最終処分場からの水銀の揮発
登録日: 2005年03月11日 最終回答日:2005年11月16日 大気環境 大気汚染
No.9878 2005-03-11 05:40:38 taka
環境問題を勉強している学生です。
今日、学校で水銀について勉強しました。その中で、水銀の主な発生源として、石炭発電所、廃棄物焼却場、鉱山などがあげられていました。ふと思ったのですが、発電所や焼却場でうまく水銀がトラップされたら、その灰は処理された後に処分場に埋め立てられると思うのですが、埋め立てられた処分場からは水銀は大気中に揮発しないのでしょうか。
水銀の化学的特性を眺めていると、Hg(II)やMeHg(メチル水銀)は揮発性も低いようなので、せいぜい処理水として流れ出るだけだと思いますが(実際、処理水は法律で水銀を規制している)、Hg(0)なんかは揮発性も高いため、土の中で化学変化を起こしてHg(0)に変わったら、簡単に揮発してしまうようにしか思えないのです。
先生に聞いても、「うーん、聞いたことがない」というだけでした。自分でも調べてみますが、もしなにか知見があれば教えてください。よろしくお願いいたします。
総件数 7 件 page 1/1
No.9879 【A-1】
Re:最終処分場からの水銀の揮発
2005-03-11 10:21:29 まるに (
したがって、水銀を含む石炭や廃棄物を燃焼すると、灰となって、一部は大気に、一部は焼却灰中に移ると考えられます。ダイオキシンも粒子状物質なので、「ばいじん」の規制が強化されたと記憶してますが・・・。
回答に対するお礼・補足
ご回答、ありがとうございます。
ただ、今回お伺いしたかったのは、焼却施設の話ではなく、その焼却施設で集められた灰が処分場に埋め立てられた後に、最終処分場から気化して大気中に拡散することはないのか、という点でした。もし、そのあたりについて情報があれば、教えていただければと思います。
No.9882 【A-2】
Re:最終処分場からの水銀の揮発
2005-03-11 13:10:09 くろ (
回答に対するお礼・補足
ありがとうございます。
焼却灰は、特別管理廃棄物なので、覆土は必須だと思っているのですが、土をかぶせてしまえば、揮発しないものなのでしょうか?メタンなんかが、シューシュー出ているのを見ると、水銀も混じっていそうなのですが。。。
No.9887 【A-3】
Re:最終処分場からの水銀の揮発
2005-03-11 17:46:13 こてつ (
この数値は土壌環境基準の10倍の値です。また、日本各地の土壌には、自然由来で水銀が環境基準以上含まれていることも多く、この程度でしたらtakaさんの懸念される状況にはならないと思うんですが。
>焼却灰は、特別管理廃棄物なので、覆土は必須だと思っているのですが、土をかぶせてしまえば、揮発しないものなのでしょうか?
近年は灰に重金属固定材剤(キレート剤)を添加し、重金属が溶出しないようにしていますので、特管物にはなりません。もし仮に特管物だとしたら、コンクリート固化後管理型に埋め立てるか(13号廃棄物)、遮断型最終処分場に入れなければなりません。
なお、水銀を含む特管物を処理できるのは、わが国では1箇所だけ、北海道イトムカにある精錬所です。ここで有価回収しています。
回答に対するお礼・補足
ご回答、ありがとうございます。
「廃棄物の埋立基準は、土壌環境基準よりの10倍甘い」ということと、「自然界や土壌汚染地区には、土壌環境基準よりも高濃度の水銀がたまっている場所がある」ということは分かりましたが、うーんと、ここから出る推論は、「廃棄物処分場も、高濃度水銀汚染地区として、同じように危ない」というものになってしまうのですが。すみません、もし余裕があれば、もう少しご説明頂ければ幸いです。
No.9892 【A-4】
Re:最終処分場からの水銀の揮発
2005-03-11 22:51:39 ken (
詳しくは、東京都環境科学研究所年報(2004年)をご覧ください。
http://www2.kankyo.metro.tokyo.jp/kankyoken/
回答に対するお礼・補足
kenさん、ありがとうございます!このような報告書があったのですね。読ませてもらいます。
「埋立地より環境中への水銀の放出は、大気への放出がほとんどであり、その量は平成4年以降で0.4s/年
以下であった。平成4年度以降、各年度における水銀埋立量と放出量を比較すると、放出量は最大でも埋立
量の0.09%以下となっており、埋立てられた水銀の大部分はそのまま埋立地に残存していると考えられる。」
No.9955 【A-5】
Re:最終処分場からの水銀の揮発
2005-03-17 01:28:58 循(じゅん) (
・遮水シート等により地下水と隔絶されている
・一般の人がむやみに立ち入ることができない
・放流水、発生ガス等を管理している
等々により土壌環境基準は適用されておりません。
日本においては
「埋立地で暮らすような人はいない」
ということから放流水水質や地下水の管理に重点がおかれていました。
ところが、処分場から発生するガス(硫化水素)が原因で死亡事故が発生したことから、埋め立て物の種類の見直しや、発生ガスの管理についても規定されるようになりました。
takaさんは
「廃棄物処分場も、高濃度水銀汚染地区として、同じように危ない」
と感じられているようですが、今のところ東京都の報告書にもあるように管理型処分場から発生する「水銀」についてはバックグラウンド(一般大気)レベルということで、リスクレベルはそれほど高くはないようです。
(こてつさんがゆうように、ばいじんをキレート剤やセメントで処理していることが前提かもしれませんが・・・)
というのは、ダイオキシン対策以前は、焼却灰とばいじんが混合している状態の場合、キレート剤やセメント処理していなくても、埋め立て処分場に持ち込むことが許されていました。
「やはり危ないではないか」
と感じられるかもしれませんが、飛散防止のために覆土されているはずですので、リスクレベルは低くなっていると思います。
過去の埋め立て物について、情報開示される制度が4月から始まります。どこに何が埋められていたか知ることができます。
