建設廃棄物元請責任
登録日: 2011年01月11日 最終回答日:2011年01月26日 ごみ・リサイクル 産業廃棄物
No.36324 2011-01-11 14:24:58 ZWldc0 たまき
識者様たちへご質問があります。是非よろしくお願い致します。
当方は某住宅設備機器メーカーです。
この設備機器をメーカーである我ら自身が工事付きで販売しております。販売先は主に工務店様で我等は現場から見ると下請業者の立場になるかと思います。
改正廃棄物処理法においても明文化されたように建設廃棄物においては元請業者に排出者責任が一元化されました。
一方で衛産82号通知は廃止、環廃産276号通知は改訂とパブコメ回答でもありましたとおり、建設工事における下請業者による「排出者責任は基本的に負うことが出来ない」と解釈しております。(改正法第21条3の2や第21条3の3のケースを除く。)
さて建設産廃については元請に責任有りな訳ですが、大手ゼネコンや大手ハウスメーカーは当然元請責任を自覚しておりますので、現在の新築物件におきましては現場に産廃回収BOXを設置され、我等のような下請工事人は、その中に投棄すれば良い状態になっております。
一方で小規模工務店様やリフォームの現場では、「現場に産廃BOXがない」状況も多々あり、我等は工事残材を持ち帰らざるを得ません。
この残材を持ち帰り、我ら自ら産廃業者に処分委託している場合、我らは法の趣(すなわち建設産廃は元請責任)に反し、法令違反の状態と解釈されるのでしょうか?
このとき、持ち帰り残材は90%以上を再資源化(有価物売却やリサイクル処理)を行っていますが、下請業者が残材を持ち帰るための法的解釈で適切な解釈は無いものでしょうか?
以上よろしくお願い致します。
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No.36344 【A-1】
Re:建設廃棄物元請責任
2011-01-15 12:38:56 そうせき (ZWl9f44
>この残材を持ち帰り、我ら自ら産廃業者に処分委託している場合、我らは法の趣(すなわち建設産廃は元請責任)に反し、法令違反の状態と解釈されるのでしょうか?
元請の立場から回答してみます。
この場合、違反しているのは元請業者であり、下請業者が違反となることはありません。これは現在の法律でもそうですし、4月以降の改正法でも同じです。
現在の法律では、この場合の下請けは本来やらなくていい処理をしているので、不適正処理があっても処罰しにくい状態にあった。
今回の改正法第21条の3第4項により、この場合の下請けがマニフェストの不交付や無許可業者への委託などの不適正をした場合も処罰されることが明記されました。
要は元請の問題であって、下請けとしては適正処理をしている限り違反に問われることはありません。
一方元請としては、下請に押し付けるような元請にならないようにするというのが、廃掃法のそもそもの主旨だと思っています。
回答に対するお礼・補足
回答有難う御座います。
つまり下請としては元請業者が適正処理を行わず、自ら処理を行わざるを得ない場合に第21条3の4を適用し下請業者自身で適正に処理すると解釈されるということなのでしょう。
もし間違えていましたら御指摘願います。
新築でもリフォームでも元請業者が自身で適正処理する(処理の委託をする)なんてケースは比較的大手の工務店さんだけのように感じています。
元請様に「持ち帰りなさい」と言われたら持ち帰らざるを得ないですね。
また下請業者による「工事残材持ち帰り」は慣例的に昔から行われていますからね。
No.36365 【A-2】
Re:建設廃棄物元請責任
2011-01-18 11:41:23 そうせき (ZWl9f44
基本的には正しいと思いますが、下記の部分が問題になります。
>元請様に「持ち帰りなさい」と言われたら持ち帰らざるを得ないです
>ね。
収集運搬許可のない下請けが「持ち帰りなさい」と言われて産廃を持ち帰ったら、「無許可受託」です。その時点で下請け業者はアウトです。
(当然元請も「無許可業者への委託」で違反です。)
環境省もこの改正条項は「下請負人の処理委託を推奨する趣旨ではない」と言っています。(事務連絡 平成22年5月20日)
結局、どういう場合に下請けが処理委託していいのかは、どこにも書いてありません。あくまで、下請けによる処理委託に不適正処理があれば、下請けが罰せられるというだけです。
「無許可受託」とみなされれば、適正処理であってもダメです。
先の回答によってこの点を誤解されたしたら、申し訳ありません。
回答に対するお礼・補足
回答ありがとうございます
>収集運搬許可のない下請けが「持ち帰りなさい」と言われて産廃を持ち帰ったら、「無許可受託」です。その時点で下請け業者はアウトです。
この辺が実に微妙ですね。でも確かに「持ち帰りなさい」と言われたらそれは「委託」になるのは理解できます。
>結局、どういう場合に下請けが処理委託していいのかは、どこにも書いてありません。
結局、これが一番の問題ですね。
そして
>下請負人の処理委託を推奨する趣旨ではない
という事務連絡の表記は裏を返すと「推奨しない」という表現は→「それを行うことは奨めない」→「それを行っても違法と解釈されるものではない」とも言えると思っています。
結論としましては・・・・
施工現場で下請自身の施工で発生排出した産廃は、
基本的には元請業者に処理の責任はありますが、
実態として元請業者による適正処理が期待できない場合、
(現場に元請様用意の産廃BOXが無い とか
元請様と施工産廃の処理について同意事項が取れていない とか
現場に元請様の立会いが無い とか・・・色々なケースがあると思いますが)
その施工産廃を現場に放置して帰ることは不法投棄に繋がる可能性もあることから
その産廃は、ちゃんと持ち帰り施工を行った下請自身が適正に処理(を委託)することを法は否定してはいない。(但し、これは「奨められない」)
ということですね。
No.36404 【A-3】
回答にはなってないです。
2011-01-26 16:34:40 たる吉 (ZWl47e
もちろん、現実問題は大いに存在すると思います。
おっしゃるとおり、下請業者が「自ら排出した」と認識している廃棄物迄、元請け処理としなければならないという改正でも無いように思えてきました。
(たとえば、建設工事に付随して梱包されて納品される物の、購入・開梱・設置を販売元に委託した場合、開梱されて発生する廃棄物を設置業者(販売元ではない)が自ら持ち帰り自らの廃棄物として処理することが、法に抵触するとも思えない)
回答に対するお礼・補足
たる吉さん>ありがとうございます。
建設工事も色々あり、中小工務店様の物件は原則「自分が行った工事の産廃は持ち帰り」です。
それは、特に残材に関する打合せをしていない限り、当たり前の感覚です。
一方、大手ゼネコン様の物件では全く逆です。持ち帰ったらペナルティを受けます。
この両者の180度違う状況は、かなり困っています。
工事付きで現場に納める場合、引渡し完了後に発生した産廃とかがあれば、元請様に処理はお願いできますが引渡し前ですと、話にもならないのが実情です。(クレーム対応は別)
このような状況に「法令は対応している」と解釈しています。
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