一般財団法人環境イノベーション情報機構

ヘルプ

サイトマップ

メールマガジン配信中

環境Q&A

環境方針の制定・見直しについて 

登録日: 2012年02月07日 最終回答日:2012年02月15日 エコビジネス 環境マネジメント

No.38025 2012-02-07 12:46:49 ZWle519 花さん

 ISO14001の認証取得企業です。組織の見直しに伴い会長・社長体制に移行しました。会長は、要職を離れ、経営の実質トップは、社長となります。「環境方針」は、会長が社長時代に制定したものです。新社長は、業務多忙を理由に(ISO14001にあまり熱心ではありません)代表権のある役員(専務・常務)に環境方針を制定するよう指示しています。ISOの体制は、現状トップに社長と代表権のある役員1名をおいて推進しています。
 こうした状況において代表権のある役員が「環境方針」を制定する場合にどのようなことに留意したらいいのか教えてください。
 「環境方針」の定期見直しは、マネジメントレビューに合わせて実施しております。
 よろしくお願いします。

総件数 5 件  page 1/1   

No.38028 【A-1】

Re:環境方針の制定・見直しについて

2012-02-07 20:37:16 ぶらっくたいがぁ (ZWlc74f

新社長は、就任にあたって当然のことながら経営方針(そういう名称でなくても自身のビジョン)を表明されているでしょうから、それを「環境方針」と見なせばいいのではないでしょうか。
社長が「環境方針」など不要とお考えになっているのですから、それをわざわざ制定する必要などないでしょう。仮に制定したところで、社長の想いがこもっていないものなどお飾りにしかならず、何の役にも立たないと思います。

ちなみに、当社はISO9001とISO14001の両方を認証取得していますが、経営方針があるだけです。以前は、品質方針と環境方針が別にありましたが、廃止しました。
そして、経営方針には「法令遵守」も「継続的改善」も書いてありません。方針とはトップのビジョンや方向性を示すものであり、「法令遵守」や「継続的改善」といった当たり前のことなど書く必要はないという考え方からです。
そして、経営方針に基づいて事業目標計画が練られているわけですが、これを品質目標(あるいは環境目的・環境目標)及びその実施計画と見なしています。要するに、当社には「ISOのルール」とか「ISOの体制」というものがなく、実業があるだけです。

それでは審査に通らないではないかと不安に思われるのなら、審査のためだけの環境方針を適当に作るしかありません。少しググれば、お手本はいくらでも見つかります。社名だけ入れ替えれば、そのまま使えるものだってあるでしょう。
代表権のある役員とはいえ、トップマネジメントではない人の方針を元に目標や実施計画を立てて実施したところで、経営システムの二重化につながるだけで、混乱とリソースの浪費を招きます。それよりは、審査のためと割り切って、形式的な「環境マネジメントシステム」を用意する方が効率的だと思います。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。いわれるとおり形式だけでISO14001を維持すべきでないと思います。ISOシステムのいいところを自社のマネジメントシステムに有効に組み込めてこその認証取得だと思います。

No.38035 【A-2】

Re:環境方針の制定・見直しについて

2012-02-08 15:37:41 sphere (ZWle124

参考になるかわかりませんが、環境方針は組織のトップが表明するもの(認めるもの)であると弊社では解釈しています。そのため、執行代行者という役をつくって(御社の代表権のある役員でしょうか?)その人が実質メインで方針の決定をしています。ただ、あくまで“代行”なのです。社長にも目を通していただき、内容に関して勘違いなどは発生しないようにしておくことが必要だと思います。それと目を通した証拠に直筆サインを入れてもらうなどをしておけば、社内においてもあとあと問題にはならないでしょう。
また、弊社では一度制定した“方針”はISO/TS16949、ISO14001ともに滅多なことでは見直しはしません。中長期計画(前年8年ぶりに改訂しました)で見直します。中身の目標は年1回、見直しますが・・・。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。ISOは、トップダウンが基本ですから、社長が署名するのが必然だと思います。ただし、当社の現状では代表権ある役員に方針決定・署名できないかを考察しております。またご意見をお聞かせいただければ幸いです。

No.38038 【A-3】

Re:環境方針の制定・見直しについて

2012-02-09 20:20:24 (ZWle459

鶏と申します。
まず、2つの論点が混在していると思います。
1つめは「審査において不都合(不適合)が生じないようにするには」
であり、
2つめが「ISOの規格に適合するにはどうするか」
です。

1つめについて言えば、何も難しく考えることは無いと思います。
極端に言えば「よーし、パパ、法律守っちゃうぞー」とでも書いておけば「法令遵守のコミットメント」とみなしてくれる事でしょう。何せ相手は◯能な審査員様ですからw
固く考えなくとも、その程度で充分だと思います。

