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環境Q&A

温室効果ガス排出量ガイドラインについて 

登録日: 2004年05月25日 最終回答日:2004年05月28日 エコビジネス 環境報告書

No.6017 2004-05-25 14:09:42 こぼ

私は企業で環境報告書作成を担当しているものです。
企業内調査として、環境負荷調査(電力・水・ガソリン・廃棄物等)を実施し、地球温暖化物質排出量を計算しておりますが、毎年どのガイドライン排出係数を元に作成して良いのか迷っております。
昨年は「温室効果ガス排出量算定方法検討会」の平成12年度報告書を参照しました。今年は平成14年版の「温室効果ガス排出量算定方法検討委員会」の報告書を参照しようかと思ったのですが、環境省のHPを見てみると、平成15年7月に「事業者からの温室効果ガス排出量算定方法ガイドライン」の試案が掲載されており、どちらを使うべきか迷っております。
以上、よろしくお願いします。

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No.6038 【A-1】

Re:温室効果ガス排出量ガイドラインについて

2004-05-26 22:51:51 茨城県 / 平井

こんばんは。
係数選択にあたっては、おおきく2つの考え方があると思います。

(1)実際の排出量を可能な限り正確に求めるため、評価対象とする年度に対応した排出係数(その年の電源構成を反映したものなど)を使用する。
(2)自社の活動の時間推移を評価するため、ある固定した年の排出係数を毎年使う。

どちらも一長一短があります。
そこで、おすすめの方法は、2つの係数で計算を行い、その違いがどの程度あるのかを確認する方法です。

前年との比較でのCO2増減の要因を
「電力などの原単位の変化によるモノ」と
「企業のエネルギー消費量の変化によるモノ」とに分解して示すと、企業努力の部分が見えやすくなると思います。

たとえば、そのうち発表されるであろう1993年の電力原単位はおそらく大幅に悪化していると予想されます。(原発トラブルのために火力発電所の構成比率が高まったため)逆に、1994年にはかなり改善されているでしょう。これに伴い企業のCO2排出量も増減するわけですが、電力のユーザー企業にとって見れば外乱的な要因であり、自らの努力による変化とは切り離して評価した方が良いと思います。

以上、参考にしていただければ幸いです。

回答に対するお礼・補足

早速のご回答有り難うございました。一度、2つの係数での違いを比べてみようと思います。環境報告書を作成されている会社でも考え方によって、係数が違う場合があるということですよね。決定的なガイドラインがあれば、一番嬉しいのですが、初心者にはまだまだ迷うことが多そうです(・_・、)

No.6042 【A-2】

Re:温室効果ガス排出量ガイドラインについて

2004-05-27 11:11:36 東京都 / 君山銀針

こぼさん、平井さん、こんにちは。お世話になっております。

1)「事業者からの温室効果ガス排出量算定方法ガイドライン」と
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/santeiho/guide/index.html
2)「温室効果ガス排出量算定方法検討委員会」報告
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/santeiho/kento/h1408/index.html
の違いとしては、
1)のほうは個別事業者の温室効果ガス排出の実態を正確に把握することを
重視したため(A)直接排出だけでなく、(B)電気・熱の使用に伴う間接
排出も計算対象にしていますが、
2)は国の総排出量を計算するためのものですので、電気・熱の使用に伴う
間接排出を電気事業者側で計算し、消費側での計算はダブルカウントになっ
てしまうとして、避けている模様です。

参考 第1部 排出量算定の枠組みの事業者間で生じるダブルカウントの項
(9ページ)
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/santeiho/guide/pdf1_4/mat_01d.pdf

平成14年度 温室効果ガス排出量算定方法検討会総括報告書最終ページ
[一般電気事業者](一号ロ)に関する排出係数について 
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/santeiho/kento/h1408/sokatsu_02.pdf
(算定方法検討会報告の電気の計算方針が出ています。
「全国の一般電気事業者が供給した電気を発電する際に一般電気事業者、卸
電気事業者及び卸供給事業者等の火力発電所から排出された二酸化炭素の量
を、全国の一般電気事業者が供給した電気の量(需要端)で除した、いわゆ
る全電源平均の排出係数として算出している。」

従いまして、電気・熱の使用に伴う間接排出も計算したい場合は前者を
利用したほうがいいと思います。

ところで
>1993年の電力原単位はおそらく大幅に悪化していると予想されます。
>(原発トラブルのために火力発電所の構成比率が高まったため

1993年の電力排出係数は公表されています。上記、平成14年度 温室効
果ガス排出量算定方法検討会総括報告書最終ページ[一般電気事業者]
(一号ロ)に関する排出係数についての中にあります。

大変失礼ながら、平井さんのご指摘は原発トラブルで原発の設備利用率が
59.7%に落ち込んでしまった2003年の間違いでは?もしそうだとすれば、
平井さんでも思い違いすることがあるのか〜と意外なような、ほっとする
ような・・。

回答に対するお礼・補足

ご丁寧なご回答有り難うございました。1)と2)の違いが明確に分かり、大変参考になりました。しかし、1)の方を使ったほうが良いとの事ですが、まだ試案の段階のようです。試案の物を使っても影響はないのでしょうか?

No.6070 【A-3】

Re:温室効果ガス排出量ガイドラインについて

2004-05-28 18:09:45 茨城県 / 平井

君山銀針さま

的確なフォローありがとうございます。

少しアルコールも入っており、別の回答を作成中に、自分が大学選びをしていたころ(1993年)は、インターネットで情報収集なんてできなかったよなー、と考えていて間違えました。(^^;)
普段は泥酔して記憶喪失になっても理路整然と話をするらしいのですが。。

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