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環境Q&A

オーストラリアでの吸収源クレジットのゆくえ 

登録日: 2004年03月10日 最終回答日:2004年03月11日 地球環境 地球温暖化

No.5292 2004-03-10 20:46:41 eco

私は,企業が行う温暖化対策事業などについて調べているところです。

多くの日本企業は,税の優遇等の理由から,オーストラリアで植林事業を行っています。私の疑問は,オーストラリアが京都議定書を批准しない場合,これらのクレジットは何らかの方法で活用できるのでしょうか。

企業のPRのためや,コスモ石油さんのように個人に売却などは考えられますが,実際に企業が直接の収益になるような形で救済する方法は考えられますか? 例えば,NSW州などではクレジットの所有権について法で保護されていますが,その適用を受けたり。。または,NSW州のGHG取引市場で売却するなど,可能でしょうか。

オーストラリアが批准しないとわかってからも,大企業が投資を行っているのが不思議なのです。

何かヒントだけでも,ご存知のことをお教えください。
よろしくお願いします。

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No.5299 【A-1】

Re:オーストラリアでの吸収源クレジットのゆくえ

2004-03-11 17:15:53 民間担当

>オーストラリアが批准しないとわかってからも,大企業が投資を行っているのが不思議なのです。

少なくとも、製紙会社は1989年からオーストラリアで植林事業を開始していますから、オーストラリアが京都議定書から離脱するどころか、1997年に設定された「京都議定書」すら意識していませんでした。つまり、オアーストラリアの植林事業に最大の投資をしている製紙会社各社は、クレジットによるビジネスに主眼をおいておらず、安定的な「原料確保」という観点から投資をしているはずです。

中国の急激な発展の影響による石炭や石油の不足だけではなく、中国の紙需要も急激に増大しています。森林資源のない中国の紙需要の増大によって「古紙」価格が急騰し、その結果、ご存知のように、古紙の持ち去りが社会問題化し法整備までされるまでになっています。

COP3によるクレジットの国際取引ルールの行方が流動的な状況ではありますが、製紙会社はそれとは全く違った次元で、原料確保という観点から投資をしているはずです。ただ、その製紙会社と共同出資している企業は、数値目標で8%の枠を持っているオーストラリアでの吸収源クレジットに、期待感を持っている可能性は否定できませんね。アメリカの大統領選挙の結果によっては、アメリカが京都議定書を批准するかもしれず、そうなるとアメリカに追随して離脱したオーストラリアも批准するかもしれませんから・・・。(憶測です)

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございました。製紙会社の意図はよくわかりました。他業種の投資企業は,ただただ議定書の発効を待っているという状況なのですね。大変参考になりました。

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