一般財団法人環境イノベーション情報機構
作成日 | 2003.09.10 更新日 | 2009.10.14
地衣類
チイルイ 【英】Lichens
解説
菌類が藻類と共生して作る共生体。地衣類の共生菌は共生藻に安定した生活場所と水分を与え、共生藻は光合成で作った炭水化物を共生菌の生活に利用させる。共生菌が主体となって地衣体が作られており、分類学的には菌類として扱われるが、両者の共生関係は非常に密接で、地衣類の形態、生理機能、分布などは単独の生物と同様に引き継がれ、独立した生物のように見える。
地衣類は現生400属2万種、日本では約1,200種が知られており、世界中に広く分布し、高山から砂漠までほかの生物が生育できないような厳しい環境下でも生育する。一方、大気汚染や環境の変化に対する抵抗力が弱い種類が多いために、近年、大都市の周辺からは急激に姿を消しつつあり、環境変化の指標として用いられることもある。