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JIS A1481-2でアスベスト含有=0.1%超と判断できる根拠 

登録日: 2014年04月09日 最終回答日:2014年07月08日 健康・化学物質 その他(健康・化学物質)

No.39678 2014-04-09 19:49:07 ZWlf06 匿名

建材中のアスベスト分析法であるJIS A1481が廃止され、新たにA1481-1,-2,-3が制定されました。

新たに制定されたA1481-2の冒頭には、A1481-2で「アスベスト含有」と判定された場合は、そのまま「含有率が0.1%を超える」と判断できる旨の記載(フローチャート)があるのですが、その根拠を教えていただけないでしょうか。
常識的には、定性分析では濃度に関する情報は得られないと思います。また、基安化発0331第3号「建材中の石綿含有率の分析方法等に係る留意事項について」の5(1)には、A1481-2で「アスベスト含有」と判定されたにもかかわらず「0.1%未満」と判断される場合がある旨の記載があり、ますます混乱してしまいます。

設備が整い技術的に確立できるまでは、定性分析はA1481-2に拠らざるをえず、困っております。
どうぞよろしくおねがいします。

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No.39681 【A-1】

Re:JIS A1481-2でアスベスト含有=0.1%超と判断できる根拠

2014-04-11 13:27:33 今は分析と開発屋 (ZWle41e

 親会社に派遣される以前は環境測定会社でアスベスト分析をしていましたので…。

 改正されたJIS A1481-2は、改正前のJIS A1481をほぼ踏襲していますね。以前は位相差顕微鏡とX線回折による定性定量分析でしたが、ISO 22262-1と-2で偏光顕微鏡と電子顕微鏡による定性定量法が採用されましたので、それに則っての改正で「定性分析」のみになったと考えられます。
 仰るとおり、定性分析では「0.1%」超という判断はできないのですが、「0.1%を超えたものはアスベスト含有製品とする」という解釈が以前からあるので、それがまあ、そのまま踏襲されていると考えられます。

 基安化発が言っているのは、以前のJISの判定基準が、「定性で『あり』でも、定量で『0.1未満』という判定になることがある」だったので、それをそのまま言っているということでしょう。

 それで思い出したのですが、ISO委員の神山先生が「ISO22262-3でX線回折法による定量分析」を提案していたのですが、どうなったんでしょうね。

回答に対するお礼・補足

レスポンスどうもありがとうございます。
法的には「0.1%を超えたものがアスベスト含有製品」という点は理解しています。
それ(0.1%を超えているかどうか)を判定する方法としてJIS法があり、A1481では「定量分析」によって判定していました。
それが、今回の改定では「定性分析でアスベスト含有=含有率0.1%以上」と判断できると書いてあるのです。おかしいですよね?基安化にかいてある「定性で『あり』でも定量で『0.1%未満』という判定になることがある」という一文とも矛盾しますし。

> ISO委員の神山先生が「ISO22262-3でX線回折法による定量分析」を提案
これはダメでしょうね・・・。顛末は知りませんが。

No.39682 【A-2】

Re:JIS A1481-2でアスベスト含有=0.1%超と判断できる根拠

2014-04-13 10:45:47 東京都 / こん (ZWl144

 門外漢ですみませんが。定性分析にも検出限界はありますのでそれによっていると思います。
A1481-1 の方にその辺が少し書いてあるように思いますが、厳密なものでのは無いので 0.1 と言う数字が必要なら定量とのこと。
 既に確立された周知のものか、参考文献にあるかいずれか。(また、A1481-1で検出でも未満のことがあるとあります)

回答に対するお礼・補足

レスポンスありがとうございます。
> 定性分析にも検出限界はあります
その通りだと思います。
A1481-1は、検出下限値が0.1%を十分下回る旨の記載がありますね。理論的な記述もあり、十分納得できます。ですので、A1481-1で「アスベスト含有」と判定された検体であっても、「定量の結果含有率が0.1%未満となる場合がある」ことは理解できますし、当然です。

今回の質問はA1481-2に関するものです。
A1481-2の冒頭(図1)には、「A1481-2による定性分析でアスベスト含有」と判定された検体は、「その含有率が0.1%を超えていると判断できる」との記載があるのです。
A1481-2の前進である、改定前のA1481の「定性分析」には、そのような記載はありませんでしたし、厚労省の通達にも「0.1%の判断は"定量分析"で実施する」と書かれていました。
今回の改定で、方法論的な変更はほとんど無いにも関わらず、定性分析だけで0.1%を超えるか否かの判断をできるようになった根拠をご存知なら教えて頂きたいのです。
参考文献をご存知なら是非ご紹介ください。

No.39684 【A-3】

Re:JIS A1481-2でアスベスト含有=0.1%超と判断できる根拠

2014-04-14 13:03:38 今は分析と開発屋 (ZWle41e

 この問題ですが、日本作業環境測定協会に質問しては如何ですか?
 JIS法を作成したのは今まではここでしたから。それとも質問した結果ここに投稿したということですか?

