂着していること、周辺国や内陸など他の地域に由来するごみが多く、地元の海岸の対応では不十分であることといった課題があり、政府一体となった対応の確立が急がれていた。こうした背景の下で制定された本法は、海岸漂着物等の円滑な処理、それらの発生の抑制、民間団体等との緊密な連携等の関連施策を対策の柱とする内容となっている。

2018年6月の改正法では、法律名に環境並びに海洋環境の保全が追加されて、住民の生活や経済活動に支障が生じている漂流ごみ及び海底ごみへの対応についても追加されるとともに、喫緊の課題となっていたマイクロプラスチックについてもその使用を抑制すること及び廃プラスチック類の排出抑制等に努めることとされた。（2022年6月改訂）