一般財団法人環境イノベーション情報機構

ヘルプ

サイトマップ

メールマガジン配信中

環境Q&A

PCB底質暫定除去基準とダイオキシン類底質環境基準の関係 

登録日: 2010年03月28日 最終回答日:2010年04月10日 水・土壌環境 水質汚濁

No.34438 2010-03-28 11:32:54 ZWlc43b 底生生物多様性

PCB底質の暫定除去基準は10ppmと昭和50年に定められました。
  http://www.env.go.jp/hourei/syousai.php?id=05000179

ダイオキシン類底質環境基準は150pg-TEQ/gと平成14年に定められました。
  http://www.env.go.jp/hourei/syousai.php?id=05000168

PCBはダイオキシン類の一部ですので、両方調査する必要があるのでしょうか?
また、どちらか一方だけの調査で済ます場合はどのような場合なのでしょうか?
さらに、行政の取組みは何を参考にしているのでしょうか?

お教え下さいますようお願いします。

総件数 1 件  page 1/1   

No.34546 【A-2】

Re:PCB底質暫定除去基準とダイオキシン類底質環境基準の関係

2010-04-10 13:39:04 PCB 2ppmで環境基準超過 (ZWl8626

 PCBのうち、コプラナーPCB(塩素原子が分子の外側を向き平面状分子となっているもの、一般のPCBに比べて毒性が高い。)はダイオキシン類の一部に分類されています。

現在のダイオキシン類の底質環境基準は150 pg-TEQ/gであり、10ppm(=10,000,000pg/g)と大きな差があるように見えるが、対象となる物質が異なるとともに分析方法や毒性等価係数等の差があることから単純には比較できません。

 底質中におけるPCBとダイオキシンの濃度の関係については、
PCBは平成19年度版「化学物質と環境」によると、各調査地点の年間平均値が36〜670,000pg/g-dryで、その幾何平均値が7,600pg/g-dryです。 一方、ダイオキシン類についてはダイオキシン類対策法に基づくモニタリングデータによれば平成18年の各調査地点の年間平均値は0.056〜750pg-TEQ/g、その幾何平均値が6.7pg-TEQ/gとなっています。

つまり平均のオーダー的には
PCB:0.007PPM
ダイオキシン類:7pg-TEQ/g

この比率で底質ダイオキシン類環境基準を当てはめると
PCB:0.15PPM
ダイオキシン類:150pg-TEQ/g

 となりますが、含まれているPCBやダイオキシン類によるばらつきがあり単純な比較は難しいです。


 しかし、重要なのは底質PCB濃度が2ppmを超過すると多くの場合で、ダイオキシン類濃度が150pg-TEQ/gを超過することを各河川・港湾管理者(例:神戸市 遠矢浜)等が公開している現実があることです。


参考までに毒性等価係数を示しておきます。
PCDD 2,3,7,8-テトラクロロパラジオキシン(参考) 1


ノンオルト置換
(コプラナーPCB)
3,3',4,4'-テトラクロロビフェニル 0.0001
3,4,4',5-テトラクロロビフェニル 0.0003
3,3',4,4',5-ペンタクロロビフェニル 0.1
3,3',4,4',5,5'-ヘキサクロロビフェニル 0.03

モノオルト置換PCB
2,3,3',4,4'-ペンタクロロビフェニル 0.00003
2,3,4,4',5-ペンタクロロビフェニル 0.00003
2,3',4,4',5-ペンタクロロビフェニル 0.00003
2',3,4,4',5-ペンタクロロビフェニル 0.00003
2,3,3',4,4',5-ヘキサクロロビフェニル 0.00003
2,3,3',4,4',5'-ヘキサクロロビフェニル 0.00003
2,3,4,4',5,5'-ヘキサクロロビフェニル 0.00003
2,3,3',4,4',5,5'-ヘプタクロロビフェニル 0.00003

総件数 1 件  page 1/1