 JIS法の変わり目は結構大変だと思います。新法に対応しきれていないのに依頼する方は「新法でお願いします」と依頼しますから。思い出すのが2006年にJIS法が制定された時が大変でしたね。「1%を超える」だったのが「0.1%を超える」に変わったので1%以下で出していた結果の再調査が多かったことを覚えていますね。

 アスベスト分析に関してはいつも問題になりますね。大体「アスベスト」に分類される物質が6種類から8種類に増えたのに、「顕微鏡」だけで判断しろというのは無茶だと考えていますけどね。

 検出下限についてですが、3000粒子中4繊維以上ということで「0.1%を超える」にしていたと思いましたが、これだって結構大変な数字なんですがね。これ以上下限が下がったらどうするんでしょうね。

回答に対するお礼・補足

問い合わせ先として日本作業環境測定協会が適当かどうかはわかりませんが、どうしても解決しなければ、JISの製作者に質問するしかないですね。
製作者に質問するとなると、素性を明かして正面切って聞かざるをえません。その場合、「○○に✕✕と書いてあるじゃないですか。今までどうやってたんですか?」みたいになると恥ずかしいので、匿名でこの場で聞いています。そういう心境をご理解いただけますと幸いです。

> 3000粒子中4繊維以上
今は分析と開発屋さんなら重々承知のことと思いますが、基準値の"0.1%"は重量濃度ですからね・・。それに、有機物の建材に至っては、灰化してから顕鏡することになってますし・・・。

No.39687 【A-4】

かなり昔の話ですが…

2014-04-15 14:05:52 今は分析と開発屋 (ZWle41e

 2006年にJIS A1481が制定された時は「アスベストの含有の有無の基準は0.1重量%である」の記述はありませんでした。それは「0.1重量%」が基安化発で制定されたのが後だったからです。そこからあなたが疑問に思っていることが始まっています。

 今回の改正で、X線回折法と分散染色法で定性分析を行って判断しています。含有の有無の判断基準は2006年制定時から変わっていません。2006年は「0.1重量%」の数値は入っていませんでした。基安化発で「0.1重量%」の文言があるのでそういう「決まり」になっていました。2008年改正の時は前文で、「この方法はアスベストの含有の有無の基準である0.1重量%を判別するのに十分な条件を満たしている」という様な文章がありましたが、本文ではやはり記述がありませんでした。ですが、今回は「0.1重量%」の数値が入りました。誰かが入れようという判断をしたと私個人は考えます。
 今までのJIS制定には日本作業環境測定協会が携わってきましたので、そこに聞いてみるのが早いと考えます。「どうして今回こういう表記になったのですか?」という質問で大丈夫だと思いますが。

 余談ですが、なぜ「0.1重量%」に「国」がこだわっているか(制定時には「0.1重量%」の判断は難しいということでもう少し基準を上げてもらえないかと制定委員はお願いしたそうですが、押し切られたそうです)、それはWHOとかILOとかで「0.1重量%」が健康上の問題を起こすか否かの判断になるという基準が出されたので、それに対応してくれという理由からだと思います。

 もう一つ余談ですが、ISO22262-1と-2のもとになったアメリカのEPA法ですが、観察される繊維数に係数を掛けると重量に換算されるというのですが、顕微鏡で観察された繊維数がそのまま存在量となるのかという疑問はあります。

 疑問の答えになっていなくて申し訳ありません。宜しくお願い致します。

回答に対するお礼・補足

どうもありがとうございます。

私の今回の質問の根底には、JIS法の定性分析における「石綿含有」と石綿予防則における「石綿を0.1%を超えて含有するものを石綿等とする」が混同されているのではないか?という疑念があります。

改定前のA1481は、定性にて石綿含有の有無(有の場合は石綿の種類)を判定し、定量にてその含有率を決定するものでした。
定量の結果(含有率)次第で石綿予防則における"石綿等"に該当し、その規制対象となります。ご指摘のとおり、当初は1%だったのが後に0.1%に引き下げられましたが、A1481は石綿の含有率を決定するための分析手法であり、規制値を決めている石綿予防則とは本来無関係です。
にも関わらず、改定の度にJISの本文に石綿予防則を意識したような記述が増え、ついに今回の改定によって定性分析だけで石綿予防則における"石綿等"に該当するか否かを判定できる、と書かれてしまいました。
おかしくないですか?という疑問なのです。
今回の記述(定性で「あり」=[0.1%以上」と判断できる)が成立するためには、定性の検出下限値がちょうど0.1%である必要があります。もしそうなら、その根拠が知りたいのです。

