環境Q&A

No.8610 【A-1】

Re:ＰＲＴＲ報告は何故数字を２桁にまるめるのでしょう？

2004-11-29 11:56:00 isisan （

ＰＲＴＲ法というよりはデータ処理の問題かと。
数字を丸める場合は有効数字を揃えるのが普通でしょう。
1234=1.2×10^3
12.4=1.2×10^1
1.24=1.2×10^0
でちゃんと揃います。

桁数であわせるほうがもっと不自然ですよ。
大きな値だと無意味にたくさんの数字が並びますし
小さな値だと必要な部分までカットされちゃいます。
2桁というのはＰＲＴＲの目的から言えば妥当な有効
数字だと思います。

No.8619 【A-2】

Re:ＰＲＴＲ報告は何故数字を２桁にまるめるのでしょう？

2004-11-29 17:33:21 循（じゅん） （

ＰＲＴＲの排出量・移動量の算出にあたって、製品に含まれる対象化学物質の含有量をＭＳＤＳ（安全データシート）で確認されていると思います。
そのＭＳＤＳにおいて化学物質の含有割合を記載する場合に「有効数字２桁」で記載することが義務付けられています。

排出量・移動量ともにこのＭＳＤＳの含有率を使われると思いますので、計算結果も有効数字２桁で表示します。
ＰＲＴＲでは１ｋｇ未満の排出移動量の記載に当たっては小数点以下２桁目を四捨五入して「０．２ｋｇ」などと記載します。
ただし、ダイオキシン類のみ小数点以下の最初の数字から数えて２桁を有効数字としています。

なお、ＰＲＴＲ法（化学物質排出把握管理促進法）の制定以前は、ＭＳＤＳの記載に幅が許されていました。（例：２０％以上３０％未満）
ＭＳＤＳ制度導入にあたってのパブコメにおいて、有効数字２桁で記載する制度は事業者にとって、相当な負担を伴うものであるとの意見が寄せられています。

No.8630 【A-3】

Re:ＰＲＴＲ報告は何故数字を２桁にまるめるのでしょう？

2004-11-30 00:47:59 循（じゅん） （

言葉不足でした。これは小数点を揃えるのではなくて、有効な桁数（確かな桁数）を揃えているのです。

ＰＲＴＲの排出量等は、実測値に基づき算出する方法、物質収支により算出する方法、排出係数を用いて算出する方法など、化学物質排出把握管理促進法施行規則で認められた方法のうち、事業者が適当と判断した方法により把握されたものです。必ずしも全てが実測値に基づくものではないため、その精度には一定の限界があります。ＭＳＤＳで確認する含有率が有効数字２桁です。そこで、届出値の有効数字は２桁とされています。

それから、「１２００．０」という数字の書き方は有効桁数５桁をあらわしてしまいます。有効数字２桁にして「１２００」と記入することになります。
なお、計算結果がゼロの時には「０．０」と記入しなければならないのも有効数字２桁だからです。

統計学や数学で「計算結果の確からしさ」を考慮するときに「有効数字」や「有効桁数」という言葉が出てきます。
有効な数字のことを有効数字という。
有効な数字の桁数を有効桁数という。

(例)
塗料の重量をハカリで秤量したところ、
1234.5 kg （有効桁数５）
という表示でした。

この塗料には対象物質トルエンが18％（有効桁数２）含まれています。これを電卓で計算すると
1234.5 × 0.18 ＝ 222.21
となりました。
ですが、この数字のうち真に有効な数字はどこまでかというと、両者の積の有効桁数は少ないほうにあわせて２桁となります。つまり
1234.5 × 0.18 ＝ 222.21 -> 220
となります。

電卓やパソコンで計算された数字全てが有効となるとは限らないのです。表計算ソフトは便利なツールですが、表示方法に有効桁数を考慮させないと誤解を生んでしまうのです。

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