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環境Q&A

排出権の取引方法について 

登録日: 2005年03月11日 最終回答日:2005年05月10日 地球環境 地球温暖化

No.9880 2005-03-11 10:44:31 ゴマ

今後排出権取引(特にCO2売買)がどのように実施されていくのかに関心を持っております。世界的な取引となることをイメージしているのですが、具体的な実施方法がわかりません。
つきましては、下記の事項についてどのように取り組みが行われているのかご教授頂ければ幸いです。
1.取引は国単位・都道府県単位・各企業単位のどれが主軸となるのでしょうか?
2.企業単位での取引の場合でも、国内だけでなく国外との企業との取引が発生してくるのでしょうか?
3.余剰分を売りたい側・購入したい側の情報はどのようにして情報交換が行われるのでしょうか?
情報を一元的に管理する機関(国や都道府県等)があったり、インターネット等の手段でグローバルに取引を行う場があるのでしょうか?
5.日本の市場にて取引が行われるようになった場合、取引はどのくらいの頻度になるのでしょうか?一企業は年に一度といったレベルなのでしょうか?
以上、コメントを頂ければ幸いです。

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No.10028 【A-1】

Re:排出権の取引方法について

2005-03-24 13:06:12 たか


>1.取引は国単位・都道府県単位・各企業単位のどれが主軸となるのでしょうか?

現在国内では地球温暖化防止大綱の見直し作業が進んでいますが、この結果により大きく変わると思います。あえて、私見を言わせて頂くと、企業単位・業界単位・国単位の順で主軸となる可能性が高いと思います。

>2.企業単位での取引の場合でも、国内だけでなく国外との企業との取引が発生してくるのでしょうか?

CDM理事会でクレジットとして承認された排出権は世界共通で価値を持つことになると思いますので、国境を超えた取引も発生すると思います。

>3.余剰分を売りたい側・購入したい側の情報はどのようにして情報交換が行われるのでしょうか?

購入側と売却側をつなぐ仲介業が、新規ビジネスの一つとして、大手商社や外資系ファンド会社がノウハウを蓄積しつつ参入を始めています。これらの企業が仲立ちとなって、排出権取引が行われると推測されます。

>5.日本の市場にて取引が行われるようになった場合、取引はどのくらいの頻度になるのでしょうか?一企業は年に一度といったレベルなのでしょうか?

取引が可能な頻度はまだはっきりしませんが、英国で導入された排出権マーケットの例を見る限り、取引回数に制約を掛けていることは無いようです。

もし、私の回答に誤っている箇所があると思われた方は修正・アドバイスを頂けると幸いです。

No.10516 【A-2】

Re:排出権の取引方法について

2005-05-10 01:11:00 神奈川県 / Walden

今更遅いかもしれませんが・・・。

>1.取引は国単位・都道府県単位・各企業単位のどれが主軸となるのでしょうか?

国単位がデフォルトで、各企業単位はオプション、都道府県は多分ない、というのが簡潔な答えです。

京都議定書の下では、「国家間」の排出量取引制度が導入されましたので、「国家間」取引はデフォルトで可能です。

これに対し、個々の国々の中で、企業等が排出量取引ができるかどうかはその国によります。

EUは、域内の排出量取引制度の設立する方針で、今年1月、その試行期間を開始しました。その他の地域でも検討をした所はありますが、今のところ本格的に採用しているのはEUのみです。日本は、「自主参加型」とよばれるものを今年度から実施しますが、これはいわば実験です。

>2.企業単位での取引の場合でも、国内だけでなく国外との企業との取引が発生してくるのでしょうか?

仮に、日本も国内排出量取引制度導入を決め、その制度をEUとリンクさせることを決めればありえます。また、たかさんがお答えになっておられるように、CDMやJIのクレジットの取引であれば、そうでなくてもありえます。

>3.余剰分を売りたい側・購入したい側の情報はどのようにして情報交換が行われるのでしょうか?

下の回答にもつながりますが、取引は、ブローカーを介してやったりすることもあれば、相対でやったりすることも可能です。

>情報を一元的に管理する機関(国や都道府県等)があったり、インターネット等の手段でグローバルに取引を行う場があるのでしょうか?

京都議定書の下では、それぞれの国が国別登録簿というものを準備させられ、取引の記録(ログ)は条約事務局によって管理され、ちゃんとつじつまが合うようになる(予定)です。EUの場合は、また独自のシステムを、京都議定書と整合性がとれるような形で作っています。

また、取引自体は、たとえば、ロンドンの取引所などでも行われますし、相対でももちろん可能です。

>5.日本の市場にて取引が行われるようになった場合、取引はどのくらいの頻度になるのでしょうか?

日本は制度の導入を決めていませんから、取引があるとすれば、CDM/JIの取引がメインになります。
それがどれくらいの頻度になるかは、ちょっとまだ分かりません。

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