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エストロゲン 環境用語

作成日 | 2003.09.12  更新日 | 2009.10.14

エストロゲン

エストロゲン   【英】Estorogen  

解説

卵巣などから分泌される女性ホルモンの総称で、哺乳類では卵胞や乳腺の発育を促し、二次性的性徴(乳房)を発達させる。人間ではエストラジオール-17β、エストロン、エストリオールなどがエストロゲン(女性ホルモン)として確認されているが、その中でエストラジオール-17βは作用が最も強い。

エストロゲンはステロイド骨格をもったホルモンで、分泌されたエストロゲンは血流によって離れた部位に運ばれる。そして、標的細胞の細胞質にある受容体と特異的に結合し、この結合体が細胞核に入り、細胞核のクロマチンにある特定部位に結合する。これにより一定の遺伝子が活性化され、それに応じたタンパク質の合成が起こると考えられている。

環境ホルモンにはエストロゲン様の作用を持つものがあるが(PCB、p-オクチルフェノールビスフェノールAなど)、それらもエストロゲン受容体に結合することにより同様に作用すると考えられている。一般的には、受容体への結合力の強さがその物質の作用の強さを決めることになるので、受容体との結合力を調べれば環境ホルモンの作用の強さを調べることができる。受容体への結合力が最も強いエストラジオール-17βに比べて、環境ホルモンは百-千倍程度弱いのが普通であることから、環境ホルモンのエストロゲン作用は弱いと考えられている。

なお、人体(女性)は不用のエストロゲンを不活性化してし尿として体外に排出するが、それが下水処理場で十分に分解されずに河川に放出される場合があって、そうした水系では人由来のエストロゲンが原因とみられる魚の雌化の現象が確認されている。したがって、環境中で生物の雌化現象が確認されても、その原因の特定に当たっては環境ホルモンばかりではなく、人あるいは家畜由来のエストロゲンも考慮する必要がある。

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