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環境Q&A

廃校の活用方法を教えてください。 

登録日: 2002年07月31日 最終回答日:2002年08月04日 環境一般 まちづくり

No.977 2002-07-31 08:25:34 mikiki

愛媛県の丹原町にある小学校が、地元の希望により壊されるかもしれません。この小学校は建ってから80年くらい過ぎていますが、建った当時のままの状態で残っています。所有している丹原町としては、地元に管理をしてもらいたいのですが、過疎地で高齢者の多い地元にとっては、小学校は大きすぎて、管理は無理です。そこで、小学校を壊して、その後に小さな施設を木造で作ってほしいとの要望があります。私としては、せっかく残っているのですから、使用できる間は、今のままの姿で活用をしたいのです。しかし、私は管理はできません。いい知恵も出ません。そこで、皆様にお願いをしたいのですが、地元の人たちに負担のかからないような、小学校の活用方法を教えてください。こんな活用をしていますと言う事例があれば紹介してください。1年間にどのくらいの費用がかかるのかも教えてください。お願いいたします。

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No.987 【A-1】

Re:廃校の活用方法を教えてください。

2002-08-02 16:36:41 LP

80年前の建築でしたら木造で1,000平方メートル未満といったところでしょうか。

今,木造学校校舎を新しく建てるとするとその床面積建築単価が平方メートルあたり25万〜30万といったところでしょうか。

建築後80年経過していることから,構造的にもかなりガタが来ているはずなので,床梁交換・柱補強・梁補強・屋根葺き替えなどなどほとんど手を入れる箇所ばかりですので,その改修には新築に匹敵するほどの工事費がかかることだと思われます。その中には,集会室として活用するために必要な消防用設備(屋内消火栓・自火報・誘導灯など)や,バリアフリー化,内装の難燃化など必要な工事を含みます。

仮に,面積単価の半分だったとしても13万〜15万に1,000平方メートルをかけて1億数千万円・・・。更に,施設の光熱費,民間施設になった場合の固定資産税,補修費,年平均百万円単位の維持費もかかります。
もはや個人や有志でなんとかなるレベルではなさそうです。機能的にもマイナス面が多い施設ですので採算があわないため民間施設に売却・譲渡もできそうにありません。公共施設としての活用しか考えられないと思います。

公共施設にしても,そうまでして改修した建物であっても,集会室としての機能面は新築にかなわないわけで,よほど地域の人たちに愛されている建物でないかぎりその建物を直して使うということにはならないだろうと思われます。

せめて日本の近代建築に大きな影響を与えた著名な外国人建築家が設計したとか歴史的文化施設であれば,文化庁の助成を仰ぐこともできるのですが,「古い学校」だけではありふれすぎているような気がします。

最終的にはその施設を保有することとなる自治体の税を負担する住民が決めるべきことですので,その住民がその施設を持つことによって「何かをあきらめる」こともやむなしと考えるかどうかだと思います。

回答に対するお礼・補足

回答を寄せていただきありがとうございました。確かに、木造校舎を維持して行くにはお金がかかります。しかし、これからのゴミ事情を考えると、使える物は使えるだけ使い、便利さを追い求めるのではなくも不便さを楽しむことも必要なのかなと思います。私自身も足が不自由なので、バリアフリーになればいいなと思うことは再々あります。しかし、少子化を考えると次の世代への負担はさけたいと思います。これから子どもの数が減少し、学校の数も減ってきます。廃校も増えてくることでしょう。反対に市町村長さんたちの話を聞いていると、公民館がない、図書館がない、総合体育館がないと無い物ねだりで、新しく何か建設すると言った話ばかり聞かされます。できるだけお金を使わずに、みんなが知恵を出し合って今ある施設を活用していく。秋に、地域の人たちにも参加してもらい、今ある施設の活用方法について議論をしてみようと準備をしています。ありがとうございました。

No.988 【A-2】

Re:廃校の活用方法を教えてください。

2002-08-02 19:00:19 東京都 / 君山銀針

どこにでもできる事例ではないかもしれませんが、
東京の墨田区では環境学習拠点「雨水資料館/すみだ環境ふれあい館」を
小学校の廃校を利用して設置しています。

環境問題の展示をしている「時間の部屋・起源の部屋・循環の部屋」
墨田区が力を入れている雨水利用の「雨水資料館」のほか
「環境工作室」「交流スペース」などがあり、
廃材・リサイクル品を利用、展示は展示会社などを入れずに
雨水利用を進める全国市民の会の協力による手作り
(展示予算は1200万円だったとか)
という条件ですが、展示内容もなかなかがんばっています

