一般財団法人環境イノベーション情報機構
保護・保全・維持の使い分け
登録日: 2002年03月07日 最終回答日:2002年03月13日 環境行政 その他(環境行政)
No.642 2002-03-07 08:19:41 monmon
自然環境や緑化に関する行政資料とか書籍を読むと、「自然保護」とか「環境保全」とか、「緑地の維持保全」等、用語が頻繁に出てきますよね。
私自身の仕事の関係で、こうした「保護」、「保全」、「維持」(あるいは「維持保全」)の用語を適切に使い分ける必要があります。
「保護」と「保全」の違いは大体分かっていますが、「保全」と「維持」、「維持・保全」の違いを明確に説明できずに困っています。語句が解説されている文献やホームページなどあれば教えてください。
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Re:保護・保全・維持の使い分け
2002-03-13 15:46:02 君山銀針 (
保全=あるていど手を加えながら管理する 自然再生も含まれる
保存(保護)=もともとある自然にいっさい手を加えない
ということだと思います。
「保全=conservation」と「保存=保護=preservation」については、「なぜ自然保護が必要か? 」に書いた回答http://www.eic.or.jp/QA/bbs02.php3?serial=405&sch_serial=416#416 でご紹介した
「自然を保護することと人間を保護すること−「保全」と「保存」の四つの領域 」(森岡正博)
http://www.lifestudies.org/jp/shizen.htm の中で、両者のもともとの思想の違いが説明されています。
それによれば
保全=conservation 「人間のために自然を守る」
保存=保護=preservation 「自然のために自然を守る」
という背景思想の違いがあるとのこと。
なお、http://www.af-info.or.jp/jpn/honor/hot/jnr-brower.html の記事などによれば
維持も英語では Preservation ということなのですが、
「保全=conservation」と「保存=保護=preservation」が対で語られることが多い中で、維持ということばはちょっと毛色が違う文脈で使われているような気がします。
保護・保全という場合は思想的なニュアンスが強いのですが、維持という場合は自然管理の技術的な手法の概念として使われているのではないでしょうか。
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