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環境Q&A

木材自給率と木材貿易 

登録日: 2004年05月18日 最終回答日:2004年05月19日 環境行政 その他(環境行政)

No.5917 2004-05-18 02:43:57 aki

>日本は外材輸入の占める割合が多いと聞きますが、日本の木材自給率を高める為の国としての政策って在るのでしょうか?またそれを実行する上での課題があればどなたか教えてください。

少し見方を変えて・・・

木材自給率を向上させる為には貿易上の規制措置ってやはり必要だと思います。でも安い外材には太刀打ちできないのは明らかなので日本国内で木材生産を行なう必要は無いと言う考え方もあるかと思います。木材の貿易と関連させた場合、皆さんどう考えられますか?

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No.5932 【A-1】

Re:木材自給率と木材貿易

2004-05-18 18:32:20 森野力

>>日本は外材輸入の占める割合が多いと聞きますが、日本の木材自給率を高める為の国としての政策って在るのでしょうか?

木材自給率を高める各種の施策は林業白書に書かれています。
http://www.rinya.maff.go.jp/seisaku/sesakusyoukai/15hakusyo/mokuji.htm

「安い外材」と「高い国産材」という図式は、現在ではありません。
白書にもあるように、きちんと乾燥させた材の需要は多いのです。価格は高くても高品質
の木材が望まれるようになりました。また、以下のような措置が必要です。
・木材の価格、品質、性能等の情報を住宅生産者や消費者にきめ細かく提供する
・定時・定量に供給できる体制を整備する

貿易上の規制措置をとれば良いというものではありません。消費者は低価格を求めています。
木材についても、中国へ輸出するようになりましたから、規制しろとはいえません。

WTO新ラウンド交渉における林産物提案は、下記にあります
http://www.rinya.maff.go.jp/seisaku/sesakusyoukai/boueki/top.html

No.5940 【A-2】

Re:木材自給率と木材貿易

2004-05-19 14:22:55 東京都 / 自然児

 日本の木材自給率は2割程度だったかと思いますが、この自給率をどうするかと考える時には、木材の経済的視点だけでなく国土保全や環境保全の視点が重要だと思います。
 国土面積に占める人工林の割合は約25%、里山林などの二次林が18%です。自然林の伐採をしないとすれば、これらの人工林、里山林が日本の木材生産を担うことになりますが、ご承知のとおり、森林は木材生産ばかりでなく国土保全、水源涵養、環境保全など様々な公益的機能も持っています。国土面積の40%以上を占めるこれらの森林をどう維持していったらいいかは、木材生産量をどうするかより重要なのではないでしょうか。
 木材は適正に生産すれば持続可能な資源です。森林の持つ公益的機能を高め維持していく中で、つまり持続可能な範囲で木材の生産は行われるべきです。
 残念ながら、現在の日本では経済的にペイしないという理由などにより、森林の手入れはおろそかになり人工林や二次林は荒れつつあります。木材の生産量が落ちるばかりでなく、公益的機能も損なわれつつあります。
森林の持つ公益的機能にもっと着目し、人工林や二次林の維持管理にもっと税金を投入してもいいのではないでしょうか。そうすれば結果として、木材の自給率も上がると思います。



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