もうしばらく詳しい方のご意見をお教えいただけることを期待し、作業環境測定協会に問い合わせるのは先送りにしたいと思います。

No.39690 【A-5】

Re:JIS A1481-2でアスベスト含有=0.1%超と判断できる根拠

2014-04-16 02:10:07 火鼠 (ZWl8329

だって、じゃもん石質の材料なら、X線でその近辺にピークが出るのは当たり前でしょ?
それより、クリソタイルは、他の石綿と極性が違うから、粒子を集めて隠れてしまう。
基本的には、今回の改正は、アメリカの規格だか、わからんがクロスチェックしたら、ぼろ負けだったから、一部改訂でお茶を濁そうとしてるだけでしょ?
中身は、薄いですよ。0.1の根拠なんてないのでは?
では、日側協で出したバーミキュライトのクリソタイル0.8%含有の標準 これと比べてピークが小さければ、0.1%未満でしたよね?
おかしくありませんか?0.8%と比べて0.1%未満なんて
0.1%が決まった頃はEUの輸出入規制が厳しかったのでなったのでは?

No.39691 【A-6】

Re:JIS A1481-2でアスベスト含有=0.1%超と判断できる根拠

2014-04-16 13:34:05 今は分析と開発屋 (ZWle41e

 火鼠さんの仰るように、「根拠」と言えるものはないでしょうね。バーミキュライトの標準にしてもクリソタイル0.8%とトレモライト0.5%でこれよりピーク強度が低ければ「0.1%以下」になるのですからね。

 石綿予防則と混同していると仰っていましたが、それは作成委員に聞いてみなければ分かりません。

 ですが、「アスベスト含有物として取り扱う」という判断は(検出下限値ではないですよ)、「顕微鏡観察で3000粒子中4繊維以上」=「0.1%超」と「見なして」います。あくまでもこれが現状です。質問しても、あなたが納得するような答えは得られないと思いますよ。

 まあ、ISO 22262 にしても顕微鏡だけで「定性定量分析」をやる方法なので、定性はともかく定量は難しい(できないと言いたいけれど断定はできないのが科学なので)と考えますよ。

 実際ISO 22262 のもとになったアメリカのEPA法の場合、電子顕微鏡まで使用することは無く、偏光顕微鏡で分散色を示したら繊維数を「数えない」場合もあるという所もあるという噂を聞きましたからね、以前に。

回答に対するお礼・補足

火鼠様、今は分析と開発屋様

どうもありがとうございます。

> 「アスベスト含有物として取り扱う」という判断は、「顕微鏡観察で3000粒子中4繊維以上」=「0.1%超」と「見なして」います。あくまでもこれが現状です。

JIS法による分析の留意事項を規定している通達(H26年3月31日付 基安化発0331第2号)の5項目にはA1481-2で「アスベスト含有」と判定された場合でも「含有率0.1%未満」と判断される場合があることが記載されています。また6項には、
・石綿が0.1%を超えて含有するか否かを判断する定量分析はJIS A 1481-3で行う必要があること、
・事業者が、石綿が0.1%を超えて含有しているものとして必要な措置を講ずるのであれば定量分析は不要であること、
といった説明があります。これらと同様の記述は、A1481制定当時の通達(基安化発第0821001号:H26.3.31廃止)にも書かれていました。従って、国の見解は「定性で"アスベスト含有"であっても"0.1%超過"とは限らない」というものです。
それ以外の解釈がある、ということなのでしょうか。
あるとすれば、やはりその根拠が知りたいです(元の質問にもどってしまいます)。

仮に「顕微鏡観察で3000粒子中4繊維以上」=「0.1%超」という考え方を認めたとすると、灰化して重量が(例えば)10分の1になった有機性建材を3000粒子顕鏡して4繊維以上みつかるのと、そのまま顕鏡する建材試料で4繊維以上見つかるのが等しく「0.1%超」というのは、常識的に考えられないのですが・・・。

No.39693 【A-7】

JIS A1481-2 を読み直すと…

2014-04-17 12:09:39 今は分析と開発屋 (ZWle41e

 フローチャートや巻末にある報告書の「例」を読むと、そこには「0.1重量%を超えて」という記述はありますが、本文にはその記述はありませんね。しかもフローチャートは「参考までに」という記述があります。

