一般財団法人環境イノベーション情報機構
作成日 | 2003.09.12 更新日 | 2009.10.14
生命中心主義
セイメイチュウシンシュ 【英】Biocentrism
解説
生態学的、地球中心主義的な世界観を強調する哲学のこと。
生命中心主義は、人間と自然を人間中心主義に見られるような「支配-被支配」という関係ではなく、有機的なつながりを持つ生態系の一員であるにすぎないとみなす。
人間以外の構成員は、自然の法則に忠実にしたがっているが、人間のみが自己利益のために自然の法則を無視していると考える。このため、人間は他の構成員に対して、道徳的義務を一方的に負わねばならず、生態系はその倫理的対象となる。
つまり、生命中心主義の立場における環境保護は、人間の利益のため行うものではなく、生態系それ自身がもつ価値を守るために行うこととなる。このような生命中心主義は、その後、自然の権利思想へと発展することとなった。
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関連Webサイト
- 自然・環境・人間 ─ハンス・ヨナス『責任という原理』について─:http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~tsina/kantetu51.html