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環境Q&A

Asの前処理について。JIS K0102.61.2 

登録日: 2013年09月26日 最終回答日:2013年10月31日 水・土壌環境 水質汚濁

No.39413 2013-09-26 23:57:40 ZWlee11 匿名

JIS K0102.61.2 原子吸光光度法水素化物発生装置によるAsの分析の前処理において2点質問があります。

@ 酸化処理のため過マンガン酸カリウムを使用しますが、検体によっては一瞬で色が消えていくら添加しても赤色を呈さないものがあります。このような検体の処理はどのようにしたらよいでしょうか。

A 海水などの塩化物の多いサンプルでは酸が追い出される前に塩が析出して乾固したような状態になります。このような検体にはどう対応すればよいでしょうか。

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No.39422 【A-1】

Re:Asの前処理について。JIS K0102.61.2

2013-10-05 07:50:02 たそがれ (ZWla61d

分析関係の回答者が本当に激減してしまいました。残念なことです。
完全ではありませんが私が解答します。

>@ 酸化処理のため過マンガン酸カリウムを使用しますが、検体によっては一瞬で色が消えていくら添加しても赤色を呈さないものがあります。このような検体の処理はどのようにしたらよいでしょうか。

還元性物質も考えられますがその多くは有機物が原因だと思われます。このまま過マンガン酸カリウムの添加を続けていくと二酸化マンガンの沈殿が生成してよろしくないことになるはずです。
JISの注)に「有機物が多い場合は硫酸、硝酸、過塩素酸分解してもよい」とありますが、この方法を例外ととらえないでください。汚泥、下水の原水等は大体、この方法を適用する必要があります。

>A 海水などの塩化物の多いサンプルでは酸が追い出される前に塩が析出して乾固したような状態になります。このような検体にはどう対応すればよいでしょうか。

定量下限の設定を含め、どのくらいの量を濃縮しているのかが不明ですが、乾固しているように見えても硫酸が入っていれば意外とウエットの場合があります。完全に乾固したらヒ素は揮散のリスクがありますので一度、添加回収試験をしてみたらよいでしょう。
コリジョン・リアクションモードの付加したICP-MSで分析する方法もありますが環境レベルだと通常、1μg/Lを求める必要があります。海水は10倍程度希釈しないと機器にかけられないので0.1μg/Lを求める必要があり、ちょっと厳しいです。

No.39438 【A-2】

Re:Asの前処理について。JIS K0102.61.2

2013-10-20 01:06:04 もうふ (ZWlee31

Aについてですが、JISには載っていませんが、ケルダールフラスコを
使ってみるとよいと思います。

マトリクスが多い検体が、濃縮されて、突沸しやすくなっても
ロスを減少させることができます。

No.39461 【A-3】

Re:Asの前処理について。JIS K0102.61.2

2013-10-31 19:27:29 メタル (ZWl243

>JIS K0102.61.2 原子吸光光度法水素化物発生装置によるAsの分析の前処理において2点質問があります。
>
>@ 酸化処理のため過マンガン酸カリウムを使用しますが、検体によっては一瞬で色が消えていくら添加しても赤色を呈さないものがあります。このような検体の処理はどのようにしたらよいでしょうか。
>
>A 海水などの塩化物の多いサンプルでは酸が追い出される前に塩が析出して乾固したような状態になります。このような検体にはどう対応すればよいでしょうか。

@の場合は過塩素酸、硝酸、硫酸を加えた処理を行ないます。
ただし、客先が求める定量下限値と装置の定量下限値が満足するなら可能な限り希釈して(検水量を減らして)前処理します。



Aの場合は海水ならば基本的に有機物が少ない試料を想定して述べますが、JIS K0102(2013)の注意4に記載された方法で前処理します。今回の改訂でアスコルビン酸の添加が加えられました。今までの経験でしかありませんが、この方法で、水素化物発生装原子吸光とICP発光法で試したところ遜色無い結果が得られておりますし、外部が主催した、高塩類中の重金属分析のZスコアも満足する結果が得られております。注意すべき点として、試薬を添加したあとの静置時間は守ってください。
参考となれば幸いです。

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