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環境Q&A

CO2の大気中寿命 

登録日: 2002年05月09日 最終回答日:2002年05月15日 地球環境 地球温暖化

No.728 2002-05-09 19:39:50 環境本屋

 温室効果ガスの主であるCO2の大気中寿命は本によってまちまちです(最短の4年から最長の500年まで見つけました)。なお、不明という本もありました。信頼性のある数値なり、森林吸収や海洋吸収以外の挙動を教えてください。
 また、CO2は大気中で、オゾンやメタンのように、分解することはないのでしょうか。分解性、反応性は当然寿命に反映されるはずと思いますが、その辺のことも教えてください。

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No.749 【A-1】

Re:CO2の大気中寿命

2002-05-15 09:43:47 東京都 / ちしゃ

http://www.eic.or.jp/QA/bbs02.php3?serial=295
にも書いていますが、炭素は空気中でありふれた物質であり、生物の光合成やさまざまな化学反応によっていろいろな形に変化していく可能性がある大変可変的なもので、大気、海洋、陸上の生態系などの間を形態を変えながら循環しています。

環境省 地球温暖化解説によれば、
http://www.env.go.jp/earth/cop3/kanren/kaisetu/index.html

大気中の二酸化炭素の増減は、地球全体に貯蔵された炭素とのやりとりによって決まり、数十年〜数千年の短期のものと、数億年以上の長期のもの(石炭、石灰石、天然ガスや石油などへの固定)とがあり、炭素の短期貯蔵は、大気圏、海洋圏、陸上生物圏の3つの大きな貯蔵庫で二酸化炭素、炭酸塩、有機化合物など、かたちを変えて循環している。

従って、特定フロンなどのように大気中での反応が特定されやすいものと違い、さまざまなルートがあり、一概にいえないということなのではないでしょうか。(このへん、地球科学の専門家ではないので間違っていたらご指摘ください)

炭素循環については
平成9年環境白書 第1章 第1節 2 地球温暖化のメカニズム CO2の循環 1−1−4図
http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/hakusyo.php3?kid=209&serial=10291&kensaku=1&word=%92Y%91f%81%40%8Fz%8A%C2

年間の地球規模の炭素循環(1980年代の年平均)
http://research.kahaku.go.jp/zoology/kaisei/hp-2/hikari/hikari-2.html
などに簡単な図示がありますが、そのくわしい挙動自体まだ不明なところが多く、実は温暖化メカニズムに関する研究の1大ジャンルです。

国立環境研究所 地球温暖化の影響評価と対策効果プロジェクト
http://www.nies.go.jp/kenkyu/panf2001/ondanka.html

地球フロンティア研究システム 地球温暖化予測研究領域
http://www.jamstec.go.jp/frsgc/jp/summary/gwrp_0r.html
などにその研究の一端が紹介されていますので読んでみてください。

回答に対するお礼・補足

いろいろご教示有り難うございます。大気中CO2の寿命はよくわからない、ということがよく分かりました。だから有名なIPCCのCO2収支計算もいい加減なんですね。誤差は100%でもかまわないとか、余ったのは植物が吸ったことにしてしまえとか、・・・でも気になります。寿命200年と書いた人はどうやって決めたのでしょう?

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