2つめは少々厄介です。
そもそもISO規格の生まれた欧米では、仕事は部下から情報を収集した上で責任者が「判断」し、部下に対して「命令」するものであるという概念が前提になっています。
しかし日本の多くの企業文化では、仕事は部下が「発案」し、上申した後に責任者が「決済」して進むシステムになっています。
この文化(常識)の差がISO規格の理解を妨げているといっても過言ではないと思います。

欧米においては、例えばトップが人事部に対して「今後10年以内に公害防止管理者の不足が出ないよう、教育の企画をしろ」と具体的に指示を出します。これがつまり「法令の遵守に対するコミットメントを含んだ組織の方針」つまり、「環境(に関する)方針」であろうかと。
要するに「おい、法律守って仕事しろよ?」と部下にドヤ顔するのではなく、「法律を遵守した命令」を下すのがトップ本来の仕事だという事です。
環境方針を文書化するのは「そうしないと仕事が進まないから」であり、逆に言えば「誰も見なくてたって仕事が進む」のであれば、それは無用であり規格要求でもありません。

ただ、「我社のトップは環境問題にそこまで興味がないし」というなら、「そういう社風」なんですから無理せず、規格要求なんぞに囚われることなく、ご自身が「これをやるべき」と思うことを上申していけばよろしいのではないでしょうか。

回答に対するお礼・補足

貴重なご意見ありがとうございました。

No.38043 【A-4】

Re:環境方針の制定・見直しについて

2012-02-10 17:57:03 東京都 / こん (ZWl144

EMSのトップマネージメントは会社のトップレベルであれば「トップ」である必要はないと思います。公式に委嘱されているのであれば、会社代表権はなくてもよいのでは。
また、環境方針はトップが直に作るというより、担当者(部署)が作成しEMSのトップマネージメントの承認を得る(トップも了解)というのが普通ではないでしょうか。もちろん経営方針から逸脱することはできないでしょう。

回答に対するお礼・補足

ご意見ありがとうございます。
私見ながらISOの仕組みの基本は、トップダウン・PDCAサイクル・スパイラルアップが大切かと思います。
権限委嘱されていれば誰でもいいような気がしますが、何かすっきりしないのです。

No.38060 【A-5】

Re:環境方針の制定・見直しについて

2012-02-15 13:29:48 ronpapa (ZWlba5

失礼します。
> ・・・、何かすっきりしないのです。
と返信された言葉が気になり、参考記事のご紹介と私的意見を投函させていただきます。

1) 今月の「日経エコロジー」誌(2012年3月号)の58ページに“環境部長の悩み相談”第17回「経営陣の意識を高める」(回答者:古賀剛志さん)が載っています。
その相談事項は『<新社長の意向が心配> 新しいトップは前任者ほど環境に関心が高くなく、これまでのように環境経営をできるか心配です。経営陣の意識を高めるためにはどうしたらよいでしょうか。』というものです。
まさしく貴方と同様の悩み相談のようですから、(立ち読みでもいいとは思いませんが)目を通してみられたらいかがでしょうか。

2) 質問内容とは外れますが、同誌の末尾には「認証取得で終わらない。ISOを宝の山に変えた企業」という記事もあります。 私の立場で参考になったのは56ページの「ISO14000事務局、10年目の本音(連載第5回)法令違反を防ぐ効果的な手順」でした。

3) 経験上からの個人的な意見ですが、
社長というのは対外的に情報を発信したり得たりしながら、自社の経営方針やその方向性について判断したり決断したりしなくてはなりません。ですから、社会的にも多くの方々と接触する機会が多く、その立場でしか知り得ない事柄についても多くの情報を持ち得る立場です。 まして、取り引き先企業のトップとも接する機会が多く、(それが一般的なことであれ、核心的なことであれ)あまり恥ずかしい話題を出すことも出来ない立場と役回りでもあります。 そして、それが自社のビジネスに深く関わる事であれば、知らないで済まされるはずもなく、自然と必然から対応していただかざるを得ません。
- 私の申し上げたい事は、環境に関する理解と認識においても同様だということです。
つい先頃の賀詞交換会の席上でも類似の場面は多くあったはずです。
大手仕入れ先や、重要得意先との挨拶や懇親の席などでは、近頃の環境問題やそれに対する取り組み姿勢や内容の一部なり、自社のポジションや製品知識の環境面なりを答えられない経営者はいないはずだと思います。
- 推進者がトップに対して言葉で説得することは愚かです。
事実はデータと報告書で定期的に情報発信を続けるのが良いと思います。
それくらいに信念を持って継続することが必要だと思います。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。
「ミドルアップ→トップダウン→ボトムアップ」というアプローチが確立できるといいのですが。とにかく担当者としては、信念をもって継続していくことの重要性はじゅうじゅう理解しているのですが。とにかく、トップが前向きになってもらえるよう試行錯誤しながら頑張りたいと思います。

総件数 5 件  page 1/1