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環境Q&A

みなさんの意見を聞かせて下さい 

登録日: 2004年06月29日 最終回答日:2004年06月30日 自然環境 野生動植物

No.6593 2004-06-29 21:43:14 マタカ

 今日は、とても不愉快なニュースが流れました。
 岡山市の市街地のビルの屋上で、ハヤブサのヒナが巣から落ちて衰弱しているのを見つけた愛鳥団体が県に連絡したところ、県の担当者がそのままにしておくように答えたことに対し、愛鳥団体が環境省におそらく抗議したのでしょう。
 環境省が県の対応に問題があったとするコメントを出したというのです。
 よく、巣から落ちているヒナを見つけてもそのままにするよう呼びかけるポスターを見ますし、岡山県でなくとも、たとえば栃木県のホームページには

> 春から初夏は、野鳥の子育ての季節です。
> 毎年この季節になると、巣立ち直後の幼鳥が拾われて県に運び込まれます。"迷子"と間違われて"保護"されるのですが、これは実は"誘拐"なのです。
> 巣立ちした直後の幼鳥は、まだうまく飛ぶことも、自分でエサをとることもできません。本当に自立できるまでは、親からエサをもらい続けます。そんな幼鳥が地面をうろうろしているところを保護されてしまうのです。迷子に見えても親がかならず近くで見守っています。
> このような幼鳥を見つけても、そっとしておいてください。

と書いてありますし、三重県のホームページにも

> 善意による保護もふくめ、野鳥の捕獲・飼育は「鳥獣保護及狩猟二関スル法律」いわゆる「鳥獣保護法」によって禁じられています。

と書いてあります。

 愛鳥団体がこのようなことを知らないことにも驚きですが、それを追認するような環境省のコメントにはさらに驚きました。(「報道されたとおりであるなら」という前提ですが……)

 たとえ、ハヤブサが希少種であっても、基本は雀や燕と同様ヒナをむやみに誘拐しないように、そのままにしておくことを指示した県の担当者の対応が責められるべきではないと思うのですが、みなさんはいかがお考えでしょうか?

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No.6596 【A-1】

Re:みなさんの意見を聞かせて下さい

2004-06-29 23:57:22 ひげ

この事案は情と法律だけの問題で無いと思います、もっと多くの事象を孕んでいるのでしょう。
私は鳥獣保護員ではなくて、自然環境保全指導員なのですが、この時期私に管区警察から「鳥のヒナの拾得物届」が発生しているが如何したものか?「裏の水路にカルガモのヒナが入りこんでいる」との通報があったが、如何したら良いか?その他タヌキ、フェレット、アライグマ、ワニガメ、等の情報と問合せ・出動依頼が寄せられます。
警察に届が出された場合、単純に「鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律」の適応だけには終わらずもっと複雑です。
ご指摘のニュースについては全く知らないので、状況は良く判らないのですが、大阪府では「傷病野生鳥獣保護飼養ボランティア制度」並びに「野生鳥獣救護ドクター制度」等があります、ハヤブサのヒナが巣から落ちて【衰弱】している状況が確認されればこの様な制度を活用し最悪の場合は積極的保護を行う必要も有ると思います。
この場合誰かがずっと見守っている事が前提として必要ですが、ただし稀少種であると言うことは関係ありません。

法律は万能ではありえません、状況に応じてヒナを保護しない方が良いなら、その場の関係者に何故放置が最良の手段なのか充分説明する必要が有ります。餌づけ禁止にしても何故禁止なのか詳しい情報案内が必要です。
説明は大変ですが誰かが責任を持って行うべきです。
県の対応の問題とは上記の説明責任ではないでしょうか。
この様な事案は総て似て異なる個別の物です、生態不関与を基本に置いた上で、状況に応じて柔軟な判断と対応が望まれます。

No.6597 【A-2】

Re:みなさんの意見を聞かせて下さい

2004-06-30 09:53:13 ジオドクター

もしこれが自分の立場であったなら、私も「そのままにしておく」という風に伝えたと思います。保護は確かに必要ですが、自然の中で起きた事について人が関与するべきではないと思います。
極端な話ですが、テレビ等で肉食動物に草食動物が捕食される場面を見て、それをなぜ保護しなかったのか?なんていう人はいない(いても少ない)でしょう。
それが自然の姿ではないのでしょうか?
本題のハヤブサの場合も、ヒナが巣から落ちたのであれば、落ちたヒナはそのままにするべきと思います。
種類は忘れましたが、餌を確保するためにヒナ同士で落としあい?をするという話を聞いたことがあります。また、親鳥がヒナを自力で助けない限り、親は子育てを継続することは少ないと思います。
この場合がどんな理由でそうなったかは解らないですが、解らないからこそ「そのままにしておく」が妥当ではないのでしょうか?
勿論そのままにしておいて死んでしまうのであれば、保護して育てて森に返すのが良いのでしょうが・・・また、そこまで見ていての進言に対して、「そのままにしておく」というのは少し問題だと思います。場合によっては保護することも必要だと思いますので・・・
鳥獣保護法を読んでいないので解らないのですが、手当てをするのは許されていないのでしょうか?(飼育に当たらないと思うのですが)
もしそれが禁止であれば、変えていくべきだと思うのですが・・・(役所で県のレッドデータ記載種を手当てした例を知っています)

