容器包装リサイクル法の環境負荷減少効果で質問

No.733 2002-05-10 12:13:24 ogawa

容器包装関連の廃棄物を減らそうと容器包装リサイクル法が動いていますが、とくにペットボトルに見られるように、かえって廃棄量が増えているように思います。
その理由として、費用のかかる廃棄物の収集・分別が地方自治体の責任（国民の税金による負担）となっており、メーカー側に、よりリサイクルしやすいもの・環境負荷の少ないものへの転換をうながす動機付けが弱いからではないか、ということが考えられます。
そこで、実際、どれだけ市町村の負担が大きいのか、たとえばペットボトル１本あたりいくらくらいかかっているなど、何か調査したものなどはありますか。また、東京都２３区では、国に対し、容リ法の見直しを求める要望を出していると聞きますが、それはどのようなものでしょうか。
家電や自動車のリサイクルでは、収集・運搬はメーカーの責任で行い、リサイクル費用については消費者にも負担を求めていくということのようですが、いわゆる「拡大生産者責任」との関係で、リサイクルにかかわるコスト負担のあり方について、ご意見をうかがえれば・・・。
初めて質問を提出しますが、このような質問にもお答えいただけると幸いです。

No.746 【A-1】

自治体の負担

2002-05-14 19:25:06 LP （

自治体でいくらかかっているのかについてモデルケースを想定してみます。

人口10万人の町で，1世帯あたり平均2.5人で40,000世帯あるとします。20世帯あたり1箇所のごみステーションが市内に2,000箇所あります。
1箇所の収集が移動時間も含めて平均3分間だったとして，市内全域1回の収集で6,000分間。100時間です。収集作業車の1日の作業時間が7時間だったとすると14日間です。毎週1回の収集だとすると毎日2台の収集車で収集すれば全部のステーションを回ることができます。
ペットボトル1品目の収集だけで年間2台の収集車が必要になるということです。
年間1台の収集車は民間業者に委託して2人乗車で1,800万円ほどかかります。2台で3,600万円です。
このほかに，収集したペットボトルを圧縮する中間処理をし，容器リサイクル法の指定法人まで運搬する経費が同額かかるとします。計7,200万円です。このほかに施設や設備の償還費もかかるのでそれを含めて1億円。

さて，人口10万人の市民が年間捨てるペットボトルは，一人あたり年間30本だったとして全市で年間300万本です。
300万本で収集～中間処理～運搬費用＋償還費の合計1億円を割ると33円です。

いささか乱暴ですけれど1本あたり少なくとも15円以上はかかっており，自治体の市街形成が分散しているような場合には30円に限りなく近いこともあるのだろうと思われます。

回答に対するお礼･補足

早速、ご回答いただき、ありがとうございます。
このように、具体的にイメージを組み立て、一つ一つ積み重ねて考えていくといいのですね。
一本あたり１５円以上かかっているとするなら、ペットボトルを使う飲料メーカーが指定法人に支払う費用が、１キロあたり８３．８円ということですので、１本あたりいくらくらいになるのか、ペットボトルの重さを量って計算してみます。(ogawa)

No.753 【A-2】

Re:容器包装リサイクル法の環境負荷減少効果で質問

2002-05-15 15:33:05 東京都／ ＫＡＮ （

ＬＰさんの説明は具体的な経験に基づいた説得力のある内容ですね。

ところで指定法人である財団法人日本容器包装リサイクル協会に委託して再商品化する場合についてお知りになりたいのであれば、同協会のホームページにキログラムあたりの単価が掲載されています。

http://www.jcpra.or.jp/02tebiki/tokutei_13.html

委託単価（平成14年度）―「自主委託」「簡易算定」共通

無色のガラスびん　　　　　3.6円／kg
茶色のガラスびん　　　　　7.8円／kg
ガラスびんその他の色　　　9.1円／kg
PETボトル　　　　　　　75.1円／kg
紙製容器包装　　　　　　42.0円／kg
プラスチック製容器包装 82.0円／kg

となっているようです。

なお、財団法人日本容器包装リサイクル協会のホームページにも容器包装リサイクル質問受付窓口　http://www.jcpra.or.jp/05uketsuke/q0001.html がありますので、くわしいことはこちらから聞いてみてはいかがでしょうか。

また、同協会にこれまで寄せられた質問は容器包装リサイクル Q & A 集　http://www.jcpra.or.jp/04faq/index.html　にも掲載されています。

環境Q&A