一般財団法人環境イノベーション情報機構

ヘルプ

サイトマップ

メールマガジン配信中

環境Q&A

メスフラスコ及びホールピペットの洗浄方法 

登録日: 2004年11月17日 最終回答日:2004年11月22日 水・土壌環境 その他(水・土壌環境)

No.8488 2004-11-17 02:15:17 さと

こんにちは。
初歩的な質問なのですが、お教えください。

メスフラスコ、ホールピペットの体積の正確さを保つ上で
ガラス内部の表面濡れ性、表面張力の影響があるかと思います。
そのあたりの知識に欠けておりまして、どのような洗浄液で、どのような方法で洗浄するのが良いのかわかりません。

みなさんは、どのようなことに考慮し洗浄していますでしょうか?
使用環境は、使用装置ICP-AES、使用濃度ppm単位になります。
どなたかご教授いただけると助かります。
よろしくお願いいたします。

総件数 7 件  page 1/1   

No.8492 【A-1】

Re:メスフラスコ及びホールピペットの洗浄方法

2004-11-17 16:25:54 つち関係

市販の器具用洗剤で漬けたあと、1M程度の塩酸溶液に漬けて、超純水で濯いで、そのまま乾かしています。この方法であれば、軽いエッチングにした後、ガラス表面を引き締めているのか?と考えております。

分析するものによりますが、他の酸(例えば、硝酸)の場合、不動体を作ることもありますので、塩酸にしています。いずれにせよ、その容積にもよりますが、かなりな量の酸を使いますので、十分注意して調製する必要があります(塩酸だと、結構きますね)。

その他、注意点として、測用器具の内部にブラシを当ててはいけないことや、乾燥器で乾燥させてはいけない(パイレックスでない、古い器具)などがあります。在り来たりで済みません。

回答に対するお礼・補足

つち関係さま

早速のご回答ありがとうございます。
大変参考になりました。

お尋ねしたいのですが、「市販の器具用洗剤」とは
強アルカリの洗剤になりますでしょうか?

現在、私のほうでは強アルカリの洗剤に一昼夜着けた
後に、純水ですすいで使用しています。
他の器具(ビーカーなどのガラス器具)も同様に
洗浄しています。

やはり、酸に漬けたほうが良いのでしょうか?
ガラス表面のぬれ性などを考慮すると洗浄効果が
高いのでしょうか?

せっかくご回答いただけたのですが、お教えいただけないでしょうか?
よろしくお願いいたします。

No.8500 【A-2】

Re:メスフラスコ及びホールピペットの洗浄方法

2004-11-18 11:16:01 つち関係

市販の器具用洗剤とは、アルカリ性のものです。
(中性のものもあるが、プラスチック用でしょう)

重金属を測るのであれば、二度手間になりますが、酸に漬けることをお奨めします。といいましても、ものすごく根拠があるという訳ではありませんが、私が学部生のときからの習慣としてやっております。私以外にも一般に金属をやられている方は、同じようなことをしており、特に、pptレベルの分析をされているところでは、分析する直前に酸から引き上げて・・・、という面倒なことされていたのを覚えています。

それと、加えまして、メスフラの体積は20℃で誤差いくらとか、むしろ温度膨張を気にした方がよいのかも知れません(エアコンがあるので、別段気にしてませんが)。

回答に対するお礼・補足

つち関係様
お忙しい中、何度もご回答いただきありがとうございました。参考になります。

おっしゃるように、メスフラスコの体積につきましては、私も非常に気になっております。
JIS K0050 9.体積の9.3.1,9.3.2にホールピペット、メスフラスコの校正の方法が書いてありますが、定期的に実行していますでしょうか?
私どもは、定期的(半年に一度)に自主校正する予定です。手間がかかりますが・・・・・・
 

No.8510 【A-3】

Re:メスフラスコ及びホールピペットの洗浄方法

2004-11-18 17:39:31 循(じゅん)

重金属分析用のガラス器具は洗剤洗浄と酸洗浄(硝酸)により洗浄しています。
(環境庁の分析マニュアルかなにかに書かれていたような気がします。)
硝酸タンクから器具を引き上げるのにテフロン手袋とゴーグルを使って防護してます。
タンクに蓋をしていても蒸気が出ているような気がします・・・

(参考)
JIS K8007高純度試薬試験方法通則
  ガラス器具の洗浄について記述あります。

(参考Web)
テクノナレッジ・ネットワーク(http://www.techno-qanda.net/
ものづくり基盤技術・技能教本マニュアル
http://www.techno-qanda.net/dsweb/View/Collection-400
「ファインセラミックス製造工程における化学分析処理技術」
ファイル03「器具・容器類の取扱い方法」にガラス器具の酸洗浄が記載されています。


(参考資料)
鹿児島県工業技術センター 平成12年度 研究成果発表会
「ISO/IEC Guide25に基づく重金属分析の精度保証」
http://www.kagoshima-it.go.jp/public/happyo_current/p8.htm
(抜粋)
ガラス器具の洗浄別では,硝酸処理していないガラス器具で添加回収率の低下が認められ,ピペットの内容量にも影響を与えていることが窺えました。

(注:ISO/IEC Guide25は現在ISO/IEC 17025 (試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項)に置き換わりました)

回答に対するお礼・補足

循(じゅん)さま
ご回答ありがとうございます。
非常に、ご丁寧な回答を頂き恐縮するばかりです。

ちなみに、硝酸タンクをお使いとのことですが、
局所排気(ドラフト)内などに置かれているのでしょうか?
私どもも、酸洗浄容器を考えているのですが、置き場所が無くて困ります・・・・
恥ずかしながら、小さいドラフト設備しかないもので。