 この表現からすると、JIS A1481-2 では「含有あり=0.1重量%超」と明言していませんね。同じように JIS A1481-1 でも本文では「含有あり=0.1重量%超」とは言っていません。報告書の「例」とフローチャートだけです。
 要するに、JIS A1481 は「アスベストの含有の有無を検査する方法」を記載しているだけで、「含有あり=0.1重量%超」を規定してはいません。

 「含有あり=0.1重量%超」というのは別の法律で規定されていることであり、あくまでもJIS法では検出下限値とか定量下限値に具体的な数値は出ていません。まあ、以前からそうでしたけどね。

 しかも、他の法律では「0.1重量%を超えたらアスベスト含有物として扱う」であって、検出下限値が0.1重量%であるという事ではないですね。

 でも、「紛らわしい表現をするな!!」という文句は言っていいような文章の書き方ですね。実際文句を言ってみればいかがですか?

回答に対するお礼・補足

そうなんです。図1さえなければ何の問題もないのです。
図1さえなければ「分析法はJIS/その結果の解釈は厚労省」という本来の姿になるのです。
火鼠さんご指摘のバーミキュライトも、図1がなければ、JISでは「0.8%と比較して、ピークが小さいものは"石綿含有なし"とする」という定性分析法を規定し、厚労省が「JISで"石綿含有なし"となったものは"0.1%未満とみなす"」という解釈を規定する、という理解しやすい関係になるのです。A1481:2008まではそうだったんです。
ですが、今回の改定で図1が入ったため「0.8%と比較して、ピークが小さいものは0.1%未満とみなす」といった訳のわからない分析法になってしまうのです。
石綿予防則を知らずにA1481-2を使おうとする人がいたら、かなり混乱するでしょうね。

> 実際文句を言ってみればいかがですか?

文句を言うつもりはなかったのですが、やはりおかしいですよね?

No.39698 【A-8】

Re:JIS A1481-2でアスベスト含有=0.1%超と判断できる根拠

2014-04-18 12:19:30 今は分析と開発屋 (ZWle41e

 フローチャートが出てくる前の文章で「参考までに」と書いてあります、混乱する表現ですけれど。

 繰り返しますが JIS法では「アスベスト含有=0.1%超」とは言っていません。「フローチャートは無いもの」として考えた方がいいですね。あなたも仰っておられる様に、「分析法はJIS/その結果の解釈は厚労省」の判断で構わないと思いますよ。

 多分他も同じような疑問を持っていて実際質問しているんじゃないですか?
 実際検査するのに混乱するだけですから。

回答に対するお礼・補足

どうもありがとうございました。

個人的にはフローチャートは無いものと考えたいのですが、「参考までに」とは言いながらもJIS本体に綴じられた図ですから無視はできないです。
「アスベスト含有」という検査結果を出して、顧客から「"JISには0.1%以上と判断できる"と書いてあるから、0.1%以上なんですね?」と問われたら、なんと答えればいいのでしょう。
「いや、JISにはこう書いてあるけれども、実際には0.1%以上かどうかわからないんです」と答えても、説得力ないです。

ただ、今は分析と開発屋さんのお考えはよくわかりました(自分と一致していたのも、安心材料になりました)。
あとは、0.1%の根拠となるものがある可能性があるかないか、もう少しだけ待って締め切ろうと思います。
どうもありがとうございました。

No.39796 【A-9】

追伸

2014-07-08 21:59:10 匿名 (ZWlf06

質問者です。
建材試験センターに問い合わせたところ、
・A 1481-2の判定基準は米国における判定方法に基づき規定していること、
・米国では、400粒子中アスベスト繊維が4本未満の場合にアスベスト含有率1重量%以下としていること、
・これに基づくと、3000粒子中4繊維以上で0.1重量%超と判断できること、
といった回答でした。
ただし、「米国の方法」というのが一体何であるのかは回答いただけませんでした。
ちなみに、米国の方法というと「EPA/600/R-93/116」だろうと思うのですが、本文にあたっても「400粒子中アスベスト繊維が4本未満で1重量%未満」といった記述はありませんでした。逆に、偏光顕微鏡による定量分析を扱った2.2.5.2.2節の最後尾には「試料成分の比重や体積がわからなければ、重量濃度は求め得ない」とあります。当然ですよね・・・。
この点も含めた追加の質問には回答をもらえていませんが、図1を審議事項にするとの連絡はいただきました。
依頼者に対してどう説明すれば良いのか、頭を抱えています。

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