環境Q&A

No.8279 【A-1】

Re:砒素汚染土壌のセメント固化について

2004-10-31 11:56:10 カヨ （

生成するセメント水和物の固定機構が関係していると考えられます。
セメント水和物による固定機構は、エトリンガイトやモノフェルサートなどの水和物への表面吸着及び生成した水和物が間隙を埋めることによる組織の緻密化などの複合的な作用によるものであるとされています。

粘土鉱物や有機成分の影響により水和物の生成が阻害され、水和物により固定されなかった物質が溶出することがあります。水和物の生成を著しく阻害する粘土鉱物（アロフェンなどの非晶質粘土鉱物）を多く含有する汚染土壌では、水和に必要なCaイオンが吸着され水和物の生成が阻害されます。

私もpH増加による汚染土壌に含有する砒素の可溶性塩への変化について文献で読んだことがありますが、詳しいことは忘れてしまいました。高pH、含有する粘土鉱物、有機成分など複合的な作用と思いますが･･･
もっと詳しいこと知りたいのでエロイ人教えてください、ヨロチクビ〜

No.8287 【A-2】

Re:砒素汚染土壌のセメント固化について

2004-11-01 14:13:04 少し環境 （

>pH10〜11なのに
>アルカリを過剰に含むセメントで、セメント固化すると不溶性の砒素化合物が可溶性塩に変化

　通常のセメント練り水のｐＨは１２〜１３になります。固化後のｐＨの測定の方法どうなのか分かりませんが、通常のセメントを使ったのであれば「アルカリを過剰に含むセメント」ではないと思います。

No.8299 【A-3】

Re:砒素汚染土壌のセメント固化について

2004-11-02 10:02:47 一市民です．．． （

ヒ素はセメントなどの高アルカリ雰囲気ではヒ酸カルシウム様の化合物を生成して沈殿します．セメント水和物の生成といった固化作用との相乗効果でヒ素の溶出量が低下すると考えられます．
インターネットや文献等ではヒ素にセメントを添加した場合に溶出量が増加する，といった記述がありますが，自分の手で本当に試したことがあるのかは疑問です．
消石灰等の添加でヒ素濃度を低下させる手法は論文もそこそこ発表されており，セメントや消石灰などのカルシウムアルカリ雰囲気ではヒ酸カルシウム様の化合物を生成して沈殿するとされています．ただし，高アルカリ雰囲気を維持する必要があり，適当な（＝いい加減な）セメント固化では再溶出する恐れもあるため，注意が必要でしょう．水処理の世界ではスラッジ量が多くなる，中和処理が必要等の理由で使われていないのでしょう．．．
ヒ素汚染土壌の溶出挙動には当然pH依存性があり，アルカリ雰囲気では溶出量は増大します．ただし，この様な試験は通常苛性ソーダなどのNaアルカリ雰囲気で行われることが多いので，「アルカリ」＝「溶出量の増大」と思われがちですが，Caアルカリで行うと違った挙動を示すこともありますので，実験的に検証する必要があるでしょう．．．
文献やインターネットの情報は全てが正しい訳では無いので，自分の手で確かめることが必要ですね．．．

［参考文献例］
Deok Hyun Moon, et.al:Arsenic immobilization by calcium-arsenic precipitations in lime treated soil. Science of the Total Environment, 330(2004) 171-185
ヒ素汚染土壌のセメントによる固化・不溶化処理に関する検討，第37回地盤工学会研究発表会論文集，2301-2302，2002

No.8327 【A-4】

Re:砒素汚染土壌のセメント固化について

2004-11-04 14:33:09 一市民です．．． （

>一つよろしいでしょうか、セメント固化した場合にはNaアルカリ雰囲気と考えてよいのですか?

先の回答にも記載しましたが，
セメントや消石灰などのカルシウム（Ca）アルカリ雰囲気ではヒ酸カルシウム様の化合物を生成して沈殿するとされています．．．

セメント固化した場合はCaアルカリですね．．．．