酸分解時の過塩素酸添加の影響について
登録日: 2021年10月26日 最終回答日:0000年00月00日 健康・化学物質 その他(健康・化学物質)
No.41905 2021-10-26 10:20:14 ZWlff4c MS子
硝酸+過塩素酸で植物の粉末を酸分解しました。
液のK濃度をICP-OESとICP-MSで測定したところ、
ICP-OESでの測定値がICP-MS測定値の約半分になりました。
検量線用試料は硝酸のみで作製しました。
検量線用試料に過塩素酸を入れなくてもMSでのK測定値には影響せず、
OESでのK測定値にのみ影響したことになります。
(2020年4月7日に登録されたyuuki様のご質問文面内で、
過塩素酸入りの液のNa,KのICP-AES測定値が低めに出た とあるので、
ICP-OESでの測定値は低めなのだと判断しています。)
その原因について、以下の2点が関係していると考えています。
・ICP-OESとICP-MSでの検出・測定原理の違い
・アルカリ元素の性質
具体的には、以下のように推測しています。
・K(やNa)のようなイオン化エネルギーの小さな元素はプラズマ中で99%以上イオン化すると言われており、
ICP-OESではイオン線ではなく微量な中性子線で検出・定量している。
・OES測定では微量にしか含まれていない中性原子線の寄与が大きく、
過塩素酸の存在によりイオン化率がわずかに変化しただけでも影響が出た。
・一方、MSの場合はイオンをメインで測るため、イオン化干渉で中性原子の比率が多少増えてもほとんど影響しなかった。
もしこの推測が妥当なら、アルカリ金属以外のOES測定値には過塩素酸の影響は小さいのではないかと思います。
ご経験や情報をお持ちの方に、以下のことを伺いたいと思います。
1.過塩素酸の無機元素分析測定値への影響についての文献。
2. 未知試料にのみ過塩素酸が含まれていることにより、KやNaのOES測定値はどのくらい低くなったのか。
↑過塩素酸添加量により低下の程度が異なるのか気になっています。
3. KやNa以外の元素のOES測定値に、過塩素酸の影響はあったのか。
どうぞよろしくお願いいたします。