蛇足ながら付け足しますが、日本では石炭の大口利用者(発電所、セメント工場など)は、既にばい煙対策がとられています。では海外(特に東アジア)ではどうなっているのか。自然の発生源(火山、海底火山)からはどうなのか。という視点でも情報を探してみてください。
回答に対するお礼・補足
ご回答、ありがとうございます。
世界のどの国も、処分場からの水銀ガスを念頭においた規制を行っていないため、質問した次第です。確かに、東京都報告書を読む限りでは、それほど問題はないように思いますが、今日、別の先生に聞いてみたところ、「可能性はある。特に、ずさんな処理をしている場所では尚のことだろう」と言っておりました。
ところで、H2Sの件ですが、廃棄物最終処分場における硫化水素対策検討会報告書骨子」(http://www1.mhlw.go.jp/houdou/1209/h0906-2_14.html)や、現行法令(一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令)をみていても、「埋立地からのガスが生活環境の保全上の支障が現に生じていないこと」(一部略)と漠然と書いているだけで、やはり具体的な基準はないようですね。まぁ、難しいのだとは思いますが。
蛇足部分について、知りうる情報を書いておきますと、水銀の人為的発生源は、焼却炉、石炭発電所、鉱山だと認識しています。暴露という観点からは、鉱山での水銀利用が一番危険だろうと思っております。
釈迦に説法かもしれませんが、UNEPが行っているMercury Programに基づいて、2004-2005に世界6ヶ所で水銀会議が開かれいて、その全てのプレゼンがネットで見ることができます。
http://www.chem.unep.ch/mercury/default.htm
全部をあわせると、100以上の国が、それぞれ各国における水銀汚染などの現状を報告していて、眺めているだけでも大変勉強になるものでした。
No.9956 【A-6】
Re:最終処分場からの水銀の揮発
2005-03-17 05:21:27 循(じゅん) (
大気汚染防止法による水銀の常時監視が始まる以前から、数自治体でモニタリングされていましたが、発生源と思しき工場近辺では高くなることがあったようですが、一般環境では問題になるレベルではなかったようです。
「乾電池の焼却処理と水銀」については、当時厚生省と自治体が共同で調査したところ「焼却処理されても問題なし」との通達がでました。ただ、当時のごみ焼却現場では生活影響を懸念する市民の声を生かすために「乾電池のリサイクル」として特別回収・リサイクルルートが出来上がりました。(イトムカルート)
そのような自治体のごみ焼却場由来の水銀は懸念されるほどの高濃度状態は発生しにくいものと思われます。また、ダイオキシン対策が進んだために、焼却排ガス由来の重金属大気汚染は減っていくと思います。今後は、ばいじんの適正処理がより重要になりますね。
日本では石炭灰の研究・再利用が進められています。
やはり一番懸念されるのはアウトロー業者だと思います。不適正に処分されたものは爆弾みたいなものですから・・
廃棄物処理の法令の理想と現場対応のギャップについて話題になることが多いのですが、「安定品目の見直し」では「既に埋められたものはどうするんだ・・」と嘆きと溜息がでているのが現場の実情です。後追いで構造基準が厳しくなっていくので安定型の処分場でも管理型並の維持管理が要求されてきています。また、発生ガスH2Sを問題視した住民運動もいくつかでてきています。
蛇足のところで(東アジア)と書いたのはご存知かと思いますが、天然掘りで石炭が入手される地域では、産業用、民生用に多量の石炭が使われております。その地域の住民には呼吸器系疾患や含有フッ素による健康影響が懸念されています。また、「東アジア地域で発生した粒子状物質が日本に降り注いでいる」ことを問題視している学者さんは多いですし、実際、飛来する水銀を取り上げている方もいます。Takaさんのように問題意識をもった方が増えてくることを願っています。
日本の公害対策技術をこれらの地域に技術移転していくのは、日本の使命と思います。もちろんODAその他技術援助がされているようですが、まだまだ日本の水準には達していないようです。
文字数限られておりますので、ご容赦ください。
回答に対するお礼・補足
いえいえ、とんでもないです。いろいろなことを教えていただき感謝こそすれ、気を悪くするなんて事はありません。
「廃棄物処理の法令の理想と現場対応のギャップ」というのは、確かにその通りなのだろうと思っております。現場を知らない私がいうのも問題ですが、想像するに、法律と現場と住民、という軸も激しく捻じ曲がっているのではないかと推察いたします。そのような関係を橋渡しするような仕事ができればいいなぁと思っているところです。
いろいろご指導いただき、本当に感謝しております。今後とも、よろしくお願いいたします。
No.13380 【A-7】
Re:最終処分場からの水銀の揮発
2005-11-16 10:39:51 水銀 (
一例として蛍光管に含まれる水銀は10mgに過ぎませんが年間4億本近くが埋立て処分されているのですが回答にもあるように埋立て処分でも水質試験の結果基準以下ですと回答されます、別に問題はないのですが理由は色々ありましょうが所詮有害物質であることは事実で埋立て処分された所に酸性雨が降れば無機水銀は有機水銀になる可能性はありますし、処分場で作業している人は水銀ガスに曝されています、蛍光灯製造メーカーに問合せても無害ですが無理に割らないで下さいと回答されます。水俣病は特定地域の有機水銀による被害でした、無機水銀なので大丈夫?、だからと言ってこのままでいいのでしょうか?今問題になっているアスベストですが当時は問題なし、としておきながら20年経過してあれだけの騒ぎです、本紙で愚痴を言っても仕方がないですが我が国では犠牲者が出ないと行政は動かないのでしょうか。
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