No.8513 【A-4】

Re:メスフラスコ及びホールピペットの洗浄方法

2004-11-18 21:41:37 つち関係

度々失礼します。補足をします。
測容(漢字が間違っておりました)器具の校正は別に必要ないかと思います。この方法は”パイレックス以外のガラスの場合では体積変化を生じた?ことによる”と思います。うちでは、一切やってません。公称上、これだけ誤差があると認識しているのみです。
硝酸槽も使っています。薄目なのは、長時間漬けておいてもよいことと処理しやすいことからです。濃くすると濯ぐのに手間が掛かり、少し危ない(器具をぽちゃと落としてしまったら、どうなるか?)のがあります。うちでは、ドラフトの中ではなく、実験室の地べたにおいてあります(蓋はテフロンゴムパッキン付き)。
P.S.
”公設機関では、ベーシックだが、役に立つことを検討されている”という、循(じゅん)氏の情報に驚きました。

No.8537 【A-5】

容積を実測してみれば

2004-11-19 19:53:43 cham12fk

うちは地下水のみなので、硝酸槽につけて、一晩放置して超純粋洗浄だけですね。
硝酸槽は、ドラフターのそば(外)に、おいてるだけです。ドラフターは一日中動いていますけれど。
硝酸槽は、ホームセンターで売っている、かなり丈夫な工具箱を買っています。

でもそんなに気になるなら、はかりで実測してみればいいのではないですか。
ホールピペットってこんなものなの?って驚くと思いますよ。
洗浄で容積を気にすることよりも、他のことが気になってくると思います。

回答に対するお礼・補足

cham12fk様
ご回答ありがとうございました。
>でもそんなに気になるなら、はかりで実測してみればいいのではないですか。
ホールピペットってこんなものなの?って驚くと思いますよ。
洗浄で容積を気にすることよりも、他のことが気になってくると思います。

洗浄よりも、各自の操作方法に問題があるかもしれませんね。(じゅんさんにもご指摘いただきましたが)

今後要検討です!

No.8544 【A-6】

硝酸洗浄タンクのはなしなど

2004-11-22 01:39:23 循(じゅん)

ピペット用のみはドラフト内に収まるサイズです。漏れ事故防止のために、タンク全体(ビーカー類用、メスフラスコ用、ピペット用)を大きな塩ビ箱に収めてドラフトのすぐ隣の床上に置いています。ドラフトと部屋の換気扇はずーっとつけています。(ドラフトの外壁が錆びています)
濃硝酸の継ぎ足し作業や、抜き出し作業には「耐酸ドラムポンプ(手押し)」を使っています。タンク内清掃のために全量を抜き出して中和処理を自分でやることになったときは、泣きました・・・(中和用石灰<<<廃棄物処理費用だったため)

強酸(硝酸、フッ酸等)を使用する作業はドラフト内でやっています。普通のドラフトのため、金属部分やガラスが傷んでしまいます。私は(勝手ながら)耐酸性のフッ素樹脂スプレーをドラフト内やホットプレートなどの金属部分に吹き付けました。

cham12fkさんがおっしゃっていましたが、私からも少々・・・
ホールピペットの操作方法も含めて、分析操作手順を複数人でチェックしていますか?
(ピペットの操作がおろそかになっていないか、自己流マニュアルを使っていないかなど・・)
ホールピペットやメスピペットの保存状態・管理方法のチェックはされていますか。
(ある公設機関では、分析用ガラス器具の保管棚を窓際に置いていました。裏側から日が当たっているようでした。そこは計量証明を業務としている部署ではないようでしたが、いいことなのでしょうか・・・)

参考情報を紹介します。高等学校教育向けコンテンツですが、社会人向けの教育材料の作成にあたって参考になると思います。

独立行政法人 教員研修センター(http://www.nctd.go.jp/
□研修支援情報−高等学校専門教科コンテンツ−高等学校専門教科資料
−農業科資料−L . 実験・測定の基礎−L-1-1.測容器具
(ほか多数)

国の研究機関が独立行政法人になったことと、情報技術が発達したことにより、知識情報の蓄積と伝達がネットで行われるようになってきました。民間事業者や大学も研究情報をネットで公開しています。検索サイトからも有用な情報が見つかるようになってきました。

回答に対するお礼・補足

循(じゅん)様
ご回答ありがとうございます。
>ホールピペットの操作方法も含めて、分析操作手順を複数人でチェックしていますか?
実は、ご指摘のとおり実施しておりません。今後、ぜひおこないたいと思います。
また、参考資料として挙げていただいたページも見させていただきました。
今後、教育する上で利用価値がありそうです。
ありがとうございました。

No.8553 【A-7】

洗浄で強酸を使うことについて

2004-11-22 23:42:14 つち関係

余談的なことです。

この前産業医が来て、洗浄用の酸(前述で多出の)について、「濃度によっては劇毒物だから、容易に持ち出せないように処置をする(薬品庫に入れろということか?)。また、劇毒物と明記して下さい。」と言われました。

濃度によってとありますが、明確に基準が分かりません。しかし、1M程度でもそういう扱いになるのでしょうね?
いろいろと規制がうるさく、やりづらくなってきました。
ドラフトで強制吸排気している訳ですから、作業環境濃度も引っかからないはずですが・・・。

”さと”さんのところもうるさく言われないように進むことをお祈りします。

総件数 7 件  page 1/1