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商業捕鯨 環境用語

作成日 | 2003.09.10  更新日 | 2019.06.27

商業捕鯨

ショウギョウホゲイ   【英】Commercial Whaling  

解説

クジラを捕獲・利用する産業で、10世紀に確立した。商業捕鯨はその漁法により、(1)手投げ銛を使って仕留めて陸上で処理をする古代捕鯨(オランダ捕鯨)、(2)銛を使って仕留めた後に船上で油を絞るアメリカ式捕鯨、(3)大砲を使って銛を打ち込む近代捕鯨(ノルウェー捕鯨)の3つに分類できる。当初の捕鯨産業の主な生産物は、灯油やろうそくとして利用する鯨油と、コルセットやペチコートの材料として利用するクジラひげであった。

日本では、1945年、国際捕鯨協定の全面的遵守と、捕獲したクジラを最大限食糧として国民への供給を条件に、マッカーサー・ライン(戦後、日本の漁船が操業できる海域を規制した線)内での捕鯨が許可され、その後、捕鯨産業は活発になっていった。しかし、1982年に国際捕鯨委員会(IWC)で商業捕鯨モラトリアム(一時停止)が採択されたため、1988年以降はIWC規制対象外の沿岸小型捕鯨を除き、日本の商業捕鯨は行われていない。

日本は商業捕鯨の再開を主張し続け、鯨類の個体数増減などモラトリアムの科学的根拠を得る目的で北大西洋や南極海で調査捕鯨を実施してきた。しかし、これが実質的な商業捕鯨であるとの非難を受け、2014年には国際司法裁判所から調査捕鯨の中止命令も出された。さらに、2018年9月のIWC総会では、日本が提案したモラトリアムの限定的解除案が大差で否決(賛成27、反対41、棄権2)されたため、IWCから脱退して2019年7月から商業捕鯨を再開することを決定した。(2019年5月改訂)

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