一般財団法人環境イノベーション情報機構
培養している大腸菌の濃度を一定に保つ方法について
登録日: 2011年08月21日 最終回答日:2011年09月19日 水・土壌環境 水質汚濁
No.37420 2011-08-21 22:40:32 ZWld29 環境太郎10
NBRCから購入した大腸菌を培養して実験に使っています。
培養液を希釈して実験に行うのですが、
その中に含まれている大腸菌の濃度を毎回同じにしたいのです。
でも、培養液に入れている限り、増えていってしまいますよね?
十分に培養した後にそれ以上増殖をしないように(でも濃度は減らないように)したいのですが、
どうすればいいのでしょうか?
先輩に聞いたら「冷蔵庫にいれておけば増えることも減ることもない」
と教えられましたが、実際にやってみたら1日で20%ぐらい増えていました。
どうやって濃度を一定に保てばいいのでしょうか?
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No.37422 【A-1】
Re:培養している大腸菌の濃度を一定に保つ方法について
2011-08-22 09:11:39 権田原 (ZWle048
>培養液を希釈して実験に行うのですが、
>その中に含まれている大腸菌の濃度を毎回同じにしたいのです。
>でも、培養液に入れている限り、増えていってしまいますよね?
>十分に培養した後にそれ以上増殖をしないように(でも濃度は減らないように)したいのですが、
>どうすればいいのでしょうか?
>
>先輩に聞いたら「冷蔵庫にいれておけば増えることも減ることもない」
>
>と教えられましたが、実際にやってみたら1日で20%ぐらい増えていました。
>
>どうやって濃度を一定に保てばいいのでしょうか?
冷蔵庫ではなく、超低温冷凍庫にて保存してください。
No.37494 【A-2】
Re:培養している大腸菌の濃度・・・
2011-09-19 23:35:39 ronpapa (ZWlba5
【1】“nite”(独立行政法人 製品評価技術基盤機構)バイオテクノロジー分野 NBRC(NITE Biological Resource Center)http://www.nbrc.nite.go.jp/index.html に直接問い合わせるのが近道ではないでしょうか?
私が気になるのは、目的に応じた菌の管理と使用方法の基本を間違えない事だと思うのですが・・・。
【2】カビ対策マニュアル(文部科学省)http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/sonota/003/houkoku/1211830_10493.html
〜基礎編から抜粋〜
2−1 カビの生育環境
<水分>
微生物の生育に水分が不可欠であり、水が全く存在しない環境では全ての微生物が生育不可能である。物質中に含まれている水は通常は遊離水(自由水)、結晶水、水素結合水、水和水(タンパク質、糖質、脂質、その他との水和)および氷の状態で存在しているが、微生物が利用可能な水分は自由水のみである。すなわち自由水とは、環境の温度、湿度の変化で容易に移動、蒸発および氷結が起こる水である。自由水が減少すると生育速度の低下や生育が停止するなど自由水は微生物の増殖に非常に重要な因子となっている。自由水を定量的に表す指標として水分活性(Aw:water activity)が用いられている。
Aw=P/Po (Aw:水分活性、P:物質の示す水蒸気圧、Po:その温度における飽和水蒸気圧)
表2:微生物の生育可能な最低Aw:〔細菌〕大腸菌(Escherichia coli) 0.95
<温度>
生育可能温度で微生物を大まかに分類すると、0度近傍を最適温度領域とし20度以上では増殖できないものを好冷菌、20〜45度を最適温度領域としているものを中温菌、45〜60度を最適温度領域としているものを好熱菌、60〜80度を最適温度領域としているものを高度好熱菌および90〜100度を最適温度領域としているものを超好熱菌となる。
カビ、酵母及び細菌の生育可能温度と最適生育温度を表3に示す。
なお、凍結すると前述の自由水が氷結し、利用可能な水分が存在しなくなるため増殖が停止する。しかし、カビ胞子や細菌芽胞などは生存していることに注意しなければならない。
表3:微生物の生育可能温度領域と最適生育温度:カビ 0〜40度 25〜28度、酵母 0〜40度 27〜30度、細菌 0〜90度 36〜38度
〜続く〜
No.37495 【A-3】
Re:培養している大腸菌の濃度・・・
2011-09-19 23:44:05 ronpapa (ZWlba5
採取したカビと思われる資料をカビ用培地(サブロー寒天培地、ポテトデキストロース寒天培地あるいはツァペックドックス寒天培地等)に接種し、1〜7日間培養後にカビであるかの判定を行うが、培養時間を必要とし、かつVNC(生きているが培養できない)化した菌糸や胞子には適応できない。また、前述したが、オートクレーブ、安全キャビネット、廃棄物処理の契約やその他カビを安全に取り扱うことのできる施設以外では、カビの培養をしてはならない。
3−5 カビの保存方法
現場から採取し、平板寒天培地に生育させたカビは通常の場合、3ヶ月以上保存することが難しい。また、カビの種類にもよるがスクリューキャップ付き試験管での寒天斜面培地の場合でも恒温高湿下(13度、湿度90パーセント以上)で1年程度が保存の限界である。したがって定期的に新しい培地に移植し、培養、保存を繰り返す必要がある。詳細なカビの継代や保存については「かび検査マニュアルカラー図鑑」等の参考文献を参照してください。
3−6 カビの制御方法
1)物理的制御
<低温>
低温を用いたカビ制御方法は物質の自由水含量にもよるが2〜3度の氷結点(物質の中で水が氷結し始める温度)よりも少し高い温度(0度付近)で保存するとカビは増殖せずに眠らせておくことが可能である。
〜以上、本文を読んで下さい。ご参考まで〜
【3】注意情報
http://www1.mhlw.go.jp/o-157/o157q_a/index.html 腸管出血性大腸菌Q&A(厚生労働省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/20/06/08062005/002.htm (社会問題となった事例)
● 過去のQ&Aを見て、「ZWld29 環境太郎10」さんにとっての大腸菌はライフワークの一環でしょうか?
補足説明や返信お礼が無いままですと、当サイトでの質疑応答が継続することはないと思います。
回答に対するお礼・補足
ronpapa 様
とても丁寧な返答をありがとうございました。
やはり低温度で保存すれば増殖しないのですね。
お礼も今までできなくて申し訳ございません。
実はEICからのメールがスパムに入ってしまってまして、
解答が投稿されたことにすら気づきませんでした。
御礼申し上げます。
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