環境Q&A

No.885 【A-1】

Re:オゾン層はなぜ高緯度域では高濃度か？

2002-06-27 17:31:34 LP （

中央大学WEB教養講座のページ
http://www.ise.chuo-u.ac.jp/TISE/kyouyou/6kakemo1992110/
の「南極のオゾンホールとは」の後段をみますと，オゾンホールは南極特有の現象であり，北半球の極にはないもので"南極に近づくほど影響を受ける”ためのようです。
（自分も知りませんでした。＝北極にもあると思っていました。）

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↑君山様，補足説明ありがとうございます。北極にも（明確ではないが）オゾン減少傾向にあるとのこと，認識を新たにしました。

尚，「オゾンはなぜ，もともと高緯度地帯に多いか？」については地球の自転によるものだと推測します。
地球の自転と一緒に大気もまわっていますので，大気自体に遠心力をうけ，成層圏付近の大気中の重い成分は遠心力の影響を強くうけ赤道付近のに集中し，比較的比重の軽いオゾンは極のほうへ押し出されるのだろうというのが，私の推測です。
そこで，もともと濃度の高い高緯度では極のオゾン減少の影響をうけ，低緯度と差が少なくなってきているのが現状である，と。

「違うよ」という情報をお持ちの方，補足お願いします。（^^；

No.892 【A-2】

Re:オゾン層はなぜ高緯度域では高濃度か？

2002-06-28 13:15:30 東京都 ／ 君山銀針 （

ＬＰさんの補足です。北極圏にもオゾン層破壊の影響が表れているようです。

国立環境研究所　地球環境研究センター　北域成層圏総合モニタリング_北極域でのオゾン層破壊のページ
http://www-cger2.nies.go.jp/ozone/rikubetsu/riku01.html には、
「南極のようにオゾンホールではありませんが、北極域の成層圏オゾン量も南極のオゾンホールのように広範囲に減少している」
「高緯度ほど成層圏オゾンの減少（率）が著しい傾向があり、わが国では北海道で最も著しい」との報告があります。

なお、このページの説明によると、北極でも南極と同様にオゾン破壊が起きているそうです。南半球では極の中心に位置する大陸を海洋が取り囲んでいるために極渦が乱れないのに対し、北極では極渦の流れが一様ではなく、歪んでいるために、明確な"オゾンホール"は生じていないということです。

ただし　http://www.axis.or.jp/~ymg-ac/o3.html　の情報などを見ると減少率は札幌が高いですが、まさひろさんのご質問のように、もともとのオゾン濃度は高緯度のほうが濃くなっています。

平成１２年度オゾン層等の監視結果に関する年次報告書（平成１３年４月）第二部オゾン層等の状況　�T オゾン層の状況　
http://www.env.go.jp/earth/report/h13-04/05.pdf　によると、「オゾン全量は赤道域では少なく、南北両半球とも高緯度で多く、特にオホーツク海上空で最も多い」そうです。

これについては、http://www-dir.jst.go.jp/tenkai/scf/hk/hk-txt/hk215-tx.html　に「オゾンは赤道域でつくられ、中高緯度に運ばれる。南北両半球ともに、季節に関係なくオゾンは低緯度から高緯度へ輸送されており、輸送の果たす役割が大きい。また冬半球の方がより顕著であること、北半球冬の方が輸送が活発であることがわかる。」との記述があります。

図２
http://www-dir.jst.go.jp/tenkai/scf/hk/hk-txt/hk215-tx.html#fig-02
はオゾンが輸送される平面的な様子を示したものでアリューシャン高気圧の北辺に沿って低緯度から極域に輸送されている。

このオゾンの輸送に関係する循環をブリューワー・ドブソン循環といいます。

ブリューワー・ドブソン循環　については　http://hccweb1.bai.ne.jp/~hch51301/ozon.html
の説明をごらんください。