No.6601 【A-3】

Re:みなさんの意見を聞かせて下さい

2004-06-30 10:36:22 ちしゃ

ひげ さんの書かれているように、ヒナがどういう状態だったのかで対処が違ってきます。それがわからなければ、環境省と岡山県のどちらの指示が適切だったのか、判断ができないと思います。

対処方法の情報としては↓があります。

傷病鳥獣を見つけたら 琵琶湖水鳥・湿地センター
http://www.biwa.ne.jp/~nio/kega/kega1.html

野生鳥獣の救護(搬入から復帰まで)岐阜県東濃農業共済組合家畜診療所
http://www.takenet.or.jp/~ntonovcc/kyugo.html

野生動物救護獣医師協会 では都道府県鳥獣保護担当者に連絡してくださいとありますが・・
http://www.wrvj.org/hogo.html

ヒナを拾わないで! のこのこ このこ
http://www1.seaple.icc.ne.jp/east/hina.html

ヒナを拾わないで - 日本野鳥の会
http://www.wbsj.org/birdwatching/index.html

この中では滋賀県には傷病鳥獣の診療ネットワークができていてそれを前提に説明しているようですが、そういう体制ができているかどうかは自治体によって差があると思います。

岡山県自然環境課 http://www.pref.okayama.jp/seikatsu/sizen/sizen.htm
のページには傷病鳥獣の情報はなく、あまり取り組みが進んでいないのかもしれません。今回のトラブル?にもその辺の情報・制度の不備が関係しているのかもしれませんので、この機会に傷病鳥獣の診療制度の導入を提案したほうがいいかもしれないと思います。

No.6602 【A-4】

Re:みなさんの意見を聞かせて下さい

2004-06-30 10:45:01 ハッスル

皆さん、ハッスルしてますか?

>「ひげさん」法律は万能ではありえません、
は私も同感です。あれだけ、問題なっている「年金改革法案」だって、法律条文の記載ミス等があるぐらいですから。

>「ひげさん」この様な事案は総て似て異なる個別の物です、生態不関与を基本に置いた上で、状況に応じて柔軟な判断と対応が望まれます。
にも同感です。法律による、ある程度の基準は必要ですが、全ての状況を想定して制定しているのではないと思いますので。

ただ、今回の場合は、想定できない事例でなかったとは言えないと思いますので、環境省の対応が思わしくなかったと考えます。

No.6607 【A-5】

Re:みなさんの意見を聞かせて下さい

2004-06-30 17:26:15 ドグラマグラ

> 環境省が県の対応に問題があったとするコメントを出したというのです。

こういったコメントは、どの程度の立場にいる人間がゴーサインを出すのでしょうか・・・。
どうも中央のお役人は、現場の事情も知らずしっかりとした知識も持ち合わせないのに、その場逃れの適当な対応をする傾向があるような気がします。
野鳥の生態や、現場の対応もろくに調べないで、抗議されたから非を認める。そんなに謝るのが好きなんでしょうか。しかも、「事実とすれば〜」なんて逃げ口上も用意して。ならなぜ事実関係を調べないのか。調べないのならコメントすべきではないです。

回答に対するお礼・補足

 ひげさん、ジオドクターさん、ちしゃさん、ハッスルさん、そしてドグラマグラさん、いろいろなお考えをありがとうございました。
 昨日は耳で聞いただけではっきりしなかった点が、今朝の朝刊に書いてあったので抜粋します。
・岡山市内のビルの屋上で衰弱して動けなくなったハヤブサ(絶滅危惧種)のヒナが見つかった。
・「岡山ワシタカの会」が県に保護を求めたが、そのままにしておくよう指示された。(外傷の有無については触れていない。)
・ヒナは餌や水を与えると飛び立った。
・県の対応に疑問を持ったワシタカの会が環境省山陽四国地区自然保護事務所に相談した。
・同事務所は県に対し、傷ついた希少な野生動物は受け入れるよう(「保護するよう」ではありません。)口頭で申し入れた。
・県は傷ついた動物、特に希少な種については県内の施設で保護したいと話した。
というものです。
 付近に親鳥がいたかどうかについてははっきりしませんが、「飛び立った」という記述からは保護が必要な状態であったとは思えません。
 また、環境省の申し入れも県のコメントも「傷ついた」と断って逃げ道を作っている事がうかがえました。

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