石綿分析の実際について
登録日: 2025年12月07日 最終回答日:2026年01月12日 環境一般 調査/研究
No.42354 2025-12-07 20:47:13 ZWl1035d ピーカプ
こんにちは、近頃工作物石綿事前調査者を取得しました。講習の中で石綿分析に関しての疑問がありましたのでどなたか知識をご教示下さい。
@アスベスト分析マニュアルのJISA1481-1による定性分析において、石綿の含有の判定は『石綿繊維が1本でも検出された場合、0.1%を超えて石綿を含有しているとみなす』という認識でよろしいのでしょうか?
AJISA1481-1及びアスベスト分析マニュアルにおいて、どれぐらいの顕微鏡観察をすれば確実に石綿の判定ができるなどの基準が曖昧なように思えますが、それは不検出確定の手順に沿った分析をしていれば問題ない分析結果が出るということでしょうか?
BJISA1481-1は層別分析が基本とされていますが、JISA1481-2による定性分析は層を分けずに分析する方法だと認識しております。この場合それぞれの方法で結果に差異がでるかと思いますが、なぜわざわざ定性分析方法を2つ設けているのでしょうか。
(特定の層にのみ石綿が低濃度で含まれていても石綿を検出できるJISA1481-1の方が精度としてはよい?、JISA1481-2では他の層の建材により希釈されてしまう?)
講師の方とも話しましたが分析を経験しているわけではなく、回答に困っているようでした。
私自身も分析については疎く、解釈違いな質問をしているかもしれません。
教えていただければ幸いです。
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No.42359 【A-1】
Re:石綿分析の実際について
2025-12-25 10:43:55 一介の測定士 (ZWlea17
>@アスベスト分析マニュアルのJISA1481-1による定性分析において、石綿の含有の判定は『石綿繊維が1本でも検出された場合、0.1%を超えて石綿を含有しているとみなす』という認識でよろしいのでしょうか?
違います。JIS A 1481-1は定性分析なので、石綿繊維がある、ないの判定しかできません。0.1%を超えて含有して
いるかどうかを判断するにはJIS A 1481-3又はJIS A 1481-4になります。
>AJISA1481-1及びアスベスト分析マニュアルにおいて、どれぐらいの顕微鏡観察をすれば確実に石綿の判定ができるなどの基準が曖昧なように思えますが、それは不検出確定の手順に沿った分析をしていれば問題ない分析結果が出るということでしょうか?
あいまいにはなっていなかったように思いますが、JIS A 1481-1の分析手順に従って行えばいいのではないかとしか
私にはお答えできません。
>BJISA1481-1は層別分析が基本とされていますが、JISA1481-2による定性分析は層を分けずに分析する方法だと認識しております。この場合それぞれの方法で結果に差異がでるかと思いますが、なぜわざわざ定性分析方法を2つ設けているのでしょうか。
>(特定の層にのみ石綿が低濃度で含まれていても石綿を検出できるJISA1481-1の方が精度としてはよい?、JISA1481-2では他の層の建材により希釈されてしまう?)
ここらの話は私見も含むので、私の独り言として聞いてもらえればと思います(公式な見解ではない)。
元々JIS A 1481-2は昔から日本で行われていた方法で、JIS A 1481-1はISOからきた方法です。で、検出能力は
1481-1の方が高いです。というか1481-2はいくつか問題点を含む方法です。なので1481-1の方がいいのですが、
急に切り替えると色々と差しさわりがあるので、日本では両者併記になったと業界関係者の噂話で聞いたことが
あります。
これで回答になったでしょうか?
>講師の方とも話しましたが分析を経験しているわけではなく、回答に困っているようでした。
>私自身も分析については疎く、解釈違いな質問をしているかもしれません。
>教えていただければ幸いです。
No.42360 【A-2】
Re:石綿分析の実際について
2025-12-28 22:18:40 F4 (ZWl2d1d
マニュアルには「アスベストが同定された場合は、肉眼、実体顕微鏡、偏光顕微鏡による観察結果に基づきアスベストの質量分率を 0.1-5%, 5-50%, 50-100%の 3 段階で推定する。分析の際にアスベスト繊維が 1,2 本のみ検出され、意図しない混入の可能性がある場合は、これらの 3 段階以外に「検出」という表現を使用することができる。」と書かれています。石綿繊維が1本検出された程度では非意図的な混入と考えられるため(意図的に入れたものであればもっとたくさん出る)、通常は「検出」の表現になるように思われます。もちろん「0.1-5%」の表現も可能ですが、「0.1%を本当に超えるかどうか」は定量分性をしないと分かりません。(定性分析とはそういうものです。)
> AJISA1481-1及びアスベスト分析マニュアルにおいて、どれぐらいの顕微鏡観察をすれば確実に石綿の判定ができるなどの基準が曖昧なように思えますが、それは不検出確定の手順に沿った分析をしていれば問題ない分析結果が出るということでしょうか?
マニュアルにも書かれている通り「本マニュアルでは、これら基本操作や基礎知識等の記載は省略しており、そうした操作・知識等を習得した分析調査者が参照することを前提として記載している。」ので、適切に分析を行うための操作、知識等は習得(あるいは習熟)いただくしかありません。
> BJISA1481-1は層別分析が基本とされていますが、JISA1481-2による定性分析は層を分けずに分析する方法だと認識しております。この場合それぞれの方法で結果に差異がでるかと思いますが、なぜわざわざ定性分析方法を2つ設けているのでしょうか。
2つ設けいている意図はよく分かりませんが、定性分析はあるか/ないかの判定ですので、両者で差異が出るようには思われません。(繰り返しになりますが、定性分析とはそういうものです。) また、現実的な話として、X線回折の機械は10百万円以上しますが、偏光顕微鏡であれば1百万円前後で済みます。
No.42363 【A-3】
Re:石綿分析の実際について
2026-01-12 09:32:37 一介の測定士 (ZWlea17
分析方法が異なった場合、分析結果が同じになるとは限りません。また、JISの方法も問題点がある場合もあります。
という原則的な話はともかくとして、JIS A 1481-2の問題点の内、最も問題だと思われる点を書きます。
JIS A 1481-2の定性方法はX線回折です。しかしながらアスベストがアスベストとして問題となるのは、アスベストの
あの針状形状にあります。ところがJIS A 1481-2ではアスベスト形状を直接確認していません。
ここがJIS A 1481-2の問題となる点です。
この、アスベストを直接確認していない点から、いくつか問題点が出てきますが、その中でも典型的な問題として
JIS A 1481-2では、へき開粒子かアスベスト形状かの区別が付きません。
よって、アスベストと同じ組成でへき開粒子の鉱物を、アスベストと誤認してしまいます。
それから、JIS A 1481-2の分析方法では、逆にアスベストを見逃してしまいやすい点も指摘されています。
JIS A 1481-1とJIS A 1481-2のどちらの分析方法を選択するかは、どういう観点で選択するかで変わってくるかと思いますが、
私は、JIS A 1481-1をお勧めします。
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