アスベスト含有建材への加工が些少である場合の扱い
登録日: 2017年03月10日 最終回答日:2017年03月24日 環境行政 その他(環境行政)
No.40733 2017-03-10 13:34:47 ZWlf65d moto
長文失礼します。
既存建物の石綿含有建材を対象とした修繕や加工を行う際は、大防法や石綿則の規定により、各種届出及び飛散防止措置が必要になるわけですが、大防法にも石綿則にも規模による除外基準が無いことに違和感を感じています。
例えば「加工の面積が0.1平方メートル以下の場合を除く」みたいな一言があれば、床プラスチックタイル1枚の修繕程度であれば手続き無しで可能になるのになぁ、と思います。
ここまでは無い物ねだりの愚痴ですが、違和感の理由は次の疑問です。
含有の有無を調べるとき、竣工年代や材料の型番等で不明の場合は試料採取分析が必要です。
試料採取の際は、JISA1481-2や厚労省のアスベスト分析マニュアルにあるように10立方センチとか100平方センチのサイズで試料を取ります。
その際、湿潤化、保護具の使用等は求められるものの、レベル1の可能性があるバーミキュライト等であっても負圧化隔離養生までは求められていません。(私が読み込んだ範囲では。)
そうするとどういうことが起こるかというと。
(1)バーミキュライト仕上げの天井にペンダント型照明器具を1灯設置したい。
(2)石綿含有の有無が不明なので試料採取分析を依頼。
(3)100平方センチの試料を採取。分析の結果含有あり。
(4)照明設置に際して、電源線用の開孔と器具のビス止めが必要。加工面積は合わせて2平方センチ程度。
(5)レベル1建材への加工になるので、事前届出の上、負圧化隔離養生等を措置して施工。
すなわち(3)では100平方センチ開孔で隔離養生不要、(5)では2平方センチ開孔で隔離養生必要。
目的が違うとは言え、制度上の矛盾ではないかとの疑問を感じます。
多分世間では(4)程度の工事は手続きも飛散防止措置も無しで行われる例が多く、行政サイドもそこまではチェックしない(できない)実態があるのだろうとは思います。
しかしできることなら後ろ暗い思い無しにすっきりと施工したいと思う次第です。
さて、やっと本題の質問ですが、
実務における労基署の指導において、石綿含有建材への修繕や改修の規模や面積が些少であることを理由に手続きや飛散防止措置の全部または一部を免除する運用を経験された方はいらっしゃいますでしょうか。
もしいらっしゃいましたら具体的内容や条件をご教示いただければ嬉しいです。
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No.40743 【A-1】
Re:アスベスト含有建材への加工が些少である場合の扱い
2017-03-20 19:47:48 火鼠 (ZWlf20
私、法律の専門家ではないのでこまかい事はわかりませんが、石綿は、大気汚染防止法では、特定粉じんとして、規定されておりますが、環境基準しかないでしょ?公害防止法って、企業の規模で規制がかかっていて、数値ありますよね?環境基準を超えたから、云々って企業ありますか??
また、安衛法でも、こうせいあ〜せいは、あっても、罰則までつながらないのでは? なんか??中途半端な法律になってるのでは。
回答に対するお礼・補足
火鼠さま
書き込みありがとうございます。
私もレベル1〜3区分の揺れ動きは気になっています。
扱いが自治体によって異なるのは何とかしてほしいものです。
厚労省(労基署)と環境省と国交省とで共通の運用基準を定めてくれれば良いのにと思います。
No.40750 【A-2】
Re:アスベスト含有建材への加工が些少である場合の扱い
2017-03-23 14:48:49 まるに (ZWl992c
確かに、以前は「特定粉じん排出等作業」には規模要件の規定がありましたが、法改正で、規模要件が撤廃されました。
「特定粉じん排出等作業」とは、法§2-12で『「特定建築材料」が使用されている建築物その他の工作物を「解体・改造・捕修する作業」で政令で定めるもの』とされています。
また、同法政令§3の3で「特定建築材料」を、§3の4で「解体・改造・捕修する作業」を規定しています。
要は、石綿であるか否かの試料を採取する作業は、政令§3の4に該当しないということです。面積が小さいからといって例外は無いので、ビスをあける程度工事が「解体・改造・捕集する作業」に当たるか否かを検討し、(作業基準並みの)適切な飛散防止対策を定めて行政に相談するほうが現実的な対応かもしれません。
回答に対するお礼・補足
まるにさま
新参者なもので、大防法で規模要件が撤廃された経緯があったとは知りませんでした。
情報をありがとうございました。
石綿工場のように継続的に石綿を飛散させる施設とは異なり、単発の工事でしかも作業対象がわずかの場合は、健康に影響を与えるほどの飛散量が無いことは明らかと思えるので、規模要件が残っていても問題は無いでしょうに、残念です。
(実際に石綿含有建材への小規模な加工を行い気中濃度を測定する実験をいくつかしてみましたが、結果はいずれも定量下限値未満ないしは10本/L未満でした。)
また、最近いくつかの自治体と労基署でアスベスト建材への加工について相談した際、ビス穴程度でも「お構いなし」とは言ってもらえなかったので、今回の質問に至った次第です。
ばか正直に相談に行かなければよかったかもと思いつつ、何とか正面突破できないかなと考え続けています。
健康被害を防止することが目的の法体系において、明らかに閾値以下と思われる事象まで制限するのは、無意味であるだけではなく有害ですらあるというのが私の感想です。
No.40752 【A-3】
Re:アスベスト含有建材への加工が些少である場合の扱い
2017-03-24 10:36:46 まるに (ZWl992c
法の執行を行う自治体や労基署の判断との整合は難しいところですね。
アスベストは、従来の閾値のある物質(SOx,NOx等)の考え方から、リスク(マイナス5乗リスク等)といった考えを導入した転機となる物質でもあります。そのような物質についての、規制のあり方・考え方に、未熟な部分があることも十分理解すべきだと思いますね。
今後とも、よろしくお願いします。
回答に対するお礼・補足
まるにさま
コメントありがとうございます。
おっしゃる趣旨、よくわかります。
私が「明らかに閾値以下」と言っているのもあくまでも私個人の主張であって、学術的にアスベストの閾値の存在が認められているわけではありませんから。
しばしば言われるところの「リスクが無いとは言えない」というやつですよね。
望むらくはリスクの定量的評価が法律に盛り込まれてほしいものです。
法律を作る人たちは、リスクを最小限に抑える(=規制を最大限に設定する)ことで責任を果たした体裁なのでしょう。
しかし、運用で法律を順守した結果、ごくごく小さいリスクを回避するために別の無視できない不利益を被ることになるのはつらいです。
例えばひる石天井にネジ釘1本打つのに、14日前届出の上で負圧化隔離養生及びろ過集じん装置を設置しないと大防法と石綿則違反になるなんて、書いていてもバカバカしくなってきます。
もっと実務経験を積んで、行政や労基署との相談に際して妥当な落としどころを探れるようになりたいと思います。
今後ともどうかよろしくお願いいたします。
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