一般財団法人環境イノベーション情報機構
作成日 | 2003.09.10 更新日 | 2009.10.16
イボニシ
イボニシ 【英】Dog Whelk
解説
新腹足目アッキガイ科の巻貝。北海道南部以南の潮間帯岩礁にもっとも普通に見られる。殻高4cm、殻幅2cm。殻は厚く堅牢でイボがある。夏期、岩棚の下に集まって集団産卵をする。雌雄異体で、雄は右の頭部触角の後ろにペニスが突き出ているため雌雄が見分けられる。
1980年代からペニスのある雌(雄化した雌)が見られるようになり、輸卵管が圧迫されるなどの産卵障害がおこっている。このような雌の雄化現象はイボニシ以外の海の巻貝にも生じている。原因は、船底や魚網に、貝などが付着するのを防ぐための塗料として使われてきた有機スズ類(TBT、TPTなど)によるいわゆる環境ホルモン作用とされており、先進諸国では1990年代に入って使用が制限されてきたところである。その後、2001年に国際海事機関(IMO)会議で採択された国際条約で、世界的に使用が禁止されることとなった。
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関連Webサイト
- 巻貝への影響(国立環境研究所):http://www.nies.go.jp/edc/japanese/ibonisi.htm
- イボニシとインポセックス(「環境儀」国立環境研究所):http://www.nies.go.jp/kanko/kankyogi/17/colum1.html
- 化学物質の内分泌かく乱作用について(環境省):http://www.env.go.jp/chemi/end/