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環境Q&A

ばっ気とpHについて 

登録日: 2011年06月29日 最終回答日:2011年07月03日 水・土壌環境 水質汚濁

No.37249 2011-06-29 15:36:37 ZWle034 Q

超初心者です。

下水道維持管理指針(2003年度版後編)の58頁に「・・・その他にもかくはん強度を弱くすることになって・・・脱炭酸効果を抑制して反応タンク内のpHを低下させる・・・」とあります。
ばっ気を強くすると二酸化炭素が溶解してpHが下がると聞いたことがあるのですが、逆なのでしょうか?

また、「反応タンク内のpHを低下させる方法としては、酸素活性汚泥法が効果的であるが・・・」とありますが、これは通常の活性汚泥法でのばっ気によるpHの低下よりも、103頁にあるように微生物の呼吸によるpHの低下のほうが大きいということでしょうか?

どうぞよろしくおねがいいたします。

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No.37262 【A-1】

Re:ばっ気とpHについて

2011-07-01 05:26:39 さんぱい (ZWlc35f

工場の廃水処理の実務に携わっています。
曝気とは水に酸素を供給し、微生物を増殖させるものです。
水に酸素を溶解させてもpHは低下しません。
確かに二酸化炭素を水に溶解させればpHは低下しますが、私が教わった理論では生物処理でのpH低下は硝化反応といわれるものです。
アンモニア性窒素を好気性条件下で微生物により亜硝酸性あるいは硝酸性窒素まで酸化することでpHが低下します。

回答に対するお礼・補足

勉強になります。
ありがとうございます。

No.37273 【A-2】

Re:ばっ気とpHについて

2011-07-03 11:26:44 ニンジャ八百六十八郎 (ZWlc319

下水道維持管理指針を見ない人間が一般的な物理化学的な視点で回答します。

・二酸化炭素は大気中にある。
・二酸化炭素が水に溶ければpHが下がる。
・二酸化炭素が水から逃げればpHが上がる。
・接触する気体の二酸化炭素の分圧に比例した濃度が溶け、平衡になる。
・平衡にはそれなりに時間がかかり、呼吸による二酸化炭素の増加や光合成による二酸化炭素の減少に比して、非常に遅い。
・平衡を早めるには、ばっ気、攪拌するなどして、水と気体の接触面積を増やす。

以上が前提です。
よって、

>「・・・その他にもかくはん強度を弱くすることになって・・・脱炭酸効果を抑制して反応タンク内のpHを低下させる・・・

→下水の処理槽のことだと思いますが、多くの呼吸がなされている場所なので、液中の二酸化炭素濃度が濃いところ。
→攪拌しなければ、液中は二酸化炭素濃度過多になり、pHが下がる。
→攪拌すれば、液中から二酸化炭素が逃げ、pHが上がる。


>ばっ気を強くすると二酸化炭素が溶解してpHが下がると聞いたことがあるのですが、逆なのでしょうか?

→これは、光合成が活発に行われているような貧二酸化炭素の水の場合ではないでしょうか。
→貧二酸化炭素の水にばっ気。
→二酸化炭素が溶け、pHが下がる。


二酸化炭素だけに着目すれば、元の水にどれだけ二酸化炭素が溶けているかで、
ばっ気をした場合のpH変化方向が変わります。

回答に対するお礼・補足

平衡状態がポイントですね。
ありがとうございました。

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