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環境Q&A

非イオン界面活性剤の定量下限について 

登録日: 2004年04月12日 最終回答日:2004年04月13日 水・土壌環境 その他(水・土壌環境)

No.5602 2004-04-12 01:14:48 つっち

始めまして!
昨年度末より非イオン界面活性剤の分析を担当しております。
ですが、定量下限付近(0.005mg/l)でのばらつきが非常に大きく満足のいく結果が得られないのです。
尚、固相カートリッジにはWatersのSep-Pak PS-2を使用し、通気乾燥も十分(30分程度)おこなっております。
当方の施設では他に分析経験のある者もおらず、どうしたものか思案に暮れています。
分析についてのノウハウをお持ちの方、ぜひアドバイスいただければ嬉しく思います。
漠然とした質問ですみません。。。

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No.5612 【A-1】

Re:ODSカートリッジと比色分析の活用を

2004-04-13 00:30:41 JPCCN関西 化情技セ

JPCCN関西 化学情報技術センターの井田です。

非イオン界面活性剤の分析といわれるのは、厳密には、ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤の分析のことを指すことが多いですが、一般に界面活性剤の測定を目的とする場合、"Like Dissolves Like"の原理から考えて、ODSカートリッジを利用するのが好ましいでしょう。PS(ポリスチレン)カートリッジは、芳香環を持つ農薬などの濃縮に最適ですが、界面活性剤の場合は、分析対象物質と同じように、長鎖アルキル基(オクタデシル基)をもつODSで濃縮を行うと、好成績が得られます。

また、ご質問のように、高い精度を要求する場合は、処理が大変でしょうが、濃縮倍率を一桁上げる(例:100倍濃縮を1000倍濃縮に変える)と、確実な分析が行えます。
分析手法は、界面活性剤の場合、クロマトグラフ分析(LC/MS、誘導体化HPLCなど)では、同族体ピークの読み取り誤差の累積による過小評価の原因になることが多くありますので、おすすめできません。古典的な方法といわれますが、結局はCTAS(コバルトチオシアネート活性物質)法が最も確実で納得のいく結果が得られます。

以上の方法は、2000年から2001年にかけて行われた、JPCCNの「北上川における合成界面活性剤の動態解析」プロジェクトで実際に採用された方法です(このときは、非イオン界面活性剤としてではなく、AESを含むポリオキシエチレン系界面活性剤総量(CTAS総量)として分析が行われました)。

ぜひ、上記の方法をお試しください。

技術に関する詳しいお問い合わせは、JPCCN関西 化学情報技術センターまで、直接お問い合わせください。

JPCCNホームページ http://www.jpccn.org/

No.5613 【A-2】

Re:溶出液についての補足

2004-04-13 00:44:09 JPCCN関西 化情技セ

JPCCN関西 化学情報技術センターの井田です。

ODSで濃縮した後の溶出に用いる溶剤についてですが、強く保持している可能性がありますので、エタノールをやや多めに用いて溶出するのが好ましいでしょう。(溶剤の極性が高すぎたり、逆にいきなりアセトンのような溶剤を用いたりすると、溶出ロスの原因となる可能性があります。)
エタノールでの溶出後、念のため酢酸エチルを通液し、溶出液に加えてもよいでしょう。

No.5617 【A-3】

Re:非イオン界面活性剤の定量下限について

2004-04-13 12:52:58 つっち

井田様、ご回答ありがとうございました。
そうですか・・・一度、ODSで試みてみます。
ところで申し遅れましたが、私は水道事業体で働いています。
つまり、今年度から始まった新基準に対応する形で非イオン界面活性剤を分析することになりました。
よって水道法に準拠した、固相抽出-吸光光度法で分析する必要があり、検水量を増やすことも出来ない状況なのです。

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