下記に紹介があります

■雨水利用を進める全国市民の会による紹介
http://www.rain-water.org/rw_m.html

■墨田区環境保全課 http://www1.ocn.ne.jp/~sumikan/ 内の紹介ページ
http://www1.ocn.ne.jp/~sumikan/fureai/fueaitop.htm

■墨田区報
オープン時 平成13年5月
http://www.city.sumida.tokyo.jp/info/kuhou/backnum/010511/kuhou01.html
オープンから1年 平成14年6月
http://www.city.sumida.tokyo.jp/info/kuhou/backnum/020601/kuhou01.html

■読売 地球環境大学講座
http://www.yomiuri-you.com/you_c/unep/unep010510_2.html

なお設置や運用について詳しくは墨田区環境保全課雨水利用担当 電話03-5608−6209 に聞いてみてください。

回答に対するお礼・補足

回答を寄せていただきありがとうございました。実は、rac「川に学ぶ体験協議会」にも同じお願いをしましたところ、全国各地から事例が寄せられてきています。秋に、地域の人たちにも参加してもらい、県知事さんにお願いして県職員をアドバイサーに、地元市町村長さんにも加わってもらって、廃校の有効利用についての討論会を開催すべく準備をしています。回答のなかにありました、墨田区に連絡を取り資料を送ってもらい、全国の事例として紹介するつもりです。その内に廃校活用ネットワークでも立ち上げようかなと話し合っています。ありがとうございました。

No.990 【A-3】

Re:廃校の活用方法を教えてください。

2002-08-04 21:41:36 大阪府 / ひげ

 
こんばんは、【ひげ】です。
私の居住する羽曳野市では、奈良県山添村の東豊小学校が廃校になるにあたり、市の野外教育施設としての使用を申し入れました。
野外学習施設の設定は当該市の長年の懸案でも有り、市内市外、を問わず模索している中、市長の決断で今年廃校になった当小学校を利用しようと言う事に成った様です。

廃校の活用方法と言う事では正に打って付けの事例では有りますが、廃校になる校舎が築10年前後の未だキレイな鉄筋構造物である点がそちらとは大きく異なります。
まだ本決まりになってから3ヶ月余りしか経っていなくて市サイドの詳細な報告はHP上にも存在しませんが、市長の挨拶の中に少し触れた物があります。http://www.city.habikino.osaka.jp/info/002/index.html

ただ既存の校舎施設利用に付いては様々な制約が発生している様です、先ず校舎での宿泊に当たっては旅館業の営業許可が必要である事、宿泊施設として消防法、その他の法に適応する改修工事の必要が生じるなど。
結果、現時点では宿泊は校庭グランドを使用したテント泊のみ、シャワー、屋根付炊飯施設は急遽市の予算でグランドに設定、校舎の使用はあくまでも緊急避難時のみなのです、これは時間の経過に随って改善されるべきでしょう。
使用料は現時点月8万円余りと聞いています。

羽曳野市は山添村に比べて幾分都市化が進んでいるのは確かですが、やはり空気や近辺植生はハッキリ異なります。
都市に住む人のニーズは廃校施設そのものに有るのではなくて、その置かれた地域的な環境に有ると思います。
非日常的な生活体験と、豊富な自然環境、過去への郷愁が求められてるのでしょう。
築80年と言う事ですが、建造物そのものの利用は前途の理由でそんなにこだわる必要はない様に思います、都市からの利用者を募るのであればいずれ、大改修は必定、むしろ新しい施設を利用者と共に設計する方が好ましいでしょう。

当該市の野外教育施設計画も未だ始まったばかり、今後とも紆余曲折が懸念されます。
市のHPにも今後経緯が掲示されると思いますので見守って下さい。

最後に私は野外観察基地として利用するべく、近辺の樹木生態やキノコの発生状況を調べています、だいぶ離れた所に学校演習林が有るそうなので、観察会を開けることを楽しみにしています。

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