一般財団法人環境イノベーション情報機構
印刷物の表面加工について
登録日: 2002年07月25日 最終回答日:2002年07月30日 健康・化学物質 その他(健康・化学物質)
No.961 2002-07-25 14:41:38 もりやま
会社案内を再生紙に大豆油インクで印刷しますが、その上にマットPP加工を考えています。
このマットPP加工は、もしかして環境に何らかの悪影響を及ぼすとか、ありますでしょうか?
この加工のために、再生紙や大豆油インクを使った意味がなくなるようでは、元も子もないので、おたずねする次第です。よろしくお願いします。
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No.968 【A-1】
Re:印刷物の表面加工について
2002-07-26 17:02:06 かずし (
環境に対する悪影響ですが、廃棄について限定すれば、廃棄方法によると思います。
1、廃棄物として焼却炉で焼却する場合
PP(ポリプロピレン)ですから、良く高温で燃えますし塩素によるダイオキシン類の発生をさらに促す事は無いと思います。
2、間違って海や、山に廃棄された場合や埋め立てられた場合
化学合成物で安定したPPは微生物分解されず、そのまま残りますのでゴミが残るという意味で良くないでしょう。
会社案内という性格から、防水性能を必要とせず、イメージ的にマット調を出したいのなら、上手な印刷屋さんに印刷賃を多めに払って(マットPPよりは安いですが)盛り目(インクを多く使って)でマットニスを表面加工するのが良いのではないでしょうか、但し、マット系の加工の場合は全面黒ベタ印刷等のデザインは加工ロスが多く発生しますので、加工時の環境負荷が高くなります。
回答に対するお礼・補足
ありがとうございました。
マットニスというのは、化学物質ではないのですか?
No.972 【A-2】
Re:印刷物の表面加工について
2002-07-29 14:38:37 ちしゃ (
印刷物にリサイクルにまわすことも難しくなると思います。
つまりPPのかかった表紙部分はリサイクルできないので分別しないといけない
分別しない場合は、すべてごみになってしまいます。
ただし、PPがかかっていると印刷物の耐久性、耐水性向上という機能はありますので
そこをよく考える必要もあると思います。
なお政府のグリーン調達基準でも
http://www.gpndb.jp/gpn/view/gl/gl13.asp
【配慮事項】
@表紙の表面加工等への有害物質の発生原因となる物質の使用を抑制していること。
A古紙再生の阻害要因となる物質の使用を抑制していること
という記述があり、PP加工の使用の有無をよく配慮することとしています。
また環境への負荷が少ない製品やサービスの優先的購入を進める消費者・企業・行政の
自主的な全国ネットワーク「グリーン購入ネットワーク」のガイドライン
「オフセット印刷サービス」発注ガイドライン
http://eco.goo.ne.jp/gpn/files/guide/printing1.html
というのもありますが、こちらでは
3.表面加工
1) 表面加工(フィルム貼り、ニス引き)の必要性の有無を考慮すること
2) 表面加工する場合、石油系溶剤を含まない接着剤やニスを使うこと
としています。
なぜ上記の1、2としたほうがよいかについては
○表面加工には資源やエネルギーを要します。
○特にフィルム貼りした印刷物は、リサイクルにあたってパルプにフィルムが混入して支障を来たすことがありますので、フィルム貼りは避けることが望まれます。ただし、長期使用するものなど用途によっては、フィルム貼りやニス引きなどの表面加工は、耐久性、耐水性、破れ防止などに役立ちます。
○フィルム貼り加工の場合、ほとんどポリプロピレン(PP貼り)が使われていますが、一部ではPVC(ポリ塩化ビニル)が使用されることがあります。
○石油系溶剤は大気汚染の一因となります。(なお、OPニスは印刷工程で使用されるので、インキの項目で別途評価)
の4点から説明されています。
No.973 【A-3】
Re:印刷物の表面加工について
2002-07-30 10:56:11 かずし (
私の書いたニス引き=OPニスというつもりで書きましたが、少し説明不足でした申し訳ありません。
一般的な印刷の表面加工の種類は以下のような物があります。(上からコストが高い順)
○菱レックス貼り(糊付け加工が可能なフイルム)
○PP貼り・マットPP貼り(マット=つや消し)
○プレスコート(溶剤塗布の後加圧鏡面加工したもの)
○ビニール引き(溶剤塗布)
○OPニス・機械ニス(ワニス)
最近は加工機械の多様化からもう少し複雑ですが、
基本としては上記の加工が一般的です。
耐水性・補強性はプレスコート以下は無いに等しいです。
プレスコート以下は主にインク面の保護や見た目を重視した加工です。
表面加工は用途によって適切に使い分けるのが、環境負荷を減らすことになるのではないでしょうか。
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